第7話 新しい友人
あきらの講演から数日が経ち、彼の日常はさらに充実したものになっていた。感情日記を書き続けることで、自分自身を見つめ直し、新たな気づきを得ることが増えた。そんなある日、彼のブログに一通のメッセージが届いた。
「こんにちは、あきらさん。あなたの感情日記にとても感動しました。私も同じような経験をしているので、お話しできればと思っています。— リナ」
あきらは驚きと共に、心が温かくなるのを感じた。同じような経験を持つ人が、自分の言葉に共感してくれたことが嬉しかった。あきらはリナのメッセージに返信し、彼女と会う約束をした。
数日後、あきらは近くのカフェでリナと会うことになった。カフェに入ると、明るい笑顔で手を振る女性が目に入った。彼女がリナだった。
「こんにちは、あきらさん。リナです。お会いできて嬉しいです。」
「ああ、こんにちは。こちらこそ、お会いできて嬉しいです。」
二人はカフェの静かな席に座り、話を始めた。リナは、あきらと同じように引きこもり生活を送っていたが、感情日記を始めることで少しずつ前向きになれたという。
「あなたのブログを読んで、私も勇気をもらいました。自分の感情を言葉にすることで、こんなにも心が軽くなるんだと初めて知りました。」
リナの言葉に、あきらは深く共感した。
「僕も同じです。感情日記を書くことで、自分の中のモヤモヤが少しずつ晴れていくのを感じました。」
二人はそれぞれの経験や感情を共有しながら、深い話を続けた。リナもまた、家庭や学校での辛い経験を抱えていたが、それを乗り越えるために感情日記を書き始めたのだ。
「私も最初は何を書けばいいのか分からなかった。でも、少しずつ自分の気持ちを素直に書き出すことで、自分自身を受け入れることができるようになりました。」
リナの話に、あきらは頷きながら聞き入っていた。
「そうですね。僕も自分の気持ちを素直に表現することが大事だと思っています。」
二人はお互いの経験を語り合い、励まし合うことで、ますます親近感を覚えた。そして、リナは新たな提案をした。
「私たちだけでなく、もっと多くの人たちに感情日記の素晴らしさを伝えていきませんか?一緒にワークショップを開催して、みんなで感情を共有する場を作りたいんです。」
その提案に、あきらは心から賛同した。
「それは素晴らしいアイデアですね。僕も一緒にやりたいです。」
二人は新たな目標に向かって計画を立て始めた。ワークショップの内容や開催場所、参加者の募集方法などを話し合いながら、次第に具体的な形が見えてきた。
「これから一緒に、もっと多くの人たちに感情日記の素晴らしさを伝えていきましょう。」リナは意気込んで言った。
「はい、頑張りましょう。」あきらも同じ気持ちで答えた。
その日、あきらは新しい友人リナとの出会いを感謝しながら家に帰った。早速、感情日記にその日の出来事を書き綴った。
「今日はリナさんという新しい友人に出会いました。彼女も感情日記を書いていて、共感することがたくさんありました。これから一緒に、感情日記のワークショップを開催する予定です。新しい目標に向かって、前向きに進んでいきたいと思います。」
その投稿には、また多くの読者からの応援のコメントが寄せられた。あきらは、自分の経験が他の人の助けになることに喜びを感じながら、これからも新しい挑戦を続けていくことを決意した。
あきらの新たな一歩は、また一つ確実に前進していた。新しい友人との出会いと共に、彼はますます自信と希望を持ち始めていた。これからも彼の心には確かな希望が育っていくことを信じていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます