「魔法学校の裏切り者」

第3話 暗号のメッセージ

アリスとベンジャミンは次に、図書館へと向かった。エルフィンアカデミーの図書館は広大で、数世代にわたって集められた魔法の書物や古代の記録が所狭しと並んでいた。ここには過去の事件やアカデミーの歴史に関する貴重な情報が眠っているかもしれない。

図書館に到着すると、二人はまず、魔法道具や古代の魔法に関する書物を調べ始めた。何冊もの本をめくりながら、彼らは事件の手がかりを探していた。

「アリス、ここに古代の魔法道具に関する記述がある。もしかしたら、さっきの破片に関係しているかもしれない」とベンジャミンが一冊の古びた本を指さして言った。

アリスはそのページを詳しく読み始めた。そこには、失われた魔法道具やその力についての詳細が書かれていた。しかし、特定の手がかりを見つけることはできなかった。

「うーん、この本には参考になる情報はあるけど、直接の手がかりはなさそうね」とアリスは少し落胆した様子で言った。

その時、図書館の奥から不意に声が聞こえてきた。「アリス、ベンジャミン。こっちに来て。」

二人が振り向くと、そこには図書館の司書であるセレナ・ウォルシュが立っていた。セレナは冷静で知識豊富な女性で、図書館のあらゆる書物に精通していた。

「セレナさん、何か手がかりがあるんですか？」とアリスが尋ねた。

「これを見て」とセレナは一枚の古い紙を手に持ち、二人に差し出した。紙には奇妙な暗号が書かれていた。

「この暗号は、最近図書館の古書の中に紛れ込んでいたものです。何かのメッセージかもしれませんが、解読が必要です。」

アリスとベンジャミンは暗号の紙をじっと見つめた。そこには、複雑なシンボルと文字が並んでおり、一見して意味を理解することはできなかった。

「これは一体…」ベンジャミンが呟いた。

「解読できれば、何か重要な情報が得られるかもしれない」とアリスは決意を新たにした。

二人はセレナの助けを借りて、暗号の解読に挑むことにした。図書館の一角に座り込み、暗号を解くための資料を次々と集め始めた。彼らは、古代の魔法言語や暗号解読に関する書物を手に取り、ひたすら読み進めた。

「このシンボルは、古代の魔法文書に似ている…」アリスは一つのシンボルに目を留めた。「もしかしたら、この部分は…」

時間が経つにつれて、二人は少しずつ暗号の意味を解明し始めた。シンボルと文字を一つずつ解読し、ついに暗号のメッセージを読み取ることに成功した。

「ここに書かれているのは…『闇の力を目覚めさせる者、禁じられた魔法に手を出すな』…？」ベンジャミンが読み上げた。

「これは警告だわ。何か大きな危険が迫っている…」アリスは背筋が凍る思いを感じた。

二人は暗号のメッセージを持って、急いでエレノア教授のもとへ向かった。事態は予想以上に深刻であり、彼らは一刻も早く真相を解明しなければならなかった。魔法道具の盗難とこの警告が関係していることは明らかだった。

エルフィンアカデミーを守るため、アリスとベンジャミンの調査はさらに深まっていく。次第に明らかになる真実と、その背後に潜む陰謀に二人は立ち向かう覚悟を決めた。