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第1章 第1話 ぼっちにも春が来た

第1話 妖怪

妖怪。

所謂超常現象、幽霊、怪異、都市伝説の類。大昔であれば鬼や河童が有名である。現代の代表でいえばトイレの花子さんである。

これはその妖怪に関わるお話。

はるか昔、平安の時代に安倍晴明という陰陽師がいた。生まれつき神通力を持つ安倍晴明は平安の世を守るために悪しき妖怪を退治をしていたという。しかし、安倍晴明１人だけでは世を守ることができず、そこで人でも妖怪の力を使うことができる『妖武具』を作り出したという。

妖武具は１２種作られ、その力を持って平安の世を守ってきたという。けれど、その力の強大さ故に悪しき者たちが武具をめぐって争いを起こすようになり、いつしか大乱を起こすようになった。それに憂いた安倍晴明は妖武具を2度と人の手に渡らないよう日の本の各地に封印したという。

時は流れ令和となり、安倍晴明が施した封印は弱まり、伝説の伝承となった妖武具は再び人の手に渡るようになったという。

この物語はその妖武具の1つを持つ１人の少年とその仲間たちの物語である。