第6話 お国の状況はよろしけり?なに!平和が一番!
サンドレス様にメイドとして雇われ、アースランドさんに役割を与えられてしまった。なぜこうも勝手に職権乱用を使うんだ、この人たち自由過ぎない?
「そういえば天狐ちゃんってこの国のこと何もしらないよね?」
アースランドさんが聞いてくる。昨日地図は見たけどなんて書いてあるのかさっぱりわからなかった。文字の勉強しなきゃ。
「そ、そうですね。この土地の名前くらいしか…」
「そうか、ならこの国について簡単に説明しておくか。」
そう言うとサンドレスは地図を広げ、この国について簡単に説明を始めた。
「まずはステリオス領だ。この土地はヒィスト王国の一部。ほかにはソアレフ領、ガロベル領がある。この国は三つの自治から構成される。ステリオス領は左側にある。主に農業が盛んだ。真ん中にはソアレフ領。ここに国王様がいる。そして右にはガロベル。ここは資源がよく取れる。武器の製造を担っていることが多い。」
なるほどなあ、それぞれ特色があるんだ。
「この国は大きい国ではないがここは島国だからな、ほかの国とのいざこざはない。領主間の中もいいから気軽に出かけられる。のんびりしていい国だぞ。」
だからみんな優しかったのか。平和っていいね。
「そしてステリオス領は飯が美味い。山や海が近いからな、新鮮な食べ物が手に入りやすい。」
「確かに、屋台で食べた焼き鳥、おいしかったです。」
「以上だ。」
おわり?もっと他にないの?
「ええと、それだけですか?」
「それだけだ。それで十分だろう。平和であることが一番だ。」
たしかにそうだな、平和なのは越したことはない。
「そう、ですね。平和が一番です。」
「天狐ちゃん今度一緒に焼き鳥食べに行こうね!」
「はい、行きましょう。」
ぐうー、お腹の音が鳴る。恥ずかしい。
「知ってた?おなかの音がなるのは胃腸がきちんと機能している証拠であって、健康な体の証ともいえるんだよ!あとお腹空いちゃったのかな?お昼になったら一緒にご飯食べに行こうね!」
そ、そうなんだ。知らなかった。じゃあ僕は健康体なんだ。
「でも過剰なストレスや緊張だったり神経の刺激によるものもあるから一概にいいとは言えないからね?」
え、怖くなってきた。健康だよね?
「天狐ちゃんは健康だと思うからそんなに心配しなくてもいいと思うよ?」
なんで疑問形なの?逆に心配になる天狐であった。
簡単にこの国の情報をまとめよう。
ステラ・サンドレス…ヒィスト王国の一部、ステリオスの土地を治める領主様。
剣、武術、魔法、全てにおいてすごい人らしい。見た目に反して優しい人で助かった。身長が190cmとかなり高い。首が痛くなる。
ステラ・ムーンアルネ…サンドレス様の妻で家事全般がタイプ。
メイド長をしており、現場で指揮するタイプの人。これから僕の上司になる人だ。
身長170cmでこの人も身長が高い。
ステラ・アースランド…サンドレス様の娘で面倒見が良いお姉さんタイプ。
剣において秀で、国王からも一目置かれているらしい?
身長172cm。両親が大きけりゃそうだよね。うん。成長途中らしいけど。
ヒィスト八世…ヒィスト王国の八代目国王。300年以上続く国で色んな事が発展しているという。獣人が好みで正妻と側室がすべて獣人との噂がある。
ガロベア・エヌ…ガロベル領の領主。ちょくちょくステリオス領においしいものを食べに来てるらしい。
ヒィッツ・ガルコ…ソアレフ領の領主。国王の血筋を引いている一族で三つの領地のリーダーでもある。その上にヒィスト国王がいる。
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