滅ぼしの龍と甘い珈琲

ただし

第1話 ブロローグ

 開拓の息吹がこだます未開の地。そこを少年はただひたすら、歩く。


 少年は物覚えがいい。

 よって、周りの景色が歩いても歩いても全く変わらないことに少々疑問を抱く。


 何処を見ても、砂、仙人掌サボテン、砂。


 少年は物覚えがいいはずだが、実は過去の事を断片でしか覚えていない。

 故に少年自身は何処か頭を打ったのだろうとしか考えていなかったのである。


 少年は見つけた仙人掌に切れ込みを入れ、布をくくりつける。

 湧き出てくる水を飲みたいのをぐっと我慢し、濡れた布を首に当て、再び少年は歩き出す。


 少年の心に燃えたぎるのは破滅の使命だけ。

 少年が司るのは全ての源。


 少年が始める物語は、いずれ天を穿つ。

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