4.ケツの穴に指を突っ込んで死にたい
目が覚めた。僕は学校のトイレにいた。どうやら、パンツの中身を確認した後に気絶していたようだ。
どれくらい時間が経ったのだろう?
状況が読み込めなかった。驚きの連続だ。可愛い女の子を見たことにより射精してしまったことも、トイレで居眠りしたことも初めてだ。
それだけではない。
僕はパンツをもう一度確認した。さっきよりもマヨネーズが増えている。どうやら、寝ている間にも射精してしまったようだ。
初めてのノーハンド射精。夢精。
夢がとんでもなくどすけべえっちだったらまだ納得いったかもしれない。しかし、不可解な内容だった。工場で働いているお姉さんが奇抜な格好をした女の子に会う内容。射精しやすいシチュエーションではない。
「はあ……」
思わずため息が出てしまう。初めて金玉から毛が生えたような感覚だ。不思議と不愉快が混じったもの。
僕は思い腰を上げた。
教室に戻らなければいけない。
パンツにこびりついたマヨネーズをトイレットペーパーで拭くと、僕は洗面所に移動した。
手を洗っていると、隣に人がきた。
「夢精できたね。おめでとう」
ミルクだった。
「……え」僕は口が開いたままになる。
「めでたいことだね〜」
ミルクが頷きながら言う。
「こ、ここ男子トイレだよ」
「わかってる」
「え、え、場所間違えていると思うけど……」
「だから、わかっててここに来たんだって」ミルクは不機嫌そうに言った。「それで、初めての夢精はどうだったの〜?」
「いや……気持ちよかったけど」僕は呟く。「——てか、なんでそのことを!?」
「あんなでっかい声で叫んでいたら誰でもわかるよ〜。……覚えてないの?」
「…………」
僕は考えた。確かに、夢の中で何か大きな声を出した記憶がある。だが、その単語までは思い出せなかった。
確か、ネット記事で本当に気持ちいい射精をすると声が出てしまうと見たことがある。
「もしかして……」僕は泣きそうな声で言った。
「気づいていなかったのはびっくり。君は教室まで響くような声で『夢精気持ちいいぃいいいいい〜!』って言ってたよ」
「ばがががががががががががが」
衝撃のあまり膝から崩れ落ちる。
「本当に驚いたんだからね。でも、教室は一瞬静まり返ってから、笑いに包まれたよ。だから、よかったんじゃない?」
ミルクは無邪気な顔で言った。
全然良くないだろ。これからどんな顔をして学校に行けばいいんだよ。仮にイケメンだったとしても許されないような行為だからな。
陰キャでかっこよくない僕がそんなことをしたら、どうしようもない。
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