第16話 魔女と王族の相容れぬ関係
ニール、あなたが王族でさえなければ、まだ友達になってあげてもよかったけど……それも叶いそうにないわ。あなたが悪いわけじゃないのよ、それだけ私たちは王族に対する
「う~ん……あなた本当に理解してる? 私はだいぶ言葉を濁して言ったんだけど……あなたには上手く伝わっていないようね。ハッキリ言うわよ! 私は人間があまり好きじゃないのよ、特にこの国の王族はね。建国の時に助力した魔女にしたことも、そのことを隠すための法律をつくったことも、私や私と同じように黒色の髪をもって生まれてきた子にしてきたことも……全部、全部、全部、私は許せないし許さない。だから、『妃』と口にしたあなたとは婚約などできないし、あなたと会うのもこれが最後になるでしょう。ご理解いただけましたか? それともまだなにか仰りたいことでもございますか? なければお引き取りを……」
私は心を鬼にしてニールにそう言い放った。こうでも言わないと彼のことだ、きっとまだ諦めずに付きまとってくるに違いない。だからそこ、私がここでバッサリと拒絶してあげないと彼は先へ進めない。
ニールには可愛そうなことをしたけど、これで私もまた
「はい、なので……魔女に関する法律は全て廃止しました。もちろん、あの孤島に隔離されていた修道女の方々や、今後生まれてくる
「うん、うん? ごめん、ニール……もう一回言ってもらっていい? できればもう少し要点をまとめてくれると助かるわ」
「分かりました。えっと……ですね、あなたと僕の結婚を妨害する法律を全ての廃止しました」
「まとめてくれて、ありがとう……えっと~? あなたの言ったことが正確に私が理解しているか確認するわよ。つまりこんな感じ? 私と結婚したいがために、王国……国の法律を廃止したの?」
「ちゃんと理解しているじゃないですか。そうですよ、これでもうあなたを
ニールは自分がなにを口走っているのか分かっているのか……国の法律に関与できる人間なんて数えるほどしか存在しない。もし、彼がそのうちの一人だったとしても、廃止させるほどの権力を持ち合わせているようには思えない。だけど、彼の口から
じゃあ……彼はどうやってそこまでの権力を手にしたというの……まだ八歳だった少年がたった九年で、権威者のように鶴の一声で国を根幹を変えるようなことができるってのよ。
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