第17話

 シルクがラビットからドロップしたカードを拾っている間に、俺は先ほど見たことを考えるた。もしかしたらモンスターを倒せば、階層と同じだけの経験値が得られるのではないかと。


 これは3階層でモンスターを倒せば分かることだが、特殊な召喚で契約したシルクなら何かを知っている可能性が高い。


 「ねぇ、シルク。」


 「なんですか?ご主人様。」


 「経験値って階層と同じだけ手に入るの?」


 「いえ、違いますよ。」


 「あっ、違ったんだ。」


 俺の予想は外れていたようだ。それならどう言う条件で獲得する経験値が変わるのだろうか。それもシルクが知っている気がして質問する。


 「それじゃあなんでさっきのラビットの経験値は2ポイントの経験値だったんだ?」


 「ああ、そう言うことですか。それはラビットのレベルが2レベルだったからですよ。倒したモンスターのレベルと同じだけの経験値を得られるんです。」


 「なるほどな。」


 2レベルのラビットだから強かったのか。それなら1階層のラビットはレベル1だったんだな。だからあのラビットは強かったんだ。


 納得した俺はシルクからカードを受け取ると、通常のドロップだったラビットの毛皮をカードから取り出してブランクカードと一緒にインベントリの中に収納した。


 それからシルクと一緒に探索を続けて行き分かったことがある。それは2階層に現れるモンスターであるラビットのレベルは1〜3レベルなことだ。


 2階層からはレベルが前後に1ずつ階層と違うらしい。レベル3のラビットと戦ったが、その強さはレベル2よりも若干強いだけだったが皮の盾での防御が難しかったが、それでも俺とシルクの2人で戦うのに問題ない強さだった。


 そして2階層の探索中に宝箱を発見する。その宝箱はいきなり目の前に現れた。多分、階段と同じ仕組みなのだと思う。


 「これが宝箱か。開けてみようか。」


 「いえ、宝箱の中には罠も仕掛けられている可能性があります。一応、私が宝箱を開けます。」


 「罠か。でもそれだとシルクが危なくないか?」


 「問題ありませんよ。ご主人様よりも素早く動けますから回避して見せますよ。」


 自信満々にシルクは宝箱の前に移動して宝箱の蓋を開いた。この宝箱には罠は仕掛けられていなかったようだ。


 「ほら、来てください。」


 「うん。」


 宝箱には何が入っているのか気になりながらシルクの元へと向かう。


 シルクに寄って開けられた宝箱の中を確認すると、そこには青い光を放っている石が1つだけ入っていた。


 「これってなんだろ?」


 「普通なら鑑定系スキルがないと分かりませんが、ブランクカードを使えば名前と使い方と効果は分かりますよ。」


 そう言えば採取ポイントにブランクカードを使った時、採取したアイテムのことがカードに書かれていたのを思い出す。


 この不思議な青い石も同じようにブランクカードの中に仕舞って確かめてみよう。そう思い、俺はインベントリの中からブランクカードを一枚取り出して青い石に使ってみた。


 そうして青い石がブランクカードの中に入っていくと、白紙のブランクカードに青い石の絵が描き込まれた。


贈与石

効果 100ボーナスポイント獲得

使用するとボーナスポイントを獲得できる不思議な青く光る石 使い方は贈与石に触れて使うと思えばいいだけ


 これがあの青い光を放つ石の名前や効果のようだ。この贈与石を使えば、100ポイントのボーナスポイントを得られるようになる。


 「シルク。これ、俺が使っても良いか?」


 「構いませんよ。あのスキルに使うのですよね。」


 「ああ。これを使えば、今日からの貰えるボーナスポイントが増えるだろうからな。」


 そして俺はカードから取り出して手に持った贈与石を使用すると、贈与石は青い光を放って光が俺の中へと消えるのと同時に贈与石も消滅する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る