第11話
「さっきも言ったでしょ。最後まで責任取るって」
それは、つまり一度乗りかかった船だから、今更引き返せない的な…?
最後の最後まで面倒見るから、安心して…的な?
きっと、そういうことだよね?
「ちょっとちょっと!何サラッと問題発言してくれちゃってるの!?責任取るって何をどうするのか、はっきり言いなさいよ!」
咲月は何か勘違いしてるみたい
「咲月には関係ないでしょ」
「むっきー!ムカつく!心桜とは親友なの!あんたみたいな奴には心桜を渡したくないのよ!」
「ふーん」
喧嘩するほど仲がいいって、こういうことか。
「落ち着いて。きっと遥希くんは咲月が考えてるような意味で言った訳じゃないから。そうだよね?」
「さぁ?」
あぁ、もう。
そんなこと言ったら…
「ほら、やっぱりこいつ危険だよ!心桜の半径100メートル以内に近づくな!」
「はは、また訳の分からないことを。そんな無茶苦茶な頼み、聞けるわけないでしょ」
「無茶苦茶なのはどっちよ!」
遥希くんはきっと、咲月のことをからかって楽しんでるんだ。
もしかして、咲月のこと好きなのかな。
そうなら、付き合えるように手伝ってあげないと。
って、まだ言い合いしてるし
「もう!早くご飯食べるよ!」
こんなことしてたら、あっという間に時間すぎちゃうよ。
「心桜の隣は私だからね!」
「はいはい」
なんか、熟年夫婦に見えてきた。
「あ、心桜ちゃんの卵焼き美味しそう」
「じゃあ一つあげる」
「え、いいの?」
「もちろん。色々助けて貰っちゃってるし」
こんなのでいいなら、いくらでもあげちゃう
「じゃあ私もちょうだい!」
「もう、しょうがないなぁ」
「ちょっとお砂糖入ってる?美味しいね」
「ありがとう」
私は甘党だから、卵焼きには必ず砂糖を入れる。
他にも醤油を入れたり、塩を入れたりする家もあるそう。
「卵焼きって家によって個性出るよね」
「じゃあ心桜ちゃんには、俺の卵焼きあげるね」
「えぇ、それじゃあお礼にならないよ」
私だけ貰ってばっりだ
「いいからいいから」
「じゃあ、ありがたく貰うね」
「じゃあ私も!」
「ふふ、ありがとう。なんだかピクニックしてるみたいで楽しいね」
こんなに楽しいお昼ご飯は久しぶりだ。
いつもは、どんよりした気分でご飯を食べていて、味がしなかった。
「心桜…あんたって子は…なんてかわゆいんだ!」
「かわゆ…?」
かわゆいってどういう意味だ…?
柊先輩のことなんて忘れて、楽しく過ごしていたのに…
「心桜ちゃん」
「え、沙紀先輩…」
どうしてここに…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます