ループール

九戸政景

本文

「ここが噂のプール……」



 私は目の前の建物を見ながら呟く。ここは都市伝説の一つであるループールがあるというプール施設だ。ループールはその名前の通りで、パッと見はただの流れるプールなのだが、入るとずっとループするプールなのだそうだ。


 流れるプールなんだからループするのは当然だと思うけれど、そもそもこの建物は噂が流れ始めた数年前に潰れてしまったのだそうだ。だから、もう水なんて入ってるわけはないけれど、不思議な事に水はいつだって綺麗らしい。



「でも、誰からそんな噂を聞いたんだっけ……まあいいや、とりあえず行ってみようかな」



 私は『KEEP OUT』のテープをくぐって中へと入った。そして薄暗いエントランスを通って、女子更衣室に行き、私は持ってきていた水着に着替え始めた。入るとループするプールなのだから、やはり入らないと意味がない。


 着替えを終えてプールがある方へ行くと、そこには大きなプールや子供用のプール、ウォータースライダー、そして件のループールがあった。



「これだ……よし、入ろう」



 私はゆっくりとした水流のループールに入った。そして体の力を抜いて水に浮くようにし、私はループールの流れに身を任せていた時、何故だか少しずつ眠くなってきた。



「ねむ……でも、なんで……」



 このままでは溺れてしまう。そんなことを思ったけれど、私はそのまま目を瞑り、少しずつ意識を沈めていった。





「ここが噂のプール」



 私は目の前の建物を見ながら呟く。ここは都市伝説の一つであるループールがあるというプール施設だ。ループールはその名前の通りで、パッと見はただの流れるプールなのだが、入るとずっとループするプールなのだそうだ。


 流れるプールなんだからループするのは当然だと思うけれど、そもそもこの建物は噂が流れ始めた数年前に潰れてしまったのだそうだ。だから、もう水なんて入ってるわけはないけれど、不思議な事に水はいつだって綺麗らしい。



「でも、誰からそんな噂を聞いたんだっけ……まあいいや、とりあえず行ってみようかな」



 私は『KEEP OUT』のテープをくぐって中へと入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ループール 九戸政景 @2012712

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