7.元気な息子がぐんぐんぐん
僕は家につくと、すぐに部屋に閉じこもった。
部屋に鍵がかかっているか百回くらい確認してから、パンツの中に入っている体操着を取り出した。
僕の股間で温めていたからだろうか? 体操着はほかほかになっていた。すぐに顔面に押し付けて呼吸をしたが、うんこの臭いしかしなかった。
僕は顔を洗っていないことに気づく。どうやら、今まで顔面うんちまみれの状態でいたようだ。通学路ですれ違った人達が嫌そうな顔をしていた理由がわかった。
僕はトイレに行くと、便器の中に頭を突っ込んで顔を洗い流した。死にたい気分になった。
まるで初めてセックスをしたような気分だった。したことはないが。何もかもが信じられないような感覚だ。
幽体離脱しているようだ。
——ところで。
どうして、ミルクは男子トイレにいたのだろうか? 何故、夢精した気持ち悪い僕に話しかけたのだろうか? そして、ミルクは死んでしまったのだろうか? 人はあんな風に溶けるのだろうか? そもそも、スカトロセックスをしたいなんて正気なのか?
——スカトロセックス。
——クラス一の美人の口から発するような言葉ではない。
僕はハッとする。
顔面をセルフビンタした。
——どうして、うんこを流してしまった!?
貴重かもしれない。ミルクのうんこだ。ダイアモンドのような価値があるはず。僕は考えることをしないで、それを洗い流してしまった。
涙を流す。
運があるかもしれないものを流すなんて……。うんこだけに。顔面騎乗位で死にたい。
——だが、奇跡が起きた。
便座の端の方に、ミルクのうんこが残っていたのだ。
僕は目の端についた涙を中指で拭き取ると、手のひらでうんこをすくった。
それを亀頭に塗りつけると、部屋に戻る。
机の上に置いてあったティッシュ箱をベットに放り投げると、そこに寝っ転がってマスターベーションを始めた。
ローションを塗った時のように、滑りがよかった。スカトロセックスの気持ちよさはまだ未知だ。だが、スカトロオナニーは悪くないと思った。
その時だった。
部屋の窓ガラスが破られる。破片がペニスにあたって千切れた。
「ぐあぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
僕は股を押さえながら叫ぶ。
窓から誰かが侵入した。
「一人でちんOこをしごいて涙流しているんじゃねーよ」
そう言い放ったのは、ミルクだった。
手にはTENGAを持っていた。
僕は事故により切断されたちんこを眺めながらこう言った。
「……なんで生きてるの?」
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