第41話 出発まで アースランドとデート

ヤマタドナとデートをした翌日、明日がソアレフ領に出発なので今日はアースランドと寝ることにした。グラツィアとの婚約解消で時間ができたからだ。

今日も休みで一日暇なので二人でデートすることに決めた。

二人は手を繋ぎ、街に向かっていく。


「天狐ちゃんは何したい?」


「昨日はステーキ食べたので今日はパフェ食べたいです。甘いのも食べたいかなって。」


「いいね!あーんしてあげるよ、食いしん坊な狐さんに。」


「じ、自分で食べられますよ!」


「残念、あーんさせてくれたら恋人繋ぎにしてあげようかなって思ったのに。」


「え、恋人繋ぎって何ですか?」

天狐はその恋人繋ぎに興味があった。確かに今は姉弟や親子がしている繋ぎ方だ。


「あれ、知らないんだ。こうやるんだよ?」

そういうと指を交互に指を絡め、先ほどより密着される。


「わぁ、すごくくっついてますね。確かにこれ、恋人感がします。」

先ほどより密着してるのか心臓がバクバクしてる。アースランドの大きい手が自分を包み込むようになっていてどこか気持ちいい。


「これならあーんしてもいいよね?」


「し、仕方ないですね。」


「やったぁ!ありがと、天狐ちゃん。」


「べ、別にいいですよ。」


「照れちゃって可愛いね!」


「そこまで言わなくていいですから。」

こうして二人はパフェを食べに店に行った。

メニューには沢山の種類のパフェがある。イチゴパフェにバナナパフェ。他にもいろいろ、何にしようか迷うな。もちろんメロンパフェもお忘れなく存在している。


「いっぱい種類があるね。何にしようかな?天狐ちゃんは決めた?」


「ええと、色々食べたいのでこのミックスジャンボパフェでも食べようかと。」


「じゃあ二人でそれにする?ここのお店たしかボリュームがあるって聞いたから。二人でちょうどいいかも。」


「そうなんですか。じゃあそれにしますか。」


二人はメニューを注文し、到着を待つ。


「そういえば昨日はヤマタドナとどこ行ってたの?」


「昨日はステーキ食べて山の近くに行って景色を見てました。綺麗でしたよ、隠れスポットでした。」


「へぇ、そんな場所ステリオスにあるんだ。」


「前まで魔獣がいたから誰も来なかったんじゃないかと。」


「そっか、ヤマタドナの魔獣結界のおかげだね!あの子が来てからこの国は安泰になったし。もちろん天狐ちゃんのおかげでもあるからね!」


「ありがとうございます。でも魔獣結界には感謝しないと。」


「そうだね、かなり平和になって私も嬉しい。仕事が少し減るけど全然悪くないよ。」


「それはよかったですね。」


「うん。それと私はプレゼントを貰った!とかなんとか自慢してたけど何渡してたの?」


「ああ、それは僕が作った魔道具みたいなものですね、アースランドさんにもあげますよ。どうぞ。」


「え、ありがとね!天狐ちゃん。」


「いえ、もともと渡す予定でしたので。」


「そうなんだ、でもこの形、これは太陽?」


「そうですね、ヤマタドナには月をあげました。これはここに魔力を与えると僕に信号が行くので駆けつけられるものになります。瞬間移動はできないのであくまで連絡手段みたいなものになりますけど。」


「そうなんだ~、便利だね。」


「やばいと思ったら魔力込めてくださいね、すぐ駆けつけるので。」


「そっか、それは安心だね!これなら私より強い人が現れても大丈夫そうかな?」


「大丈夫ですよ、何があっても僕が守ります。」


「心強い狐さんだね!」


「そうですね。」


「お待たせしました!ミックスジャンボパフェです!」

注文していたパフェが届いたようだ。しかし見ると予想より大きい。


「こ、このサイズは。」


「うん、想像以上だね。」

全部で4キロくらいありそうでいちご、キウイフルーツ、バナナ、メロン、マンゴー、ブドウ。色々乗っている。チョコレートソースもあり、おいしそう。


「天狐ちゃん食べられそう?」


「これなら一人で食べられる量なのでアースランドさんは好きに食べていいですよ。残ったら僕が全部食べます。」


「それは心強いね!」


「早速食べましょうか。」


「うん!はいあーん。」


「え!?もうアーんですか?」

いきなりスプーンであーんをしてくる。しかもスプーンがでかい、これカレー用じゃないの?仕方なく頬張り口の中に入れる。


「ん、うまい。」

口の中に生クリームとスポンジケーキがありショートケーキを食べているようだ、しかもこの濃厚な生クリーム、自家製だ。カスタードもある、あとで食べよう。


「よかった!でも口回りクリームたくさんついてるよ?ちょっと待ってね。」

アースランドに口を拭いてもらい、今度は自分の手で食べ始める。


「わぁ、このカスタードクリームも美味しいね!」


「本当、そうですね。果物も甘くてとてもジューシーです。」

二人はどんどん食べ進み、いつの間にか完食していた。


「美味しかったね!」


「また、食べたいです。」


「うん!また食べに行こうね。でも太っちゃうかも、ほら、私色々と大きいから。」

アースランドの大きいものが揺れる。


「騎士をやってるなら今の体型が良いと思いますよ?」


「そうなんだけどさ、やっぱ太って見えるのかなって。」


「僕からすると大きいほうが好きなのでよくわからないです、それに太っては見えませんよ?今のままで十分可愛いと思います。」


「そっかぁ、ありがとう、天狐ちゃん。」


「いえ、ならこの後服でも買いに行きましょう。アースランドさんズボンばっかりなのでたまにはスカート姿が見たいです。」


「え、私に似合うかなぁ?」


「似合いますよ、ほら行きましょう。いっつも着せ替え人形になってるので今日はお返しです。」


「えー、そんなぁ。」


「今日は一緒に寝てあげますから。」


「それなら仕方ないかぁ。」


それから二人は服を見に行き、今日のデートを楽しんだ。



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