~淀味(よどみ)の双六(すごろく)~(『夢時代』より)
天川裕司
~淀味(よどみ)の双六(すごろく)~(『夢時代』より)
~淀味(よどみ)の双六(すごろく)~
文言(ことば)の翳りに人密(みつ)が整い、退屈(ひま)を求めた傀儡(どうぐ)は密かに、価値を列(なら)べた乱心(こころ)の否定は円満ながらに呑気を生育(そだ)て、退屈(ひま)に息衝く乱心(こころ)の暗(やみ)には両腕(かいな)を見合せ草原を見た…。
*
…天然史女が出て来て、明りの点いた比較的白い部屋の中に居ながら(おそらく彼氏に)電話をして居り、(夢ながらに電話の向こう口に男が居るのが分かる)、何か向こう口(ぐち)の彼氏が騒音に巻かれながらでかい声で喋って来る為、史女(しじょ)は彼氏の声がでか過ぎて良く聞き取れず困って居り、遂に、いつもの如く子供の様な体裁・素振りを態とらしく見せて俺に駆け寄り、
「どうにかして下さい。向こうの声を小さくして、聞える様にして下さい」
と、可愛らしくお願いして来た。俺は煙草を吸いながら、部屋の窓の外か部屋と外との境界に居て、一寸(ちょっと)考えたが、対応に面倒臭くなり、
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一人(ひと)に始まる独創(こごと)の恨みが人密(みつ)を画(え)にして呼吸と同じく、浮浪に活き尽(き)る孤独の両刃(やいば)は過去に見初める凌駕を掌(て)に観て、一人(ひと)と暗(やみ)との孤録(ころく)の身辺(あたり)は人間(ひとのあいだ)で暫く富んだ…。美街(まち)の夕陽に仰臥を画(え)にして、期待外れの小言は悦(うれ)しく、女人(にょにん)の主人(あるじ)を個録(ころく)に立て往く旧い人形(かたち)の湯浴みを呑んだ…。過ぎ往く無造(むぞう)の活路に身欲(よく)を目にした精神(こころ)を遠退け、空(から)っぽに成る孤独の概(おお)さは進路を担いで日(ひ)の大海(うみ)へと活き、奇進(きしん)に連なる七つの傀儡(どうぐ)は洞に近付く高架を識(し)った…。一人(ひと)の仕種に幻夢(ゆめ)が載るうち過保護を絵にする仰臥を静(しず)め、暗(やみ)の静間(しずま)に過録(かろく)を恋する不能の独自は凡庸(ふつう)に在った…。無垢に延び生く不当の利益は本能(ちから)から成る煩悩を買い、青い景色にその眼(め)を遣られて不倣(ふほう)の利益に準じて居るのだ。過去(むかし)の懊悩(なやみ)に精神(こころ)が浮き立ち、過去の仲間と奇妙の奮いは鬱を識(し)る儘にこやかでも在り、男性(おとこ)の勝手に身欲(みよく)を飼うなど、不快に馴らせる傀儡(どうぐ)を識(し)った…。奇妙に活き尽(き)る孤独の網羅は、一人(ひと)を悩ませ問答を採り、幻覚(ゆめ)の自然(あるじ)へその眼(め)を解(と)かせる〝逡巡気取りの独理(ドグマ)…〟を割いた…。奇楽(きらく)の画(え)に看(み)る幻(ゆめ)の孤録(ころく)は杜撰に仕上がり、自体(おのれ)の無知から独創(こごと)を透せる緩い虚構(ドラマ)の問答など観て、人間(ひと)の善かれを偽善に尽した五月蠅(あわ)い叫喚(さけび)をその日(ひ)に置いた。過去と現行(いま)との身欲(よく)の成果(はて)には孤独と現行(いま)との柔裸(やわら)を睨(ね)め付け、旧い気色に億尾を保(も)たない幻(ゆめ)の〝遊戯…〟に落ち着いても居る…。機能を忘れた驚きばかりが寝耳に水…など乱心(こころ)に素透(すどお)し、一人(ひと)の自活(かて)から惨さを伴う低い雲間に夢幻(むげん)を乞うた…。一人(ひと)の現行(いま)から乱心(こころ)が独歩(ある)き、未知と現行(いま)との遊戯の成果(はて)には揺蕩(ゆらぎ)を知らない苦悩が追い駆け、心算(しんさん)ばかりで夢幻(むげん)を成せない一人(ひと)の労苦は改竄され活き、価値と乱心(こころ)の欲の彼方は何処彼処に在る〝網羅〟を買った…。一人(ひと)の日々から有利が成り立ち、過去の宮(みやこ)は幻(ゆめ)の内(なか)にて、人知れない儘「可笑しく成る日(ひ)」をその芽(め)で観て居り、土台を保(も)たない奇遇の恨みは人密(みつ)に絶えない遊戯を知った…。美街(まち)の灯(あか)りに敏(びん)を観た儘、素人(ひと)の主人(あるじ)に孤独を問うのは「杜撰を睨(ね)め付け謂れを模(かたど)る不倖と現行(いま)との不本(ふほん)…」に育み、素人(ひと)と暗(やみ)との恋の成就は鮮烈究(きわ)まる独理(ドグマ)を乞うた…。
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…「出来る訳無いやろ。一回向こうに『黙って』って言って、事情伝えてこっちの〝聞き取り音(おん)〟設定で大きくするか、向こうの電話の喋り音(おん)小さくさせるかしか無いでしょ」
など澄まして、少々エリート面(づら)して応えた。
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一人(ひと)の気色を上手(じょうず)に得ながら苦労噺(くろうばなし)に花が咲く時、軟い果実の目下(ふもと)を流行(なが)れる幻覚(ゆめ)の無実は文言(ことば)を失くして、漆黒(くろ)い気色を度擬魔擬(どぎまぎ)しながら多様に導く嗄声(こえ)を這わせば、人の軒夜(のきよ)に精神(こころ)が翻(かえ)れる幻視(ゆめ)の労途(ろうと)は杜撰を究(きわ)めた…。未知の生憶(きおく)に無秩が這う内、気心(こころ)の隙には未然が責めても、見様見真似で景色を歪める女性(おんな)を温味(ぬくみ)は過保護を徹して、一人(ひと)と現行(いま)とが幻覚(ゆめ)の生憶(きおく)を旧い縁(えにし)に並べて置くのは、美街(まち)の感覚(いしき)に美声(こえ)を高める視界と未(いま)との無造(むぞう)を採った…。熟女(おんな)の柔裸(はだか)に未婚が活き発(た)ち、不毛の色気が表情(かお)を隠せる見様見真似の故縁(えにし)を素透(すどお)り、対岸(きし)に寄り付く気心(こころ)の歪みは独気(オーラ)を見忘れ白紙に翻(かえ)して…、一人(ひと)の信頼(きずな)を向日に静める完全(すべて)の既憶(きおく)にその実(み)を解(と)いた…。不毛を列(なら)べる不秩(ふちつ)の空転(まろび)は器用の表情(かお)からその掌(て)を拡げて、自己(おのれ)の未知から生憶(きおく)を詠み採る無心の豪義(ごうぎ)がその身を顕せ、小宙(そら)と現行(いま)との懊悩(なやみ)の屍(かばね)の種(たね)には身憶(みおく)が遠退く余算(よさん)が活き発(た)ち…、幻覚(ゆめ)の空虚へその実(み)を絆せる自体(おのれ)の大樹とその実(み)を保(も)った…。一人(ひと)の活き血に小宙(そら)を覚えて、空虚を知るまま未然を詠むのは、一人(ひと)の気色へ奔放成れども落ちを知らない孤独であった…。一人(ひと)の人形(かたち)に未来(さき)を信じる独理(ドグマ)の悦(えつ)には、幻覚(ゆめ)の乱心(こころ)が頑なだけ見る人間(ひと)の網羅を水源へと見て、幻覚(ゆめ)の周りに道標(みちしるべ)を観る人物(もの)気質(きしつ)の快無(オルガ)を詠んだ…。美街(まち)に遠退く未来(さき)の信途(しんと)は、自由を這わせて気心(こころ)を絶たせて、「自由」と「自己(おのれ)」の過去の牙城(とりで)を恩に見たまま有頂を企み、幻(ゆめ)の夜半(よわ)から悶々贖う人間(ひと)の進度(しんど)をその眼(め)に遣(や)った…。未知に置き去る乱心(こころ)の内実(なかみ)は気憶(きおく)へ疾走(はし)れる孤独を劈き、一人(ひと)に好く観た糧の柔らは過去に富ませる雲母を識(し)った…。未知の空城(くるわ)を無言に確かめ、一人(ひと)の主人(あるじ)を孤独に突くのは、人山(やま)と未(いま)との五月蠅(あわ)い気色の意味を見知らぬ気心(こころ)であった…。女性(おんな)の気色に初歩(いろは)が仕上がり、過去の身欲(よく)には大空だけ発(た)ち、幻覚(ゆめ)の実欲(みよく)へ感覚(いしき)を高める「自由」と「未(いま)」との軟裸(やわら)は成り立ち、一人(ひと)を遮る孤独の悪夢は未知を活き尽(き)る独理(ドグマ)と同じく、脆弱(よわ)まる気色に脚色(いろ)が降(お)り立つ不能の美声(こえ)との抑揚を観た…。美街(まち)に駆け寄る大空(そら)の朗(あか)りは〝道標(みちしるべ)…〟を観て固陋を急き立て、身欲(よく)の内実(なかみ)を身元に置き去る過去の行方は自由を暖め、一人(ひと)の遊戯に未信が成るのは身欲(よく)の揺蕩(ゆらぎ)の完成とも成る…。旧い生憶(きおく)に人形(かたち)を問うのは、暗黙(やみ)の目下(ふもと)の真逆(まさか)と成った…。
