二日目 りんご飴

「美味しい! 美味しいよ、これ!」

 シモザメはりんご飴を本当に美味しそうに頬張る。何かエロい。

「まあ、気に入ったなら良かったよ」

「うん、好き!」

 ちょっとドキッとしてしまった。りんご飴が、だよな。危ない危ない。

「りんご飴も、京平くんも!」

 京平の鼓動は加速する。この小説のジャンルは恋愛だったのか。小学生時代にこんなベタなラブコメを経験していたとは。どうして今まで忘れていたのだろうか。

「俺も、シモザメさんが……」

 潮騒でその続きは搔き消されたが、それでもシモザメは京平の想いを汲んで

「ありがとう♡」

 と言ってくれた。京平の気持ちは恐らく伝わったのだろう。しかし、下半身を鮫に食われているようなお姉さんと恋愛とは、京平の恋愛遍歴は初っ端から大きく人智を逸している。人外だ。シモザメも京平も。りんご飴に僅かに付着した白い液体をシモザメが舐めるのを見て、京平のシモザメも加速していく。下ネタか。シモザメだけに。上手い。


「ただいま~」

 京平は祖母の家に帰り、姉夕日とドラクエ6をやり込み、寝た。夢はシモザメと幻の大地を目指すという荒唐無稽なものだった。まあ夢などそういうものだろう。夢で高く跳んだ現実の自分が、明日過去になった今日の今が奇跡なのだから。


 起きて真っ先にしたことは、決まっている。オナニーだ。京平は膨らんだ股間を鎮めるために、シモザメのおっぱいを想起して抜いたのだ。風呂場で。祖母の家だと、オナニーできる場所も限られる。だから昨日は海で小便すると共に抜いておいたのだ。青少年は抜ける時に抜いておかないと爆発する。男性器が。

「さて、シモザメに会いに行くか」

 そして京平は昨日シモザメに会った海に行く。しかし、そこにあったのは

「何だよ、何なんだよ、何なんだってばよ三下‼」

 一体そこに何があったというのだろうか。衝撃の最終回を見逃すな!

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