第13話インサイトに述べる

「くそ、さっき何か思い出そうとしたはずなのに……。思い出せ、思い出せ」

俺は、必死に考え込む。すると一匹の雛と目が合った。崩壊した世界でただ一匹、雛は親代わりを探していた。すると、また一匹、二匹、三匹と無限に増えてゆく。


「そうだ、今度は食べられる側になるのさ」


聞き覚えのある男の声、そして記憶が甦る。


「お前ッ!この世界はなんだ」


「願いを叶えた跡のセカイだよ。いいだろう。美しいだろう?」


そこにあるのは歪な美しさだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る