不滅の昇歌〜覇王と使徒〜

デッドヒート

第一章 ファート王国編

第1話 プロローグ

 勇者と魔王この2つのたねは対になっている。

 約1000年以上もの間この2種の存在を中心に人類と魔族の戦いが続いた。

 勇者というたねは資格のある者が膨大なエネルギーを取り込むことにより覚醒するという力。

 魔王というたねは先代の魔王を殺した時に     その殺した存在に渡るという力。

 だがしかし勇者が魔王を殺した場合のみその力は混ざり合い勇者を1つ上の存在へと昇格させるという。

 そしてそれは“覇王”と呼ばれた⋯⋯。

 その覇王は神へと導く道標⋯⋯。

 この物語は世界が生まれてから初めて覇王となる者の物語、そして共に旅をする四人の物語である。


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 それではまず五人の英雄の中で唯一の異世界人、“炎武”について観ていこう。

 彼は人類が2番目に建国した国、“ファート王国”へ召喚され勇者のたねを持ち魔王を打ち倒さんとするはずだった。

 だがそうはならなかった⋯⋯

 ムカついたというとてもシンプルで幼稚な理由でね。

 何故ムカついたのか知りたいかい?

 それじゃあ語り手視点はもう終わりにして当事者視点で物語を進めて行こうか。

 それではまた⋯⋯⋯⋯


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 硬い床の広間で俺は目覚めた。

「⋯⋯だ他に質問はあるか?む?もう1人召喚されたぞ、ジースよどうなっておる?」

「はっ陛下、この者はおそらくは勇者である2名をこちらに呼んだ時に歪んだ空間に触れてしまいこちらに飛ばされたのかも知れません」

「何だ、貴様も予期せぬ事態なのか、面倒だな」

 俺はこの会話を聞き頭をフル回転させ記憶の中からこの状況を言語化した。

(巻き込まれ召喚かよ)

 俺は心の中でため息混じりにそう叫んだ。

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