君が好きだーーーッ‼︎って叫んだらいっそ楽になるかな?ん?逆⁉︎
猫の集会
アホなきょうだい
うちのねーちゃんは、アホだ。
「なぁ、ねーちゃん。シュークリームあげるー」
「わぁ、ありがとう。いっただきまーす」
ハムっ、モグモグ。
幸せそうに口いっぱいに頬張るアホ。
ムグッ
「みっ、水‼︎みずーっ‼︎」
「ギャハハ」
オレが笑い転げると、ねーちゃんがオレをギロリと睨んだ。
そして食いかけのシュークリームをオレの口に突っ込んだ。
ムグッ
「み、みずー‼︎」
オレは慌てて水をゴクゴクと飲んだ。
あー…わさびって刺激的だわ。
オレたちをみて兄貴が笑った。
「コントかよ」
ってね。
「「ちーがーう‼︎」」
口を揃えて抗議するとまた兄貴が、
「ほーんと
と幸せそうに微笑んだ。
クソッ
兄貴のヤツは、なんでいっつもあんなに冷静で落ち着いていやがるんだ‼︎
まったく腹立たしい。
「
と、オレはグイグイと兄貴の口元にシュークリームを差し出した。
そしたら冷静に、
「僚は、くるみと間接キスしたんだなー。オレもくるみの食べかけが欲しかったなー」
と言った。
‼︎
オレたちは、一瞬にして同時に顔を赤く染めた。
「か、間接キスって…いわねーだろ」
「そ、そうだね…あれは…事故‼︎うん。事故だから‼︎」
とくるみも言った。
事故…
まぁ、くるみはそういうしかないよね。
だってくるみ…兄貴のこと好きなんだもんな。
オレは…オレはくるみが大好きなのに、いつもついイジワルばっかりしてしまう…。
実は兄貴とオレは実の兄弟なのだが、くるみは…本当のきょうだいではないのだ。
オレはくるみのひとつ年下。
兄貴とくるみは、同じ学年だ。
そのせいか、二人がとても仲良く見えてしまうのだ。
だからとにかく腹立たしい…。
「あ、瞬…教科書貸してくれない?」
なんて兄貴に甘えるくるみ。
「またかよー?この前も学校に教科書忘れてきたじゃん」
「だってー…重いしー」
「しゃーねーなー。んじゃオレの部屋に取りに来て」
「わーい」
とやりとりしだした。
ムッ
オレはすかさずくるみに足掛けしてやった。
ふん、オレさまというかわいい弟がいながら兄貴にうつつをぬかすから悪いのさ。
と勝ち誇っていた…ら…
「キャッ」
と、くるみがつまずいて兄貴がくるみをキャッチした。
…
…
オレの目の前で抱き合う二人…
…
何してんだよ…オレ…
あー‼︎うぜーッ‼︎
「おっとー。ごめんなさいよー通れませんよー」
と言いながら、二人を引き離した。
まったく。
とにかくオレは家にいると落ち着かない。
気が気じゃない‼︎
兄貴は、とにかくモテる。
だから、なおさら落ち着かない‼︎
チクショー‼︎
なんでオレとくるみが同じ年じゃねーんだよ‼︎
一年遅く生まれた自分に腹が立って仕方がない。
「あ、くるみー。来週校外学習あるじゃん。お菓子買いに行っておいでって母さんからお金預かってるんだ。」
と兄貴がくるみを買い物デートに誘っていやがる。
クソッ
「オレもいくー」
と兄貴たちの邪魔に入るオレ。
するとくるみのやつが、
「かわいいかよ?ほんと僚ってお菓子につられるよね〜」
とクスクス笑った。
クソが‼︎
誰のせいでこんなお子ちゃま役やってると思ってんだよ‼︎
くるみがバカ兄貴にくわれないか心配してやってるからだろうが‼︎っていってやりてー…
…
校外学習当日
奴らは、夢の国に出かけるため早朝から支度をするのでありました。
「オレも行きたかったー」
「フッ、なら来年うちらの高校受験すればいい。」
とくるみが勝ち誇った顔をした。
そして兄貴までもが、
「そうだな。ま、勉強わからなかったらオレが教えてあげるからいつでもいいなよ」
とくるみ同様勝ち誇った顔をした。
…
どいつもこいつも…
「え、わたしにも勉強教えてー」
とおねだりする、くるみ。
「バカ、くるみは自分でしろ!にーちゃん、ならこれから毎日オレに勉強教えて」
と言ってやった。
そしたら、くるみに教えている暇なんてあるまい。
まぁ、オレほんとはもう勉強しなくても二人のいる高校余裕で入れるんっすけどね。
それは、黙っておこう。
「ほんとかわいいよなー、僚ってさ。そんじゃ今日から勉強な?ちゃんと、教科書持って帰れよ?」
「あったりめーだよ。どっかの誰かさんとは違いまーす」
と、わざとくるみに言ってやった。
するとくるみは、
「やなやつー。お土産買ってきてあげないぞ?」
と言いながらお札をピラピラさせた。
「あ、くるみ…お札ピラピラさせてると運が逃げるんだよ」
と嘘を言ってやった。
そしたら、
「え、それは大変」
とお札をナデナデしていた。
まったく…素直かよ。
てか、オレもナデろよ。
なんてな…
そんなくるみの素直なところも可愛らしいと思ってしまうオレなのでありました。
もう、アネじゃありません。
完全にオレはくるみが一人の女性として大好きなのです‼︎
続く。
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