馬鹿解説者

架流さん💤

馬鹿解説者 副田 正博

これは〇〇TVのサッカー中継中の話である。


「さーて今日もやってまいりましたワールドカップ2024フィンランド対日本!

今日はどうなるんでしょうねぇ?」


「はいそうですね…なんと言っても日本は今期無失点ですから。特にフォワードの〇〇選手が有望かと。」


「いや、そっちではなく観客の方です。」


「観客?観客ですか?そうですね〜、盛り上がってはいると思います」


「よくわからない説明ですね………おっと、試合はもう始まっていました!視聴者の皆様申し訳ございません


おーーっと!なんと田中選手が相手に飛び蹴りをかましました!!!いやぁ、良いですねぇ。――レッドカード?審判!なにやってるんですかぁ!あんな気分がスッキリするプレーにレッドカードなんて!」


「ちょっと後藤さん!相手の方に失礼です!!!」


「いや、あの選手は将来有望ですよ!」


「いやそもそm…」

「試合再開!


――――おっとシュート!ゴールの後ろ後番目の人のリーゼントが素晴らしいっ!」


「「「は?」」」

カメラマン、ディレクターまでもが呆れてる。


「おっとそこから右に七席の人の応援旗!すごいリアルですねぇ。手作りとかかな?」


「「いい加減にしてください!」」

ディレクターが出てきた。


「私は続けますよ!サッカー実況のために頑張って勉強してきたんですから。」


そう、この男はサッカー実況者になるために4年間修行を積み続けたのだ。


「いや、やめなさい!これは業務命令だ。」


「続けますって!視聴者さんの皆さんも応援してくれますよね!」


「するか!こんな意味のない実況を!」


「うぉ!〇〇選手、後ろで歩いております。サボっていr…マイク取るのやめてください!」


「いや、やめません!マイクを返しなさい!」


「そんなことするなら逃げますよ!」


ガタンッ。椅子を蹴り倒した。

走り出した。


「返せぇ〜!」


それをディレクター、カメラマンが揃って追いかける。


「やめt……………」


画面が切り替わり、グラウンドのみを映し出した。


「視聴者の皆様、本当に申し訳ございません。チャンネルを変えずにお引き続き視聴してください。」


〚〚〚おわり〛〛〛


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

馬鹿解説者 架流さん💤 @Povo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説