俺のラブコメが義妹一色になりつつある 〜学校の四人の姫に何故か好かれています〜
望米
第1話.義妹の可愛さが限界突破していることについては俺だけしか知らない
俺──
透き通るように綺麗な銀髪を靡かせ、吸い込まれそうな程しっかりとこちらを見据えていた宝石のような碧色の瞳。
白く美しい肌も相まってより神秘的に見えた彼女との初対面は今でも忘れることは出来ない。
今となっては小6に見とれるなど我ながらおかしな事ではあった気がするが、ハーフである美鈴はそれほどに美しかったという事で勘弁してもらいたい。
美鈴は元から人見知りが激しい性格なのか、それとも他人に興味が無かったのか最初の頃、彼女は目も合わせてくれず言葉すら発さないダラける生き物と化していた。
義母は、ロシア人であるためカタコト・・・などではなく、日本在住の期間が長いため日本語ペラペラである。そして美鈴をそのまま大人にしたような女性で最初の頃は接し方を戸惑っていたがあのアホ親父とのイチャつきを見ていると次第に同類に思えてきて今ではすっかり呆れ顔で二人を睨むぐらいには仲良くなれて・・・いや、それは仲良くなれているのか?
まぁ、感謝していないのか?と聞かれればそれはもちろん感謝をしている。
物心着く前に離婚していた父は一人で俺を育てて来てくれた。
そのため、小さいながらも心のどこかで自分が父を縛っているのでは無いか?という罪悪感に駆られることもしばしばあった。
だが、そんな時に再婚という話が持ち上がったのだ。
その時の父の嬉しそうな笑顔は今でも時々思い出す。
再婚してからというもの父は前より一層笑顔が増えたような気がする。
美鈴と母さんが家族になって父に笑顔を与えてくれた事に感謝を忘れたことは一度もない。
しかし、一つだけ昔からやってきた日課が抜けず。
夜食だけは俺が作ると母さんには言っている。
とは言っても母さんも譲ってくれなかったので基本的には母さんと二人でキッチンに立つことが多い。
料理は小学生の頃からやってきた日課で、最初の頃は危ないからダメだ。と父が猛反対していたものの、近くに住んでいる祖母の元で料理を手伝っていたので、中学になってもそれが抜けず高校二年になった今は父の単身赴任先に母さんがついていったこともあり俺が毎日の食事を調理を担っている。
美鈴と仲良くなったきっかけも俺が作ったハンバーグにあった。
野菜が嫌いだった美鈴は頑なに食べようとしなかったが、俺のアレンジした野菜ハンバーグを美鈴が大好きになってしまい、それから懐かれている。
我ながら義妹である美鈴がチョロすぎて心配になるところだが・・・。
ちょうどその時期から・・・。
ダウナー系義妹の様子が変化していった。
「・・・・・・にぃ?おにぃ?」
目を閉じ昔のことを思い出しながら耽っていた奏多だったが、肩を揺すられ意識を現実に戻す。
「我が義妹か。」
「ん。」
今この一軒家には、俺らしか住んでいない。
何故かと言うとそれは先程も言った通り、父の単身赴任先に母さんがついていったからだ。
「俺の部屋に無断で入るとは・・・。義妹よ。もし俺が事の最中だったらどうしていたつもりだったんだ。」
「・・・・・・?」
可愛らしく小首を傾げる純粋無垢な美鈴に思わずため息を吐く奏多。
「最中・・・・・・?なに?」
「なんでもない。俺が悪かった。それ以上の詮索は俺が終わるからやめていただきたい。」
美鈴はまだ頭にハテナを浮かべた状態だったが、こくりと頷くと、自分の服の裾をギュッと握る。
『これは・・・来たな。』とつい息を飲む奏多。
頬を朱に染めた美鈴。
「おに・・・・・・か、奏多・・・。」
美鈴は甘えるようにゲーミングチェアに座っている俺の膝の上に座り胸に顔をうずめる。
そう。この義妹・・・。
めちゃくちゃ可愛いのだ。
「か、かにゃた。」
噛んだ。そして自らもそれを恥ずかしいと思ったのかより一層頬が赤くなる。
白く美しい肌のため朱に染まった頬がよく目立つ。
「・・・・・・ぎゅーして。」
普段の無気力でクールな美鈴からは想像も出来ないほどに甘い声色にこちらを上目遣いで見やるという破壊力。
しかしこれも幼少期の寂しさから来る甘えであろう。
ならば俺は全力で美鈴を甘やかさねば。と思い
二年とちょっと前からこんな感じで甘やかしている。
「美鈴。」
あまりの可愛さに強く抱き締めてしまいたかったが、優しく抱きしめ頭を撫でる。
「・・・・・・もっとぎゅーして欲しい。」
奏多の背中に腕を回し、より密着する美鈴。
高一となり大人っぽくなった美鈴に密着され少し恥ずかしくなる奏多だが、美鈴を甘やかすという任務を全うしている。
若干幼児退行しているのでは?と思えるほどの美鈴の甘えっぷりだが、この可愛さは俺だけしか知らない。
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甘いのって書いていると恥ずかしくなってきますね・・・。
初めてこういう系書き始めましたけど、恥ずか死にます。
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