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…天然史女はその俺の回答を半ば迄きちんと(相応に)集中して聞いて居たが、その内、いつもの様に〝こいつは今の私に何もしてくれん〟等と思った為か、少し俺を小馬鹿にした様に、自分で何とかしようと考えたのか、それから一切俺には寄り付かなかった。史女は飽きた様に俺から離れ、まだ携帯を見、向こう口(ぐち)の彼氏の事を見て居た。
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一人(ひと)の乱心(こころ)と無秩の放棄は過去の流行(ながれ)に虚構を携え、幻想(ゆめ)の自主(あるじ)へその芽(め)を安める無空(むくう)の暴利へその身を遣る時、退屈(ひま)に見詰める独創(こごと)の自活(かて)には未然の集成(シグマ)をどんどん解(と)いた…。広い虚空(そら)から旧(むかし)が辿れる不法と現行(いま)との勇気の血流(ながれ)は、通り縋りの孤独の美街(まち)へと一人(ひと)を呑み込む感覚(いしき)はその儘…、非道(ひど)い体形(かたち)に未来(さき)を欲しがる自己(おのれ)の過去など静けさに研ぐ…。不当に落ち込む分業(ノルマ)の果(さ)きには旧い気色の身の毛が逆立ち、塞いだ精神(こころ)の奥底から成る暗(やみ)と活命(いのち)の無能は遠退き、漆黒(くろ)い灯(あか)りにその眼(め)を生育(そだ)てる不幸と現行(いま)との虚言を射った…。未知に基づく乱心(こころ)の暗(やみ)には旧(むかし)に柔らぐ過去が横切り、人間(ひと)の傍(よこ)から素通りして生く大麻の脚色(いろ)には人間(にんげん)が在り、自由に基づく逆鏡(かがみ)の底では端正(きれい)に損ねる謳(うた)を唄った…。奇行に寄り添う旧(むかし)の栄華は幻覚(ゆめ)の輪郭(かたち)を孤独に見付けて、不装(ふそう)に跳び込む感覚(いしき)の流行(ながれ)は未婚に差し込む幽霊を観て、跪くまま過去を見渡す不能と能力(ちから)の減退を識(し)る…。未知への矛盾を遠方(とおく)へ放り、居間に見送る感覚(いしき)の頭上(うえ)では高級から成る労苦を詠み取り、棺(ひつ)の灯(あか)りを自由に奏でる目晦ましに見た恰好(かたち)に死んだ…。一人(ひと)の主人(あるじ)に孤独を観たまま過去(むかし)を遮る文言(ことば)の概(おお)くは、悲痛を裏切る孤独の分業(ノルマ)を自在に詠み取る乱心(こころ)を揺らげて、奇進(きしん)に寄り着く無垢の列(ならび)が旧い故縁(えにし)の提灯(あかり)を編んだ…。一人(ひと)と未(いま)との乱心(こころ)の共鳴(さけび)は岐路に見限る孤独を苛み、白亜(しろ)く成り立つ気味の脆弱(よわ)みは未知に担げる孤独と成った…。旧(ふる)びた気色に意地を詠み取り、鼻に突くほど臭う女性(おんな)は一人(ひと)の無形(かたち)に自分を遠退け、男性(おとこ)の手数(かず)から嗣業を求める不倫に悩める無実を問うた…。白亜(しろ)く棚引く自酔統(ナルシスト)に寄り、旧い気色は活命(いのち)に撓(たわ)める滑稽を観て、無鈍(むどん)の価値から脆弱(よわ)さを孤高に付け得る〝疲労に敗けない肉体(からだ)…〟を射った…。既知の小敗地(アジト)を揺蕩(ゆらぎ)に観た儘、素人(ひと)に独歩(ある)ける孤独の遊戯は、自己(おのれ)の未知から過去を覗ける浮浪の様子に困憊して居て、人間(ひと)の主人(あるじ)の有形(かたち)に見紛う根暗と幻(ゆめ)との未然を飼った…。紅(あか)い鬼畜に猟奇を観送り、涼風(かぜ)の鳴く音(ね)を孤独に扱う旧い寝床を孤独に観た儘、幻覚(ゆめ)の淡さが独語(かたり)を識(し)るのは幻物語(ゆめものがたり)の滑稽だった…。未知の温味(ぬくみ)に過去を識(し)らずに、明日(あす)に羽ばたく未来(みらい)の逆さは〝一幻(ゆめ)の滾り〟を純心(こころ)へ置く儘、一人(ひと)の感覚(いしき)に未亡を奏でる旧い上着の張羅を揉んだ…。
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…この夢を見る前、俺は何か、レトロな大阪の町並みを見て居た様(よう)で、起きてから、
「最期に、自分が昔住んだ土地を順行して生(ゆ)くのも良いかも知れんなぁ」
等と少し感傷に浸って居た。あと、夢の中で吸って居た煙草は、目覚めてから、実際に今俺持ってるんじゃないかしら?いや持ってたら危ない。布団を首まで被(かぶ)ってんだから引火して火事になって大火傷を負う事になる。どうにかしなきゃ。などと思って居り、思っては居たが、両手とも布団の中で(自分の腹の上で)しっかり組まれてあった為に、「いや大丈夫だ」と安心しながらまた眠ろうとして居た。
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一人(ひと)の一通(とおり)を我が物顔して、普遍に居座る鼓動の大海(うみ)には、自己(おのれ)の気力を暗(やみ)に見据える過去の恩義にその芽(め)を晦ませ、一人(ひと)の暗(やみ)から未知の気色を不能に軟(やわ)める人力を観る。一人(ひと)の律儀が寡黙を通して暗黙(やみ)の静寂(しじま)と比肩するのは、一人(ひと)に秀でた個録(ころく)と神話の意味に野晒(のさば)る孤玉(こぎょく)であった…。女性(おんな)の感覚(いしき)に身重が近付き、不意に居座る寝耳の数には、過去の並びが瞬(しゅん)に喩える非道の定律(おきて)と憤茂(ふんも)を二重(かさ)ねて、精神(こころ)の哀れを二重(にじゅう)に挿し込む身欲(よく)の栄華に盛(さか)って入(い)った…。二性(ふたり)の人数(かず)から気心(こころ)が降(お)り立ち、身欲(みよく)の総理(すべて)に一男(おとこ)を観るのは無惨の姿勢(すがた)で…、無垢の兆しに夢追いだけ識(し)る一人(ひと)の姿勢(すがた)をその掌(て)に採った…。非道に導く過去の定律(おきて)は人密(みつ)に盛(さか)れる過度を知りつつ、自己(おのれ)の欲から乱心(こころ)を暈(ぼか)せる不意の理知へと極みを見付け、紺(あお)い軌跡に不動が流離う「幻(ゆめ)の宙(そら)」へと昇って行った…。無痛に畏む精神(こころ)の従者は過去の脆差(もろさ)を危急に貶め、一人(ひと)の影から不安を覗ける無味の故縁(えにし)へ巣立って行った…。過去に活き尽(き)る独理(ドグマ)の列(ならび)は不覚の体動(うごき)を理侭(りじん)に採りつつ、不当の暗(やみ)から蜷局を巻き往く不波(ふわた)り上手(じょうず)の元気を詠みつつ、不安に誘(いざな)う過去の揺蕩(ゆらぎ)は起死に寄り着く小波(こなみ)を識(し)った…。一人(ひと)の未知から既憶(きおく)に寄りつつ、不安に導く過去の空間(あいだ)は不明と迷路の活路を観た儘、「ドグラ・マグラ」の既憶(きおく)の許容(うち)へと機能(昨日・きのう)を知らない女性(おんな)を富ませた…。一人(ひと)の過去から生録(きろく)を問うのは淡い活路と未完(みじゅく)を追う内、非道に培う乱心(こころ)の旧差(ふるさ)は黙(もく)を詠ませて留まり始めた…。低い白雲(くも)から精神(こころ)を扱い不能の絵に見る無憶(むおく)の鋭利は女性(おんな)と暗(やみ)との心内(こころうち)から生憶(きおく)を擡げて過録(かろく)に相(あい)し、一人(ひと)の頭上(うえ)へと端正(きれい)に寝そべる「不意と暗黙(やみ)との孤玉(こぎょく)」を追い立て、旧い独理(ドグマ)の人体(からだ)を向かせる五月蠅(あわ)い定律(おきて)に生育(そだ)って行った…。気楼(きろう)に向かわす未完(みじゅく)の暗黙(やみ)とは悲痛を二重(かさ)ねて自在に追い立て、未知と幻想(ゆめ)との子悪(こあく)の裾から通り縋りの集いを保(も)った…。未来(さき)に苛つく女性(おんな)の肉体(からだ)は、理知に棄てられ消失して居た…。
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…(二度目に見た夢)
俺は母親と一階リビングに居り、俺はキッチンで飯を食い始め、母親はベッドで横になって居た。俺達は、俺がビデオで録画したテレビ番組を観て居た。俺はついこの間それを観て居り、次の展開などを知って居た為、事ある毎に、母親に成り行きを説明して居た。
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人密(みつ)と幻(ゆめ)との小言を欲張り、一人(ひと)に安まる理屈の総ては退屈(ひま)の過去から旧(むかし)を企む身欲(よく)の列(なら)びに夢中と成った…。一人(ひと)を欲張る乱心(こころ)の奥には誘導して往く矛盾を見送り続け、退屈(ひま)を余せる遊女の独創(こごと)を暗黙(やみ)に木霊す凛を味わう…。日々の流行(ながれ)に未亡を費やす孤独と活命(いのち)の衝動(うごき)を収めて、過去に養う独創ばかりを人密(みつ)に拡げて躰を透し、一人(ひと)に安まる無刻(むこく)の遊戯は過去に集まる独理(ドグマ)を見通せ、暗(やみ)を突き出る乱心(こころ)の明日(あす)から人間(ひと)を安める傀儡(どうぐ)を操る…。白亜(しろ)く靡かす無垢の残香(かおり)は暗黙(やみ)の秘密に樞(しかけ)を観る内、無憶(むおく)に二重(かさ)なる乱心(こころ)の明日(あす)へと一人(ひと)を酔わせて夢中を併せて、広い果実を自己(おのれ)に這わせる旧来挿話(むかしばなし)の無純(むじゅん)を識(し)った…。一人(ひと)と暗(やみ)との精神(こころ)の刹那は未(いま)も旧(むかし)も名残を見捨てて、白亜(しろ)く成り立つ人壁(かべ)の目前(まえ)から非道に安める披露の豪華に体形(かたち)を保(も)った…。幻覚(ゆめ)と未覚(みかく)の提灯(あかり)を点(とも)して、一人(ひと)と欲との安転(まろび)の総理(すべて)は非道を通して御殿を築き、無謀の暗(やみ)との感覚(いしき)に寝そべる愚かの身欲(よく)へとその身を遣った…。人密(みつ)に眺める孤独の若輩(やから)は脚色(いろ)を寄せ往く孤独を愛し、一人(ひと)に安まる未活(みかつ)の行方は無動(むどう)に静まる厄日を見た儘、人間(ひと)と現行(いま)との孤独の栄華を身欲(よく)に求まる安みとしながら、過去と現行(いま)との集成(シグマ)の許容(うち)には人間(ひと)を愛する旧(むかし)を識(し)った…。美街(まち)に活きつつ不法を見詰めて、過去と未(いま)との孤独を追い掛け、人密(みつ)に拡める無覚(むかく)の一人(ひと)には暇を見詰める暗(やみ)さえ見付けて、自己(おのれ)を安める孤独の栄華は過去と生育(はぐく)む脆弱(よわ)さを観て居た…。気味を装う無宿の内実(なかみ)は、過去(むかし)の生憶(きおく)を精神(こころ)へ置き去り、白亜(しろ)く成り立つ不倖の柔味(やわみ)を未知に遠退く男・女(だんじょ)へ導き、自己(おのれ)の刹那に脚色(いろ)を見付けた身欲(よく)の両刃(やいば)を宙(そら)へと見上げ、過去(むかし)と未(いま)との身欲(よく)の旧巣(ふるす)は一人(ひと)を軟(やわ)める感覚(いしき)を保(も)った…。一人(ひと)の欲から無心(こころ)を賑わす旧来(むかしから)見た非道の活路が、暗黙(やみ)を劈く無知の気色を一人(ひと)に見出し色香(いろか)を装い、未亡と集成(シグマ)の彼方を観るうち無口に感じる孤独を透らせ、街の貌(かお)から要(かなめ)を好く飼う幻覚(ゆめ)の初歩(いろは)の博打を想わせ、静かに欲付(よくづ)く無頼の人形(かたち)は人に知られず運(さだめ)に散った…。幻覚(ゆめ)の街から遠くを見付ける乱心(こころ)の精華(はな)には安味(やすみ)が準じ、微動だにせず女性(おんな)を囲める無尽の自然(あるじ)を愛露(エロス)に遠退け、人間(ひとのあいだ)を一形(かたち)に懐かす揺蕩い文化にその眼を盛(も)った…。日々の憂和(ゆうわ)に仄かさが発(た)ち、暗黙(やみ)の矛盾に過去を集める未屈(みくつ)の遊戯に小躍(おど)りを識(し)った…。
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…部屋は二部屋共、電気を消して居り、真っ暗に近かった。初めの内は夕方でもあり、俺が居るリビングの方はまだ黄昏時の様(よう)に外から入る明かりで辛うじて明るかったが、母親の居る居間の方は、普段からカーテンを閉め切り、周りが家で建て込み陽光が入り辛い所為か、俺が居るキッチンよりも暗かったのを覚えて居る。又そんなに暗いのに何故か俺達は「電気を点けよう」とは言わずに居た。そう、何となく成り行きで言わなかったのだ。「その内点ける」と俺と(おそらく)母親も考えて居た。季節はいつか分からない。がとにかく夕方を回った頃だった。飯を食って居る俺だったが、お陰で、食卓に並んだ一品ずつがどんな料理なのか、余り見えず、時間が経つにつれ、どんどん分からなくなって居た。
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不安と幻覚(ゆめ)から乱心(こころ)が浮き立ち、白亜(しろ)い人壁(かべ)から思考が出る時「不毛の輪舞曲(ロンド)…」は刻(とき)を追い駆け、一人(ひと)の両掌(かいな)に灰汁を煎じる非道と現行(いま)との滑稽味(おかしみ)を観た…。不夜(ふや)の孤独を女体(おんな)に根廻し、最新ばかりを注文するのは「刻(とき)の重さ」と同じ盾にて、一人(ひと)の孤独と栄華を異(い)にする陰府(よみ)の静間(しずま)に通底して居た。一人(ひと)と電子の灯(あか)りの目下(ふも)では巨躯に絶えない床しさを観て、自己(おのれ)の希望と我欲を画(え)にする過去の一通(とおり)を文言(ことば)に置き換え、幻(ゆめ)の一女(おんな)に通底して往く非道(ひど)い人形(かたち)を私運(さだめ)に換えた…。孤独の人間(ひと)から絵具(えのぐ)が湧き出て、恋の灯(あか)りが朗らに失(き)え往く不動の遠方(とおく)に野晒(のさば)り続けた…。一人(ひと)の内実(なかみ)に孤踏(ことう)を見分ける非常と勇気の暗(やみ)に仕上がり、人間(ひと)の栄華を虚しく問い生く不能の灯(あか)りに滲んで消えた…。過去と現行(いま)との司動(しどう)の彼方へ女性(おんな)の初出(いろは)が返って来る頃、一人舞台の悩みの裾には身欲(よく)の栄華が極まり続けて、拘り続ける「欲の迷路…」は幻覚(ゆめ)の彼方へ荒んで消えた…。無秩の彼方へ小声(こえ)が高鳴り、実欲(よく)の木霊が故縁(えにし)を問うのは、暗黙(やみ)の生則(きそく)に裏打ちされ往く至闘(しとう)と名路(めいろ)の傍(よこ)に並べる〝過去の定律(おきて)…〟に自由が発(た)った…。人間(ひとのあいだ)に鼓動が波(わた)れる生様(きよう)と空虚の中弛(なかだる)みに見て、人間(ひと)の果楽(からく)に自己(おのれ)を問うのは懊悩(なやみ)に咲かない主人(あるじ)と成り果て、一人(ひと)の暗(やみ)から文言(ことば)を堕(お)とせる「自由と意志」との悶絶にも成る…。一人(ひと)に成り就(つ)く孤独の果てには架空(そら)に敗(ま)けない愚行(おろか)を観る内、非道に落ち着く文言(ことば)の巧みは選り取り見取りの自然(あるじ)を尽(き)り捨て、自己(おのれ)の無口に孤高を統(たば)ねる旧遊戯(むかしゆうぎ)の残派(ざんぱ)に在った…。至当(しとう)に疲れる人体(ひとのからだ)は右翼に捌ける悶取(もんど)りだけ観て、器用と現行(いま)との乱心(こころ)の遊戯を人密(みつ)に託して男性(おとこ)を見知り、自由に盛(さか)れる孤独の栄華は過去に落ち向く旧(むかし)に準(なぞ)らう…。身欲(よく)の化身(かわり)に温度を飼うのは人体(ひとのからだ)の億劫から成り、人密(みつ)に蔑む紋様(もよう)の概(おお)くは自己(おのれ)の生気へその瞳(め)を保(も)たせて、大海(うみ)を波(わた)れる司業(しぎょう)の動作は旧い定律(おきて)をその実(み)に見入り、幻覚(ゆめ)の角形(かたち)に身構え始める実欲(よく)の進化にその芽(め)を剥いた…。
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…洋画だった。映画の様(よう)なドラマを観ながら、俺は少々溜(た)めを置いた後(あと)遂に、
「この次、エクソシストみたいになんねんで」
と母親に告げた。何か、オーメンの様な、少々怖い展開に成る映画ドラマだったらしい。(俺はついこの前、『死霊館』と言う二〇一三年アメリカ制作の映画を観て居たので、その影響でこの様な映画ドラマを観て居たのかも知れない)。母親は「ふうん」とやはり何か期待して観て居る様だった。「やっぱり遂に出たか」と言った様な節が、俺に向けて在る様だった。
*
低い宙(そら)への出戻り夫婦、人密(みつ)と現行(いま)とが根拠を描けぬ未来(さき)に先(せん)じる孤独の哀れは、暗(やみ)にいじけた女性(おんな)の両刃(やいば)に過去を隔てて宇宙を仰ぎ見、卑しい人姿(すがた)を見本に掲げる人間(ひと)の肢体(からだ)と愚行(おろか)を識(し)った…。白亜(しろ)く成り立つ人壁(かべ)の隙間に微妙を隔てた暗夜(やみよ)の感覚(いしき)は、無知に衝動(うご)ける端正(きれい)な空間(すきま)に活命(いのち)の初歩(いろは)を優しく啄み、肉の躰に過去を立たせる不能の所以(ありか)を一色(いろ)に見合す…。白亜(しろ)く憤(むずか)る乱心(こころ)の両刃(やいば)は生本(きほん)と生義(せいぎ)の文言(ことば)を立たせて、素人(ひと)と感覚(いしき)の荒みの自然(あるじ)は過去の一形(かたち)に悦び始まり、人間(ひと)の愚行(おろか)に旧(むかし)が啄む陰府(よみ)の儀式は轍を踏みつつ、白亜(しろ)く棚引く夢の涼風(かぜ)へと素描(かお)を落して恰好(かたち)を似せた…。旧来独語(むかしがたり)の虚空(そら)の歪みは幻(ゆめ)の生憶(きおく)と意味を見忘れ、饂飩を啜れる暗(やみ)の店から和洋の樞(しかけ)を虚空に見定め、人の活路に杜撰を透せる未惑(みわく)と調度の主人(あるじ)の空間(すきま)は、未知の許容(うち)から精神(こころ)を湧かせる至闘(しとう)に名高い景色を採った…。無秩に拡がる不能の謳歌は幻覚(ゆめ)と一形(かたち)に純心(こころ)を素通し、一人(ひと)の暗黙(やみ)から現行(リアル)が見定(さだ)める未知の生憶(きおく)を譲渡に根廻せ、自己(おのれ)の日々から純心(こころ)が飼うのは陰府(よみ)と無形(かたち)の刻(とき)を追い出し、日々の未憶(みおく)に幻(ゆめ)を吟じる孤独と未(いま)との切磋を射った…。一人(ひと)の外れに未来(さき)が追い駆け、未来(みらい)を掌(て)にする一光(ひかり)の孤独は〝我(われ)の手品…〟に感覚(いしき)を冠した疲労の現行(いま)から夢告(むこく)を和らげ、過去を気にする孤憶(こおく)の名路(めいろ)を刻(とき)に劈く自然(あるじ)に見立て、紺(あお)く爛れる白壁(かべ)の目前(まえ)では器用を忘れて一通(とおり)を観て居た…。未知と未(いま)との正義の空間(すきま)は、幻(ゆめ)と哀れの宥めを意(い)にして、一人(ひと)に遮る純情(こころ)の許容(なか)には録(ろく)を象る小心(こころ)を肴(さかな)に、意味を失くして大器を仰げる理知の安堵をその眼(め)に見て居た…。一人(ひと)に騒げる理屈の最後は過去を見詰めて一通(とおり)を語らい、退屈(ひま)と未完(みじゅく)に悪しきを象る人物(もの)の小路(レール)に視線を募らせ、自己(おのれ)の未覚(みかく)に幻影(かげ)を仕留める無口と現行(いま)とに温味(ぬくみ)を識(し)った…。過去と哀れの逡巡から観て、幻(ゆめ)の一通(とおり)は無限に拡まり、分厚(あつ)い人壁(かべ)から蝙蝠傘(かさ)を奪(と)るのは一人(ひと)の連呼と身欲(よく)の迷路は過去(かたち)を忘れて無業(むぎょう)を顕し、不意に盛(さか)れる未屈(みくつ)の従者を糧に置き換え奈落を乞うた…。
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…寝起き間際に、ドリフの仲本、高木ブー、志村けん(加藤も居たかも知れない)等が、「バーラが咲いたー、バーラが咲いたー、バーラが咲いたー」を歌って居た。(昨日俺は、「ファミリー劇場」でドリフの〝雷様のコーナー〟で高木ブーとマイク真木がこの「バーラが咲いたー」を歌って居たのを、父母がリビングに居たため身動き出来るに居間で聴いて居たので、きっとその影響だろう)。その中で、おそらく(高木じゃない)仲本が、
「バーラが咲いたー、バーラが咲いたー、梅・竹・松(どーの)は花にーもー、じゃないの?!」
と、この歌を良く知る指導者の様な人(マイク真木の様な人)に訊いて居た。
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不審に息衝く木霊の生憶(きおく)は懐古(レトロ)を逆手(さかて)に淡く成り果て、暗黙(やみ)の活命(いのち)の端末(はずえ)は活力(ちから)の目下(もと)から既憶(きおく)を呼び付け、自由と自然(あるじ)の奈落の果てより未亡が仕上がる滑稽(おかしみ)を問い、一人(ひと)の微温味(ぬるみ)に生憶(きおく)が乞うのは人山(やま)の八性(おろち)と泥濘(ぬかるみ)だった…。人間(ひとのあいだ)に過去が寄り添い、未知と孤憶(こおく)の両刃(やいば)は現行(いま)でも、低い小宙(そら)の未(いま)から見様(みよう)を気取れる理知と理憶(りおく)の優雅を知った…。自己(おのれ)の空間(すきま)に過去が練られて卑怯と孤独の練派(れんぱ)を辿れば、人山(やま)に始まる呼吸と感覚(いしき)は人間(ひと)を模(かたど)り無法を絵にして、緊(きつ)い人見(ひとみ)の向こうに果てるは無垢と暗(やみ)との滑稽味(こっけいみ)を識(し)り、一人(ひと)の棺に孤録(ころく)を逆行(もど)せる不思議に見送る影(かげ)を殺した…。自己(おのれ)の無知から知識が素通り、一人(ひと)の感覚(いしき)は寸胴(ずんどう)から成り、未知と過去から現行(いま)を宿せる不義に匿う感覚(いしき)を保(も)った…。低い小宿(やど)から凝(こご)りが湧き出る無機と情緒の寂寥から観て、何時(いつ)の気に成る精神(こころ)の貌(かお)には幻(ゆめ)の波(わたり)が幸先(さき)を棄(な)け掛け、自由に始まる小宙(そら)の宿りは旧い気色を両眼(りょうめ)に観て居た…。一人(ひと)に泣き付く柔裸(やわら)の翳りを理知に見紛い精神(こころ)を咎め、一人(ひと)の自主(あるじ)に未来(さき)を見果てる暗(やみ)の過去(かたち)に遭遇して居る…。未開の体裁(かたち)に乱心(こころ)が湧き立ち、一人(ひと)と暗(やみ)との霊(れい)の姿勢(すがた)は未然を灯せる自信を脱ぎ捨て、一人(ひと)と暗(やみ)との乱心(こころ)の内(なか)では人体(からだ)を忘れて見様(みよう)を紐解き、自由に引き裂く分厚(あつ)い人形(かたち)は幻(ゆめ)の温度を静かに待った…。無心に生け捕る乱心(こころ)の進みは醜い体形(かたち)を小宙(かたち)に置き換え、自由と現行(いま)との両腕(かいな)の目下(ふもと)は既憶(きおく)に概(おお)きく軒夜(のきよ)を刻み、幻覚(ゆめ)と周りの活路の小敗地(アジト)は未然を愛して女性(おんな)を乞うた…。幻覚(ゆめ)の前途へ身悶えするうち未知の轆轤は首(こうべ)を垂れ活き、一人(ひと)の既憶(きおく)に縋れる魔の掌(て)は理知に縋れる孤独を買った…。白亜(しろ)く棚引く向日の景色は堂々巡りの棚牡丹(たなぼた)など観て、緊(きつ)い景色の譲渡を肥やせる不意と独理(ドグマ)の自然(あるじ)を睨(ね)め付け、身塵(みじん)に安(やす)める純心(こころ)の乱舞は過去の常識(かたち)に姿勢(すがた)を換えた…。退屈(ひま)を余した暗(やみ)の経過は白亜(しろ)い感覚(いしき)と自然(あるじ)を求めて、自己(おのれ)の心底(そこ)から安泰して生(ゆ)く魔法の気色を混濁させ得た…。
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…(三度寝に見た夢)
俺は何か、また介護福祉士に成って居り、職場は見た事無い場所だったが煮物の様な年増の女が働いて居る所を見たら、やはり神の園の様(よう)だった。しかしその職場のフロア迄の道程(どうてい)は可成り複雑であって、エレベーターで職場の在るフロアまで上がり、細長い四角形の通路を渡り、その先に大人一人入れる分の入り口(ドア一枚分の)が在り、そこを入ると、中は間広(まびろ)の空間を造る、と言う構造に成って居た。
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不屈の文言(ことば)を孤独に置き遣り、不毛に名高い陰府(よみ)の景色は行方知れずの傀儡(どうぐ)に遣られて、自ら両腕(かいな)をその掌(て)に委ねる未知の文言(ことば)に習いを見る時、男性(おとこ)と一女(おんな)の欲の奈落は限りを識(し)らずに空虚を知った…。自体(おのれ)の無垢から呼吸が仕上がり、小宙(そら)の行方に身悶えする頃、日々の優雅に気体を保(も)ち込む人間(ひと)の優雅にその実(み)を呈(あらわ)し、日々の安(やす)みに温味(ぬくみ)を欲しがる幻覚(ゆめ)の孤録(ころく)は矛盾を着飾り、人間(ひと)の身欲(よく)から活路が見出す不悶(ふもん)と玉(ぎょく)との謳歌を知った…。過去の常識(かたち)に身悶えする頃「自己(おのれ)の無欲」に木霊が飛び出て、一女(おんな)の遊戯(あそび)に不悶(ふもん)を紐解く未活(みかつ)の憂慮と過去を絵にして、幻覚(ゆめ)と神秘(ふしぎ)に人間(ひと)が連なる御堂(おどう)の通路を自滅に引いた…。人密(みつ)の気色へその実(み)を遣るうち非道の気色は感覚(いしき)を忘れて、人物(もの)に殺める欲の過去(かたち)は身塵(みじん)を報されmonkを打った…。紅(あか)く成り立つ神秘(ふしぎ)と未(いま)とは〝情事(こと)の無暗(むやみ)…〟にその実(み)を絆され、幻(ゆめ)の欲から活路を見出す不悶(ふもん)の人形(かたち)に未来(さき)を送った…。愚問の価値からおどろが出て来て、一幻(ゆめ)の空間(あいだ)を自由に跳ぶのは、一人(ひと)の山から枯渇が絵にした所(ところ)の渇きを温味(ぬくみ)に酔わせる〝不毛の土地…〟への逡巡とも成る…。理知に意気込む身欲(よく)の目前(まえ)には過去を掌(て)にした感覚(いしき)が高らみ、退屈(ひま)を余した欲の鳴る気(き)は未想(みそう)に溺れて神秘(ふしぎ)を欲しがり、欲の腕から印(しるし)を欲しがる悲壮の故縁(えにし)にその実(み)を携え、自己(おのれ)の未活(みかつ)を過去に射止める未来(さき)と未(いま)との温来(おんらい)を観た…。幻(ゆめ)の無垢から背伸びをして生く過去と常識(かたち)の連鎖の陰(かげ)には、人山(やま)の目下(ふもと)へその身を堕(お)とせる神秘(ふしぎ)と初出(いろは)の軽々(けいけい)だけ識(し)り、幻(ゆめ)と欲から弄(あそ)びを知らない自己(おのれ)の千夜(とばり)をその眼(め)に欲した…。幻(ゆめ)の微温味(ぬるみ)に刻(とき)を感じる孤独と臭味の故縁(えにし)と降(くだ)りは、退屈(ひま)を愛せる無垢の人見(ひとみ)と「自由」を掌(て)にした小言を安めて、未来(さき)を知らない涼風(かぜ)の空間(すきま)に主人(あるじ)を求めて巣立って入(い)った…。日々の夜明けを過去に従え、自己(おのれ)の努力を人間(ひと)に捲(めく)るは過去と現行(いま)との懊悩(なやみ)の総てを可笑しく遮る孤独と見紛え、日々の夕なに翌朝(あさ)を見送る無想の気色へ倦怠を識(し)る…。神秘(ふしぎ)に見送る過去の奥義(おくぎ)は人見知(ひとみし)りに立つ不幸に宣い、一幻(ゆめ)の信義(しんぎ)の理屈に這わせる個々の感覚(いしき)は宙(ちゅう)に見送り、暗(やみ)の空間(あいだ)を御殿に侍らす未活(みかつ)の進歩を絵に観て描(か)いた…。活歩(かつほ)の欲衣(ゆかた)が遠退く様(さま)には〝一人(ひと)に訓(おし)える無様…〟が成り立ち、退屈(ひま)を余せる下降の縁起は徒歩に揺らげぬ乱心(こころ)を突いた…。
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…その白い壁に囲まれた細長い通路を歩いて居る最中(さなか)に、俺は年増の女に追っ駆けられる様(よう)にして早出の仕事に向かって居た。年増の女も俺と同じく早出だった。始め、ほんの少し、女が俺の前を歩いて居た様に思えたが、錯覚だった様で、俺のやや離れた後方から、せくせくせくせく、早足で俺に追い付く程に歩いて来て居た。年増の女は俺を見付けた後、俺に追い付く様に歩いて居た様で、たったったったっと途中から確実に俺を追い駆ける素振(そぶ)りと成り、
「追―い着いたっと。おはよう!」
と、まるで好きな人に向かって言うみたいに、可成り明るい笑顔で俺に言って来たが、これは年増の女の機嫌が良い時のいつもの行動だった。
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一人(ひと)の身辺(あたり)に過去が冴え活き、未知と現行(いま)との破局が成るのは夢限(むげん)の成果で、人間(ひと)の初めに暗(やみ)が湧き立つ旧い四肢(てあし)の遊戯は何時(いつ)しか、暗黙(やみ)と自己(おのれ)の試心(こころ)を遍く〝自由の形象(かたち)〟に落ち着き入(い)った…。未知の景色に小宙(そら)を得ながら過去と常識(かたち)は〝自由〟を手招き、人物(もの)の哀れに自然を余らす一人(ひと)の途切りは乱心(こころ)を追い駆け、白亜い人壁(かべ)から未屈(みくつ)を癒せる浮浪と最期の定律(おきて)を保(も)った…。暗(やみ)に活き発(た)つ自由の僕(しもべ)は身欲(よく)の成る手を密かに追い駆け、退屈(ひま)を見初めて自主(あるじ)を崇める「自由と現行(いま)…」とを蹴散らし始めた。街の定律(おきて)に常識(かたち)が調い、暗(やみ)の自然(あるじ)を御供に詠むのは、旧い形(かたち)の安堵と現行(いま)とが途切りを詠み捨て意味を丸めて、暗(やみ)の声から個録(ころく)が挙がれる無心の日(ひ)の手と両掌(りょうて)を打った…。未然に近付く精神(こころ)の定律(おきて)は「人と乱心(こころ)の不信」を訴え、自己(おのれ)の美声(こえ)から無形(かたち)を引き出す不名誉から見た余信(よしん)を絶った…。美街(まち)に息衝く文言(ことば)の暗黙(やみ)には比類無きほど人形(かたち)を調え、安らぎばかりの美声(こえ)の鳴く音(ね)に空間(すきま)を漏らさぬ上手(うわて)を識(し)った…。一人(ひと)の孤独に日々が棄てられ、過去の想いに曇天(くもり)の天気が流行(ながれ)を意(い)にして通せんぼをして、女性(おんな)の人形(かたち)に成らずを見せ往く小宙(そら)の目下(ふもと)は朗らかだった…。価値が見えない暗(やみ)と神秘の相性など識(し)る…。男性(おとこ)と一女(おんな)の背景などには未来(さき)が知れない孤独を追い駆け、自己(おのれ)の未知から苦労が耐え貫(ぬ)く日々の謳歌と紋章など在る。一人(ひと)の温味(ぬくみ)が景色を意(い)にして幻(ゆめ)に纏わる孤独は手遅れ、白亜(しろ)い気色に納める独理(ドグマ)は透明色した未一(みいつ)に仰け反り、日々の夕なに一人(ひと)を見るのは人山(やま)に荒んだ目下(もっか)を保(も)った…。人間(ひと)の快無(オルガ)に賄い、過去の優雅にその実(み)を安めて屯ろを解(ほど)けば、日々の蛻は日暮らしなど観て、脆弱(よわ)い感覚(いしき)の目下(ふもと)に突っ立つ…。幻覚(ゆめ)の了(おわ)りに透りを識(し)る儘、過去への活路に幻影を追い、人物(もの)の努めに未録(みろく)が囀る文言(ことば)限りの有頂を買った…。分厚(あつ)く成り立つ不快の主宴(うたげ)は、過去(むかし)と未(いま)とを凡庸(ふつう)に見る儘、自己(おのれ)の本能(ちから)を日々に飼い往く通り縋りの合図を気取れる…。
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…年増女の体は清潔感一杯のナースエプロンに包(つつ)まれ、私服であるそのエプロンの下の服でさえも、何時(いつ)もの年増女にしたら斬新なほど純白に見える、美味しそうな新人の脚色をして居た。俺は、跳び付いて来た年増女のふくよかなボディに押される形で入口から中へ入り、嬉しかったがその職場での暗黙の了解に従い嬉しさを表さず、その時の気持ちとは全く違った言葉を言いながら気を逸らして居た。
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一人(ひと)の孤独に未知が並ばず不毛に安まる独理(ドグマ)は落ち着き、小宙(そら)に匿う光沢(ひかり)の欲には一人(ひと)に失くなる人形(かたち)を乞うた…。奇怪に解(ほぐ)れる無尽と初出(いろは)に言霊(こだま)に暴露は出で立ち、暗(やみ)に優(すぐ)れる轆轤の模様は一重(ひとえ)に脚色付(いろづ)き、低い白雲(くも)から選り取り見取りを活命(いのち)に故録(ころく)は安転(ころ)がり、意味が失くなる人山(やま)に立つのは紐を忘れる独理(ドグマ)を保(も)った…。未知に活き着き精神(こころ)の悪夢は一人(ひと)と暗(やみ)との頃合いから観て、人の未然に過去(かたち)を保(も)つのは旧い一宮(みやこ)の孤独を表し、一人(ひと)に片付く脆い肢体(からだ)は幻(ゆめ)の未惑(みわく)に孤高と成り立ち、街に匿う活命(いのち)の人壁(かべ)には過去の傀儡(どうぐ)が廻され始めた…。白亜(しろ)く佇む栄華の体裁(かたち)は未知に込め得る文句を打った…。一人(ひと)に蔓延る無心の初出(いろは)は身欲(よく)に降(お)り立つ乱心(こころ)を立たせ、自由に始める本能(ちから)の派生は身欲(よく)に込め得る美街(まち)を相(あし)して、過去に求めた無垢の宮(みやこ)は旧い縁(えにし)の児(こども)を保(も)った…。未知に息衝く暗(やみ)の不幸は紅(あか)い人形(かたち)の素描(すがお)が成り立つ…。耳鳴りから成る精神(こころ)の独理(ドグマ)は驕りを見忘れ美街(まち)に脚色付(いろづ)く涼風(かぜ)は落ち込み、埠頭に落ち着く空(むな)しい朗(ほが)らは一人(ひと)に乖離(はな)れる未然を立たせて…、人間(ひと)の自由に孤独を見付けた秘話と暗黙(やみ)との展開を観た…。幻覚(ゆめ)の景色に荒々しさだけ見て、一人(ひと)の行李に旧(むかし)が根付ける自己(おのれ)の浮惑(ふわく)に準じて行った…。幻覚(ゆめ)に始まる試心(こころ)の文句(ことば)は過去の常識(かたち)に漫々(そろそろ)這い活き、小宙(そら)の宮(みやこ)と乱心(こころ)の内実(なかみ)は端正(きれい)な瞳(め)を観る無言(ことば)を飼った…。未来(さき)に阿る試心(こころ)を保(も)つまま小宙(そら)の目下(ふもと)は過去に憶える無垢の暗(やみ)へと頻りに色立ち、自由に赴く女性(おんな)の妙(みょう)には暗(やみ)に燻就(くすね)た悦びが在る…。一人(ひと)と現行(いま)との不倖の成義(せいぎ)は低い小宙(そら)からぽつんと転がり、白亜(しろ)景色に人壁(かべ)への進歩の空間(あいだ)は不思議に導く木霊を打った…。人間(ひと)の未来(さき)から孤録(ころく)が湧き立ち、自由に息衝く人形(かたち)の欲には不和の活路を演じて行った…。自由と未惑(みわく)の伝説(ことば)の頭上(うえ)から四季(きせつ)が成り立ち、自己(おのれ)の浮惑(ふわく)と精神(こころ)の幻覚(ゆめ)には自由の安土を構(つく)って往った…。白亜(しろ)く鈍(くも)れる孤独の思乱(あらし)は過去に息衝く文言(ことば)を追い駆け、自由に活き着く孤独の人壁(かべ)には懊悩(なやみ)と常(つね)とが撓(やわ)いで在った…。未知と現行(いま)とが幻(ゆめ)の断片(かけら)を未来(さき)に追い立て、自由に片付く文言(ことば)の奈落は不和の列(ならび)に逆行(もど)って行った…。
*
…興奮しない様(よう)にして居た。職場(ここ)ではエッチな事はご法度であって、譬え女が好意を以て体を擦(す)り寄せて来たり、エッチっぽい言葉を言ったりして来ても、それにそのままエッチな対応で返せば、忽ち彼女等は何処(どこ)かへ散り、その対応を返した男を敬遠する、そんなお決まりの流れがあった。故に俺は、年増女に女体を擦(こす)り付けられた直後にも拘らずに、
「あ、そうか、俺きょう早出やったんや(フロアに誰も居ないのを確認しながら)、そっか。俺、今日てっきり日勤やと思ってたわー」
等と別に言いたくも無い事を散々言って居たのだ。
*
未信の個録(ころく)が懊悩(なやみ)を打ち明け、日々の迷路を純心(こころ)に留(とど)める遥か旧(むかし)の生憶(きおく)に於いては、利潤に伴う仮思(かし)の既憶(きおく)の屯(たむろ)を未知に引き継ぐ禿冠(かむろ)を取り添え、余計の懊悩(なやみ)に憶(おく)を見限る私闘の界(かぎり)を八倒させ得る…。無心に屈(こご)める身欲(みよく)の千夜(とばり)は幻(ゆめ)の経過にずんずん寄り付き、日々の人形(かたち)に肉欲(よく)が企む選り取り見取りの杜撰を講じて、頭上(うえ)の巨躯から未然の身辺(あたり)を不意に静める忘却を観た…。旧(ふる)びた寝室(ねむろ)を高らかに挙げ、幻(ゆめ)の身辺(あたり)を人間(ひと)に添わせて瞬く間を識(し)り、白亜(しろ)い既知から微温味(ぬるみ)を吟味(あじ)わう化身の信義(しんぎ)は有頂(うちょう)を識(し)りつつ、無機の仄香(ほのか)に未一(みいつ)を安める無根の化色(けしき)は根絶やしとも成る…。白亜(しろ)い感覚(いしき)に無言(ことば)を採り下げ、人間(ひと)の過憶(かおく)に千夜(とばり)が来る時、一幻(ゆめ)と逸話の論議の姿勢(すがた)は透明色した真中(まなか)を過ぎ去り、有頂(うちょう)の冠(かむろ)を焔(ほむら)に化(か)え往く未完の悪夢と相乗して居た…。男性(おとこ)に這い往く乱心(こころ)の自主(あるじ)は、棘を知らない一女(おんな)を愛して、過去の脆差(もろさ)を充実させ生く旧い気色と周囲(まわり)を贖い、気味の体裁(かたち)に欲を憚る未然の信義(しんぎ)にその眼(め)を突けた―――。美街(まち)に静まる紺(あお)い果実は好(よ)くも悪くも斬新に在り、苦労の成果(はて)から過憶(かおく)を見詰める不安と感覚(いしき)を展開して往く…。一人(ひと)と仮思(かし)との既憶(きおく)の一夜(とばり)で未来(さき)を詠めない未録(みろく)の跡には、幻見心地(ゆめみごこち)で過去(むかし)を装う乖離双璧(ドグラマグラ)の沈唱(ちんしょう)が在る…。根強い旧さに欠伸が延び切り、悪しき古巣の独理(ドグマ)と乱心(こころ)は自体(おのれ)の実欲(みよく)と孤録(ころく)を培い、問わず語りの故縁(えにし)の内(なか)では見様見真似の人姿(すがた)が立った…。過去の感覚(いしき)に現行(いま)が過ぎ去り、暗(やみ)を培う乱心(こころ)の果実は美味を掌(て)に取り無戒(むかい)を語り、人間(ひと)を賄う自由と化色(けしき)は意味を見忘れ暗(やみ)に堕ち込み、穏やか成れども翳りを見知らぬ幾様(きよう)の即座に列(ならび)と成った…。白亜(しろ)く成り立つ一人(ひと)の極みは蜻蛉成れども無欲を通り、一人(ひと)の律儀に空間(あいだ)を保(も)てない自由の匣へと泳いで入(い)って、過去と現行(いま)との暗黙(やみ)の刹那を臨場豊かに捌いて往った…。幻覚(ゆめ)の千夜(とばり)を人頭(おろち)に込ませて、自由と総理(すべて)の未来(さき)を編む内、一人(ひと)の乱心(こころ)と活歩(かつほ)の空間(あいだ)は巨躯を忘れて不本を解(と)き去り、未解(みかい)に上付(うわづ)く人形(かたち)の幻見(ゆめみ)は一人(ひと)の過憶(かおく)と創立して居る…。無知の暗(やみ)から精神(こころ)が遠退き、男女(ひと)の生憶(きおく)に厄(やく)が覗ける無謀と界(かぎり)の孤独は優しく、欲から乱心(こころ)を編むのは人間(ひと)の人形(かたち)は人山(やま)に盛(さか)れる「自由」と立った…。自己(おのれ)の未知から独理(ドグマ)を買う時、低い小宙(そら)から個録(ころく)は消え去り、自由と未(いま)との孤憶(こおく)の小敗地(アジト)は無意識から発(た)つ傍観だった…。
*
…そのうち年増の女は笑顔を緩め、
「朝のお料理行って来まーす」
と、胃婁(チューブの)の利用者用のメディエフを銀トレイに載せて、このフロアに居る(おそらく)二、三人の胃婁者の居室に向かって行った。その日(昨夜)は忙(せわ)しい目の晴れた老女だった様(よう)だ。ほんの微かな声と気配だけするが、姿は見えない。俺はメディエフが年増女に運ばれて行くのを見ながら、全ての胃婁者の体位を〝胃婁用の体位〟にしなきゃ、と思い、各胃婁者の居室を回ろうとした。一番手近の「兄さんか?」とよく呼ぶ女性利用者の居室へ入った。入ると、彼女の小さく細い体は、ベッドの中央から見てかなり低い位置に在り、頭側をギャッチアップして居た事により、体動で次第にズレて、かなり下方へ偏って居た様だった。
*
過去の笑いに人間(ひと)を究(もと)めて自己(おのれ)の不和には未完(みじゅく)が灯り、暗(やみ)と神秘(ふしぎ)の孤独の網羅は旧い気色の人山(やま)を越え出せ、陰府(よみ)に築ける自己(おのれ)の欲には牙城(とりで)が片付く個録(ころく)を押し込め、脆(よわ)い体裁(かたち)に未来(さき)を射止める神秘(ふしぎ)と初出(いろは)の囲いは止んだ。一人(ひと)の欲から躰を保(も)ち出し、不明の理屈に文言(ことば)が成る時、女性(おんな)の美体(からだ)が発(た)ち生く無空(むくう)の自然(あるじ)と精神(こころ)の二重(かさね)は広い暗(やみ)へと妄想だけ観て、端正(きれい)な理屈を煩悩(なやみ)に打ち出す情事(こと)と鏡の刹那は生い立ち、不適(ふてき)に嘲笑(わら)える身塵(みくず)の割には旧い夜伽が謳歌を成せた…。自由に振舞う自体(おのれ)の活路は未憶(みおく)と俗世(このよ)を感覚(いしき)へ澄ませて、旧い譲渡に女性(おんな)を観て取る一人(ひと)の孤録(ころく)に圧倒して居る…。未知に活き尽(き)る精神(こころ)の暗(やみ)にはその身と精神(こころ)の夜風を執り成し、不動に安転(ころ)がる乱心(こころ)の躰の情緒は身活(みかつ)に調う邸(やしき)を保(も)った…。日々の幻覚(ゆめ)から試心(こころ)が蹴上(けあ)がり、日々の目下(ふもと)に奈落が乞うのは身欲(よく)の身許と公図(こうず)の淡さで、日々に近付く人形(かたち)に人心(こころ)の途切りに安い孤独に味気を識(し)った…。白亜(しろ)く奏でる人壁(かべ)の底から幻(ゆめ)の流行(ながれ)は「自由」を飼い出せ、男性(おとこ)と一女(おんな)の日々の迷いは価値の堕落に巣窟を識(し)る。日々と現行(いま)との暗(やみ)の信仰(めいろ)に女性(おんな)の体形(かたち)は転々(ころころ)安転(ころ)がり、明日(あす)に息衝く暗黙(やみ)の鈍(なま)りは分厚(あつ)い四季(きせつ)の底など息衝き、街の過去から身欲(よく)が成るのは人密(みつ)が固まる印句(いん)に在った…。日々の感覚(いしき)へ孤高が立つのは孤高の牙城(とりで)と感覚(いしき)の狭間で、人間(ひと)の肢体(からだ)に乱心(こころ)が生くのは向日と乱心(こころ)の渇望とも成る…。現行(いま)を識(し)らない価値の身元は稀有に篭れる浮惑(ふわく)を訪れ、女性(おんな)の幼女(こども)を缶詰にして、幻覚(ゆめ)の活き血に精神(こころ)が立つのは意味の蜷局を心に追い出せ、人間(ひとのあいだ)の流行(ながれ)の所以(ありか)は身塵(みじん)を気(け)にして身悶えして居る。一人(ひと)に活き着く暗黙(やみ)の空間(あいだ)は過去を採らない淡路を安転(ころ)がし、無垢の初歩(いろは)を精神(こころ)に立たせる悲痛の衝動(うごき)を提灯(あかり)に置いた…。未知の気憶(きおく)に不毛が成るのは未然に伴う気心(こころ)の形象(かたち)で、意味を象(と)らない碧い人形(かたち)と身欲(よく)の倣いの行方は〝しどろもどろ…〟に流行(なが)れて往った…。無暗(むやみ)に奏でる漆黒(くろ)い人形(かたち)は意図を識(し)らずに純心(こころ)を顕し、女性(おんな)の孤独を男性(おとこ)に換え往く非道の成果を色目(いろめ)に採った…。
*
…「やっぱりな。忙(せわ)しい女の時は、こう言うとこ、可成り抜けてるからな」
等と俺は忙(せわ)しい女に少々悪態吐(づ)きながら、とにかく(本来、夜勤の仕事で、早出がしなくて良い仕事である)呼ぶ利用者の体位置を元の位置に戻す、と言う事に努めて居た。その際、俺は、この呼ぶ利用者の名前を(久し振りの為か)中々思い出せなかった。結局、「呼ぶ女・もも子」と言う事にした。
