第2話 初めての手がかり

講堂での緊急集会が解散した後、アリスとベンジャミンはすぐに行動を開始した。彼らはまず、事件が起こったとされる場所へ向かうことに決めた。エルフィンアカデミーの防御魔法を維持するための重要な魔法道具が保管されている地下室へと足を運んだ。


地下室は、普段は厳重に管理されている場所で、許可された者しか入ることができない。しかし、校内で最も信頼されている生徒の一人であるアリスには、特別に出入りの許可が与えられていた。ベンジャミンと共に地下室に入ると、そこには破壊された扉と、散らかった書類が無造作に放置されていた。


「これは…ひどいことになってる」とベンジャミンが呟いた。


「手がかりがあるかもしれないから、注意深く調べてみよう」とアリスは冷静に答えた。


二人は手分けして地下室を調査し始めた。アリスは床に散らばった書類や壊れた棚を一つ一つ確認し、ベンジャミンは破壊された扉の周りを詳しく調べた。しばらくすると、アリスは何か光るものを見つけた。


「ベン、こっちに来て。これを見て」とアリスが呼びかけると、ベンジャミンは急いで彼女のもとに駆け寄った。アリスの手には、銀色に輝く小さな破片が握られていた。


「これは何だろう?」ベンジャミンが尋ねた。


「おそらく、何か魔法道具の一部だと思うけど…」アリスは慎重にその破片を観察した。「これを調べれば、何か手がかりになるかもしれない。」


二人はその破片を持って、校内の魔法研究室へ向かった。そこには、魔法道具の解析を専門とする教授、エレノア・スミスがいた。エレノア教授は、アリスとベンジャミンが持ってきた破片に興味を示し、すぐに解析を始めた。


「この破片は、かなり特殊な魔法道具の一部のようですね」とエレノア教授が言った。「ただし、完全に特定するにはもう少し時間がかかります。」


「ありがとうございます、エレノア教授。解析が終わったらすぐに教えてください」とアリスは感謝の意を述べた。


研究室を後にした二人は、次に何をすべきかを話し合った。事件の背後にある真実を突き止めるためには、もっと多くの情報が必要だった。


「この破片が何か分かれば、少しは進展があるかもしれないけど…他にも手がかりが必要だ」とベンジャミンが言った。


「そうね。校内の他の場所も調べてみましょう。もしかしたら、何か見落としているかもしれない」とアリスは答えた。


二人は引き続き調査を進める決意を固め、アカデミー内の様々な場所を調べ始めた。彼らが直面するのは、謎と陰謀に満ちた冒険の始まりだった。アリスとベンジャミンは、エルフィンアカデミーを守るために全力を尽くすことを誓った。

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