鈍感娘
にーちゃんを超えるって、どうするん?
まず…生まれながらにして遅れをとっております。
出だしから失敗。
…
うーむ…
こんな時は、直接くるみに聞いてみようか?
好きな男性のタイプを。
で、そのまま髪型とか服装をかえる?
…
そんなことを下校中考えていたら向こうの方で、くるみみたいな似てる人が男といちゃついていた。
…
好きな人のことをいつでも考えていると、ほとんどの人が好きな人に見えちゃったり、似てるな〜ってなるって聞いたことあるけど…まさかオレもそんな状況に陥るなんて…。
くるみに似た人と、彼氏らしき人…
楽しそうでいいなぁ。
彼氏…彼女の肩に手まわしたりしてさ…なんなんよ?
おあついですことーー。
そんなアツアツのお二人さんの横を通り過ぎようとしたら、なんと声までくるみににている女性。
「離してよ」
「やだねー」
と…。
ん?
どういう…イチャイチャなん?
イヤイヤプレイ…ってか…
ん⁉︎
違う‼︎
「くるみ⁉︎」
オレはびっくりだった。
くるみに似てる人だと思ったら、まさかのくるみなんですもの。
「助けて。」
⁉︎
小声だったけど、助けてって聞こえましたよ?
くるみ…もしかして、絡まれてる⁉︎
「くるみ、何してんの?その男は彼氏?」
「ち、違う!」
「じゃあ、あんただれ?」
「はぁ?あんたこそ誰なんだよ?先に名乗れよ」
男がオレに近づいた。
「オレはこいつの彼氏なんだよ。だから離れろ‼︎」
オレはくるみを抱き寄せた。
すると男が、
「ふーん。彼氏いたんだ…つまんなーい」
といい、オレたちの足元にペッとなにかをはいて睨みをきかせつつ去っていった。
「くるみ、大丈夫⁇」
オレの心配をよそにくるみは、
「うん、大丈夫。ありがとう!」
と、くるみから笑顔と元気なありがとうをいただきました‼︎
ほんとは怖かっただろうに…そんな無理して笑顔つくりやがって…
「まったく…さ、くるみは無駄にかわいすぎなんだよ」
「え?」
「ん?」
「今…わたしのこと…かわ…」
あ、つい心の声がダダ漏れしていた。
「カワハギって言ったんですけどー?くるみって頭も悪いけど、まさか耳まで腐ってるとか終わってんなー。」
「はぁ?せっかく僚のことかっこいいって思ったのにさー」
「え?かっこ…」
「カッコウね。僚も耳腐ってんじゃん」
「なんだと?」
「キャー…、やめっ…」
ビクッ
オレはくるみの耳を優しく引っ張ったら…
くるみは、顔が真っ赤になった。
あ…
くるみって…めっちゃ耳弱点なんじゃん…
なんだかその反応をみて、オレも真っ赤になってしまったのでありました。
…
恥ずい…。
そして…かわいすぎ。
帰り道、なんかとっても恥ずかしかったからオレは思わず、
「くるみって、モテなそうだよねー」
なんてまた、ケンカをふっかけてしまった。
するとすかさずケンカをかってくださるくるみは、
「はぁ?モテますー‼︎さっきだって見たでしょ?もうさ、モテモテで困っちゃう?的なぁ?」
と言いながら髪をかきあげた。
…
めっちゃ髪の毛からいい匂いするじゃんか…
なんでだ⁇
オレたち…同じシャンプー使ってんじゃないんかい⁉︎
…
「うわっ、髪の毛くっさ」
オレはまた思ってもないことを口走っていた。
…
オレって…ほんとアホだなー…。
くるみは、髪の毛をサワサワと触って気にしながら、
「あ、そういえば僚もうすぐ誕生日でしょ。何が欲しい?」
と聞いてきた。
…
欲しいのは…
「…くるみ」
…
「えっ…?それって…わたし…」
「んなわけねー。木の実のくるみに決まってんだろ?」
と慌てて訂正。
「あー、そ…そんなの知ってるよ?わたしと同じ名前って言おうとしたんですけどー?」
と言い返された。
…
あぁ、そうか。
ってか、誕生日にくるみが食いたいやつって…あんまりいなくね⁉︎
バレた⁇
…
でもまぁ、くるみはおバカだし鈍感変態だから気づくまい。
続く。
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