死の瀬戸際の世界で僕たちは
@Suknow
第1話 入学式
あおり運転の末、死傷者を出した事件の初公判が昨日行われました。
遺族の意見陳述が行われ......
ニュースを見るたびに思う、僕たちはいつ死んでしまうかわからない世界で暮らしている。
毎日のように起こる交通事故に突発性の病気、人間関係のトラブルで自殺、自然災害、はたまた殺人事件に巻き込まれたりいつ死んでもおかしくない状況生きている。そんな世界で僕たちはどう生きればいいのか。そう思うのは、きっと僕に...
いや、今日は入学式だ。変な顔していけばきっとクラスでボッチになってしまうだろう。
ふと時計が目に入ると時刻は8時を過ぎていた。
行ってきますと伝え家を出る。そう、今日から僕は中学生なのだから。
学校につくとクラスを掲載している紙があった。自分はどうやら3組のようだ。
教室に入ると半分近くの人が仲良くなろうと自分の座席の近くの人に話かけているところだった。席に着くと隣の人が話しかけてきた。
「僕は
「僕は
「何かスポーツやってる?」
「今はもうやってないかな。小学生のソフトボールクラブには入ってたんだけどもう中学生だからスポーツもやらないかな」
「そうなんだ。僕はそもそもやってなかったかな」
やってないのにこいつ聞いたのかよ。ちょっとやばいやつかもな。俺から話振ってみるか。
「なんか好きな本あったりする?」
「よく推理小説とか読んだりするかな。あとは異世界転生系の本も読むかな」
「僕も推理小説は読んだことあるよ。確か、MST事件ってやつを読んだかな」
「あ~あれか。あれは名作だよね、あの本書いた人はアガサクリスティーって言ってミステリー作家の中ではよく聞く人だよね」
そうこうしているうちに先生が入ってきた。見た感じ30歳前後の女性でとても若々しかった。そして、最初のホームルームが始まった。
「担任の
坂柳先生は体育を担当するらしい。ただ、体育は男女別でやるらしく僕にはあまり関係のない話だった。その後は自己紹介をして時間が過ぎていった。
そして入学式が始まった。
「私立
ここは私立相々学園、中高一貫の私立で僕の入学の五年前に設立された新しい学校だ。
「校長先生の話、校長先生お願いします。一同 礼」
「この学校は私立相々大学の研究の一環で設立され、毎年豊富な補助も受けております。そのため学費も公立学校と変わらず、さらには制度も充実しています。皆さんにはこのような恵まれた環境ですくすくと育っていってほしいです。」
大学の研究とは思春期の子供たちの精神的影響についてという題材だそうだ。それをしっかり検証するために学力検査はあってないようなものでほぼ抽選らしい。ただし学力検査の上位30名は抽選ではなく合格になる。また定期試験の上位30名には学級委員や生徒会に入ることができるようになる。そしてその学級委員や生徒会にはほかの学校では見ない特別な活動がある。その1つが相談室制度だ。詳しくは知らないが、各クラスの学級委員が相談にのるらしい。どうやら特別手当も出るらしくかなり人気のポストになっている。
「これで入学式を終わります。一同起立 礼」
いろいろ考えていると入学式が終わった。話はほとんど無駄話だったがこの学年は280名で計8クラス。一クラスにすると35人だそうだ。
~~~~~
長かった初日も終わりそろそろ帰れるかと思った時に先生から呼び出された。
何だろうと思いついていくとどうやら学力検査の上位30名が呼び出されたようだ。
ここにいる人には学級委員になる資格があることを聞かされ学級委員に立候補したい人をきかれた。僕のクラスでは僕と
学級委員を担当するのは僕たちの学年の学年主任で男子の体育を担当する鈴木先生だ。
最近話題のアーティストに似ていてとても生徒主体でやらせてくれる素敵な先生だと思った。そして委員会が始まった。
「まず自己紹介をするか。じゃあ、1年1組から順番で」
「1組の........」
「2組の
「2組の........」
「3組の高橋紬です。よろしくお願いします」
「3組の能條涼叶です。よろしくお願いします」
「4組の.....」
~~~~~
「自己紹介ありがとう。前期の間このメンバーで頑張っていこう」
「次に委員長と副委員長、書記を決めたいと思うが、誰かなりたいやつはいるか?」
僕は学級委員になりたかったものの委員長などは責任がありそうでなるのはいやだと思っていた。その場に少しの間が生まれた後一人の女子が手を上げた。1年2組の人だ。
「桜、やるか?ほかになりたい人はいるか?誰もいないようだな。なら決定だな。」
「副委員長と書記は?この三人だけか?よし決まりだな」
「じゃあ最後に今年のスローガンを.........」
~~~~~
「もうこんな時間かそろそろおなかすいただろ?飯食ってくかちょうど説明することもあるしな」
そんなこんなで食堂に移動してきた。どうやらこの学校は学校が生徒に対して生活費を出してくれるそうだ。使い道は食費や学校に併設されている学校の部屋(通称:楽屋)という宿泊のできる場所ならどう使ってもいいそうだ。支給額は一年間で7万円. 給食は1か月5200円、楽屋は一泊1000円となっている。一見支給額が多すぎるように思うが先輩方はかなりきついらしい。どうやら自分たちでお金のやりくりを学ぶためにやっていることとの事だ。
後から知ったが楽屋は230部屋あり、内装はビジネスホテルのような感じで勉強もできるようになっていた。
そんなこんなで昼も終わり委員会の後半戦が始まることなった。
~~~~~
「それじゃあ最後に相談室の説明をする。これがうちの学校の一番の特徴であり、君たちの一番大きな仕事だからしっかり聞くように。まず、相談者は自宅または楽屋で相談することになる。学級委員は校舎4階にある相談室のほうで待機することとなっていて、通話で相談することになる。そして学級委員には時給が発生することとなっている。一時間当たり1000円だ。これは好きに使ってもらって構わない。一応学校で明日配られる予定の端末にて自分に相談が入っているかは把握できるため相談のないときは帰ってもらって大丈夫だ。とまあ説明はこんなもんかな。あとは明日の全体説明できいてくれ。学級委員では早朝や夜中に相談を入れられたときに無料で楽屋を優先的に利用できるようになっているからその時は自由に使ってくれ」
こうして僕の長い中学校初日が終了した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます