ウィズキートンズ。

エリー.ファー

ウィズキートンズ。

「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「いつか、この街を出ようと思います。僕には、この街と一緒に生きていく勇気がありません。ごめんなさい」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「もしも、ピアノが弾けるようになったら。もしも、もしもの話さ」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「ここに歴史はありますか。いや、どこにでもありますね。すみません。忘れて下さい」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「さようなら、別れの歌を」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「ピザが食べたいんです。どこに行けばいいのか教えて下さい」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「このお店で一番美味しいパスタをお願いします」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「ミネラルウォーターを、あたしにぶっかけてもらえませんか」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「イタリアに行きたいのですが、どの飛行機に乗ればいいですか」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「花束を捨てていいですか」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「失わずに済む生き方を教えてくれませんか。私は、もう私を見捨てたくないんです」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「ありませんよ。一切、ありません。だから、ここから出して下さい。お願いします。もう、家に帰らなければならないのです。あと一時間もいたくない。いや、一分だって嫌です」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「ここは、どこですか」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「あなたは、誰ですか。いや、誰のふりをしているのですか」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「そのマグカップには、何が入っているのですか。もし、ミネラルウォーター、あたしにぶっかけて下さい」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「あなたが笑顔になる瞬間はあるのですか」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「もしも、私が死んだら、悲しみますか。それとも、喜びますか」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「あなたは、何の仕事をしているのですか」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「不自由にして下さい。お願いします」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「質問なんて、したくありません」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「むしろ、私に質問をしみてはいかがですか。何でも答えますよ」


「何か、私に質問したいことがあるのでしょう。どうぞ、ご自由に」

「死にたいのですか」

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