プールサイド
ヤマシタ アキヒロ
第1話
プールサイド
日差しはいいな
あたたかい
プールサイドで
甲羅干し
冷えた体に
降りそそぐ
日差しはいいな
あたたかい
午後の太陽
ジリジリと
プールサイドを
照らしてる
熱い地面に
腹をつけ
濡れた体を
あたためる
寒い唇
ぶるぶると
白い指先
わなわなと
アイスのように
溶けていく
灼けた地面に
くっつけた
お臍の芯が
あたたかい
手足の先が
少しずつ
人のかたちに
生き返る
耳をすませば
人びとの
遠く聞こえる
はしゃぎ声
瞼とじれば
ぐるぐると
入道雲が
動き出す
遠い宇宙の
彼方から
こんな恵みを
ありがとう
日差しはいいな
あたたかい
灼けた地面に
耳をつけ
大地の鼓動
伝え聞く
忘れたころに
するすると
熱い耳から
流れ出る水
(了)
プールサイド ヤマシタ アキヒロ @09063499480
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます