第5話 パートナー
少子高齢化が進んだ日本。
対策として強制結婚制度というものができた。
18歳になったら国が選んだパートナーと結婚する。それが強制結婚制度。
正直、好きでもない人と結婚なんて考えられなかった。
けど拒絶したら社会不適合者扱いされるし……。
ほんと、今の日本は終わってる。
なんてこと思いながら毎日を過ごしていた。
18歳になったけど、国から連絡は来なかった。たぶん、まだアタシにピッタリのパートナーが見つかっていないからだと思うけど。
国は性格や趣味を分析してパートナーを選んでるの。だからパートナーを決めるのに結構時間がかかるみたい。
アタシのパートナー、いつ見つかるんだろう。
彼氏とかできたら、強制結婚制度拒絶できるんだけどなぁ……。
大学3年生の頃、国から『あなたのパートナーが見つかりました』と連絡が合った。
やっと来たか……。
親にパートナーが見つかったこと報告したら、なんか喜んでいた。
アタシは全然嬉しくないけど。
変な人だったらどうしよう……。
ヤンキーとか嫌だよ?
一週間後、遂に運命のパートナーと会うことになった。
今日会うのか……。
はぁ……なんか緊張してきたよ。
「君がアタシの運命の相手か。ねぇ君、なんて名前なの?」
「……西崎護です」
西崎護くん。
この子がアタシの運命の相手。
今は大学一年生みたい。大学一年生ってことは年下か。
顔は悪くないし、素直でいい子っぽいんだよね。
はぁ……よかった、怖い人じゃなくて。
近くのレストランで護くんとたくさん話した。
彼も趣味がアニメとゲームらしく、思った以上に話が弾んだよ。
(この人と話すの楽しいっ)
話せば話すほど護くんのことが好きになり、気づいたら彼とエッチしていた。
行為中、護くんがたくさん「好き」と愛を囁いてくれた。キスもたくさんしてくれた。
気になってる人に好きと言われるのは本当に嬉しかった。
国が選んだパートナーとは相性抜群と聞いたことあるけど、
あれ本当だったんだね……。
だって、護くんとアタシ相性抜群だもん。
「有紗、今日のご飯なに?」
「今日はカレーだよ~」
「カレーか」
「なんか反応薄いね……もしかしてアタシのカレー嫌い?」
「いや、嫌いじゃないよ。有紗のカレー本当に美味しいし」
「じゃあもっと喜んでよ~」
「いや、実は昨日カレー外で食べたんだよね」
「あっ、そうだったんだ……別の作ればよかったね」
「いや、いいよ。有紗のカレーは何回食べても飽きないし」
「ふふ、そっか」
護くんと出会って半年が経過した。
半年経ってもアタシたちは仲良しだ。
休日はどこか出かけたり、家でゲームしたり、美味しいもの食べたりして。夜はほぼ毎日エッチぃことして。
この人、毎日アタシのこと求めてくるの。エッチすぎるでしょ……。
まぁアタシも好きな人とエッチするの好きだからいいけどね。
「んっんっ……ちゅっちゅっ」
「有紗……」
「護くんっ……」
今日もベッドで体を重ね合った。
気持ち良すぎて何回も絶頂に達してしまった。
「護くん、今幸せ?」
「ああ、有紗と結婚できて幸せだよ」
「ふふ、そっかそっか。アタシもね、護くんと結婚できて幸せだよ。これからもよろしくね?」
「ああ、よろしくな」
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