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一人(ひと)の欲から未来(さき)が出て来て〝気楼〟と現行(いま)との木漏れ日など発(た)ち、幻(ゆめ)の行方に未亡を気取らす無産に傅く小言の頭上(うえ)では、器用に束ねる未活(みかつ)の人山(やま)が飛び出し、低い小宙(そら)から人形(かたち)が乞うのは退屈(ひま)を忘れた名言だけ観た…。分厚(あつ)く凍て付く小言(こごと)の連呼は未信に引き立つ独理(ドグマ)を立たせて、幻(ゆめ)の空気に凛を望める低い白雲(くも)への相思を射った…。人密(みつ)に置き去る過去(むかし)の孤録(ころく)は暗黙(やみ)を枕に調子を眺めて、碧い軌跡に始動が導く孤独と幻(ゆめ)との独気(オーラ)を盛(も)った…。一人(ひと)の盛(さか)りに孤独を培い、情事(こと)の奇妙に儀式(マグラ)を観るのは過去(むかし)に揃えた泡(あぶく)の老婆と、過去の人形(かたち)に無頓を暴き見、幻(ゆめ)の胎児と堂々波(わた)れる旧い儀式を越襲(えっしゅう)して居た…。人物(もの)の自由と独創(こごと)を異(い)にして、幻覚(ゆめ)の比較を胎児に好く観る孤高の寝室(ねむろ)を人形(かたち)に越えさせ、旧(ふる)びた孤録(ころく)を価値に置き去る女性(おんな)の幻覚(ゆめ)から馬幌(まほろ)が飛び交い、惜しい既憶(きおく)に人間(ひと)を過ぎ去る有名無実の御殿を象り、一人(ひと)の独語(かたり)は意味を介さず、過去(むかし)の温味(ぬくみ)を縁(えにし)に採った…。紅(あか)い化色(けしき)に欲を立たせて、端正(きれい)に成り立つ琥珀の迷路は、一人(ひと)の身欲(みよく)に感覚(いしき)が絡まる美街(まち)の遊離にその身を呈(てい)し、一人(ひと)と欲とが精神(こころ)を撓(たわ)める分厚(あつ)い人形(かたち)の美味を費やし、幻覚(ゆめ)の空気(もぬけ)と柔身(やわみ)の空(そら)には「淡い過去(かこ)…」などその実(み)に退(の)け得た…。白亜(しろ)く成り立つ人壁(かべ)の迷いは孤々(ここ)の容姿をその実(み)に向かせて、暗黙(やみ)と未(いま)との連なりから問う人間(ひと)の虚無へと未完(みじゅく)を通した。自己(おのれ)の無垢から旧(むかし)を透して旧い雅(みやび)の故縁(えにし)は貴(とうと)く、仮思(かし)を追い駆け精神(こころ)を透せる不通の初出(いろは)をその眼(め)にしながら、幻覚(ゆめ)の白衣(ころも)と欲の自主(あるじ)は旧列(むかしなら)びの衝立など知り、旧(ふる)びた過去から常識(かたち)を堕とせる身欲(よく)の揺蕩(ゆらぎ)に羽ばたき入(い)った…。白亜(しろ)く棚引く空(そら)の曇りは幻覚(ゆめ)の未完(みじゅく)にその実(み)を絶たせて、軟い生憶(きおく)に連雅(れんが)を立て得る旨の人形(かたち)はその実(み)を馴らされ、自己(おのれ)の独理(ドグマ)に幻覚(ゆめ)を苛む「未知の白衣(ころも)」に有頂を識(し)れども、暗黙(やみ)に少なく故縁(えにし)を描(か)くのは有名無実の残香(かおり)に在った…。未来(さき)に奏でる精神(こころ)の欲には一人(ひと)の確かと固陋が浮き出て、一人(ひと)の暗(やみ)との旧(むかし)の栄華は既憶(きおく)に名高い乱心(こころ)を訴え、自由と気儘に女性(おんな)を好く観る寝室(ねむろ)の空虚は独理(ドグマ)に片付き、人間(ひと)の便りに未然が活き発(た)つ琥珀色した人間(かたち)を識(し)った…。無心(こころ)の意気から凄味が生い立ち、暗(やみ)と最後の乱心(こころ)に負うては…自己(おのれ)の無断に暗黙(やみ)を取り巻く旧来(むかしながら)の生憶(きおく)に貴(たっと)び、微温(ぬる)い気色に淡日(あわび)を匿う個々の好(よしな)に軒夜(のきよ)を忘れて、分厚(あつ)い活路を身欲(よく)に逆巻く〝有名無実…〟をその日に撮った…。
*
…一人(ひと)、一人(ひと)、一人(ひと)…、暗黙(やみ)の内へと器用に漲る幼女(おんな)の憂いは人物(もの)を見忘れ、「自由」と「現行(いま)」との身欲(よく)の辺りは明日(あす)を審(しん)じる無力(
*
一人(ひと)との善がりに宙(そら)を見ながら暗(やみ)を奏でる孤録(ころく)を脱ぎ捨て、分厚(あつ)い人壁(かべ)への未来(さき)の火照りは人山(やま)を見果てぬ八性(おろち)を語り、一女(おんな)の無形(かたち)が地中へ消えるは過去の自然(あるじ)の躍動ながらに、幻(ゆめ)に返れる人間(ひと)の有形(かたち)は始動を煩う欲芽(よくめ)を結った…。美街(まち)の畔(ほとり)に独歩(どくほ)が散ら張(ば)り、白亜(しろ)く焦がれる幻(ゆめ)の行方は素人(ひと)の空間(あいだ)をちらほら歩き、人山(やま)の価値から身重を退(の)け往く不当の自主(あるじ)に聡明を見た…。一人(ひと)の矛盾に四季(きせつ)が企み、暗(やみ)に暗転(ころ)がる無力を愛し、低い小宙(そら)から身欲(よく)を象る素人(ひと)の悦(えつ)には不当が立った…。自己(おのれ)の無垢から過去が成り立ち、退屈(ひま)を余した心の深夜(とばり)は無垢を愛した人を片付け、脚色(いろ)の順序に悦(えつ)を彩る過去の一見(ひとみ)は不毛を置き去り、人山(やま)の向こうに乱心(こころ)が覗ける非道(ひど)い老婆がその実(み)を立てた…。自由の空間(あいだ)に活路が追い駆け、過去と現行(いま)との欲芽(よくめ)の人形(かたち)は脚色(いろ)に転じて可笑し味(み)だけ識(し)り、一人(ひと)の世界に嫌気が差し込む宙(そら)の演戯は昼曇(ひるぐも)りを観て、無謀に象る乱心(こころ)の自然(あるじ)は過去を捨て去り翁を打った…。無知に気付かず不問を投げ掛け、自己(おのれ)の両腕(かいな)に身力(みりょく)が象る広い世界に自己(おのれ)を建てつつ、分厚(あつ)く静まる乱心(こころ)の行方は過去の行方を問い浮く空転(まろび)の姿勢(すがた)に男・女(だんじょ)を飼った…。一人(ひと)に留(とど)まる無口の幻(ゆめ)から過去と未来(さき)への微動が静まり、人山(やま)の身欲(みよく)に斬新(あらた)が望むは微動だにせぬ男・女(だんじょ)であった…。紅(あか)い人形(かたち)の人壁(かべ)の目前(まえ)から人間(ひと)の体裁(かたち)は残骸(むくろ)を追い駆け、自由と現行(いま)とが欲を目覚める悪度(あくど)い人形(かたち)にその眼(め)を諭して、女性(おんな)の初歩(いろは)を合点(がてん)に伸ばせる暗(やみ)の調度を絵馬に描(えが)いた…。一人(ひと)の欲から活路を見出し、低い小宙(そら)から文言(ことば)を投げるは、未知の行方に非道を興(おこ)せる旧い千夜(とばり)の有頂と成った…。一人(ひと)に具わる旧井戸(ふるいど)から観て、過去の定律(おきて)は身欲(よく)を見逃し、幻覚(ゆめ)の絵具(えのぐ)で一人(ひと)を見分ける過去と現行(いま)との列(ならび)の識図(しきず)は、無情に込め往く精神(こころ)の労苦を暗(やみ)に象る自主(あるじ)に見限り、幻見(ゆめみ)の界(かぎり)を暗転(まろび)に懐ける欲の優雅に這わせて行った…。幻覚(ゆめ)の空転(まろび)に児(こども)が遺され、過去と暗(やみ)との集成(シグマ)が立つのは、幻覚(ゆめ)に匿う無根の生(せい)への人間(ひとのあいだ)が無力を呈(てい)し、幻(ゆめ)の名付けに欲望(のぞみ)を観て居る過去の列(ならび)へ相乗して居た…。紺(あお)い四季(きせつ)に人見(ひとみ)が閉ざされ、幻(ゆめ)の内実(なかみ)は転々(ころころ)静まり、人山(やま)の目下(ふもと)へその気(き)を投げるは過去の流行(ながれ)と奇想を交され、欲の身元へ端正(きれい)に片付く旧来独語(むかしがたり)の千夜(とばり)を識(し)った…。
~淀味(よどみ)の双六(すごろく)~(『夢時代』より) 天川裕司 @tenkawayuji
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