第四章:革命の序曲

 クロエとエレーヌは、修道女たちとの秘密の集会で、教会の権力者たちを打倒するための具体的な計画を練り始めた。彼女たちは、自分たちが蒐集した情報を基に、高位聖職者たちの弱点を洗い出していった。


「司教は美少年を愛人にしている」


 ジュリーが報告した。


「彼の秘密を暴けば、信者たちの信頼を失うだろう」


「大司教は、豪奢な別荘で愛人たちと酒池肉林の日々を送っている」


 マリーが付け加えた。


「その様子を人々に知らしめれば、彼の偽善が露呈する」


 クロエは頷いた。


「彼らは皆、欲望に溺れている。私たちはその欲望を利用し、彼らを破滅へと導くのだ」


 エレーヌも、自分の役割を理解していた。


「私は司教の側近と親密になり、彼の秘密を暴く手助けをします」


 こうして、修道女たちは自らの肉体を武器に、権力者たちに接近していった。エレーヌは司教の側近を誘惑し、寝室に招き入れた。彼女は男の欲望を巧みに操り、司教の秘密を聞き出すことに成功した。


 一方、ジュリーは大司教の別荘に忍び込み、彼の醜態を目撃した。大司教は複数の愛人を侍らせ、乱交パーティーを開いていたのだ。ジュリーはその様子を克明に記録し、証拠を手に入れた。


 マリーは、ある枢機卿が修道女を妊娠させ、密かに中絶手術を行わせていた確固たる証拠をつかんだ。その事実を暴けば、枢機卿の評判は地に落ちるだろう。


 修道女たちは、それぞれの任務を着実に遂行していった。彼女たちは自らの体を犠牲にすることも厭わなかった。権力者たちの欲望に身を委ね、時には激しい暴力にも耐えた。それは、彼女たちにとって革命のための試練だった。


「私たちは、身を削ってでも戦わなければならない」


 クロエは仲間たちを鼓舞した。


「私たちの犠牲が、新しい世界を切り拓くのだ」


 エレーヌも、己の決意を新たにしていた。


「私は、どんな屈辱にも耐えましょう。私たちの自由のためなら、どんな犠牲も厭いません」


 こうして、修道女たちは権力者たちの弱点を着実に暴いていった。司教の美少年愛好癖、大司教の乱倫パーティー、枢機卿の中絶スキャンダル。次々と、教会の闇が明るみに出されていったのだ。


 その一方で、修道女たちの行動は次第に過激さを増していった。彼女たちは権力者たちを陥れるために、時に嘘をつき、時に誰かを陥れた。道徳的な判断は、彼女たちの中で麻痺していった。


 その麻痺はさらに、彼女たちの情欲がもたらす恍惚を増加させた。もはや彼女たちの中に自分たちを縛る鎖などなく、際限を超えて、限界を超えて彼女たちは悦楽の海に溺れていった。エレーヌとジュリーは生理中だったが、そんなこともかまわずに交わった。むしろ溢れ出る経血が彼女たちを淫猥な高みにいざなった。


 修道院の石壁に囲まれた中庭は、今宵も狂乱の宴の舞台と化していた。月明かりの下、裸体の修道女たちが踊り狂う姿は、まるで異教の儀式のようだった。彼女たちの肌は汗に濡れ、月光に照らされて銀色に輝いている。


 エレーヌとジュリーは、その群れから少し離れた場所で、互いの体を貪るように求め合っていた。二人の体は汗と愛液で濡れそぼり、月の光を受けて艶めかしく光っている。エレーヌの指がジュリーの秘部に触れると、そこからは鮮やかな赤い液体が溢れ出した。


「ああ……エレーヌ……」


 ジュリーの声が夜気に溶けていく。


 エレーヌは、ジュリーの経血で濡れた指を自分の唇に運んだ。

 鉄錆のような味が彼女の舌の上に広がる。

 その瞬間、エレーヌの中で何かが弾けた。

 彼女は獣のような唸り声を上げ、ジュリーの体に舌を這わせ始めた。


 ジュリーの肌の匂い、汗の塩味、そして経血の鉄錆の味。

 それらが混ざり合い、エレーヌのすべての感覚を刺激する。

 彼女の舌がジュリーの腹部を下っていき、やがてその秘部に到達する。


 エレーヌは躊躇することなく、ジュリーの花弁を舌で愛撫し始めた。

 鮮やかな赤い液体が彼女の顔を濡らしていく。

 その感覚に、エレーヌはさらに興奮を覚えた。


「ああ……エレーヌ……もっと……」


 ジュリーの声が夜空に響く。


 エレーヌは、ジュリーの要求に応えるように、さらに激しく舌を動かす。彼女の顔は経血で真っ赤に染まっていった。

 その光景は、聖なるものを冒涜するかのようで、しかし同時に不思議な美しさも感じさせた。


 ジュリーの体が大きく震え、彼女は絶頂に達した。

 その瞬間、彼女の体からさらに多くの経血が溢れ出す。

 エレーヌは、その全てを受け止めた。


 二人は、互いの体を抱きしめ合った。彼女たちの肌は、汗と経血で赤く染まっている。その姿は、まるで生贄の儀式を終えた司祭のようだった。


「私たち……こんなことをして……」


 エレーヌの声には、かすかな罪悪感が混じっていた。


 しかし、ジュリーは優しく微笑んだ。


「これが私たちの本当の姿よ、エレーヌ。社会の規範なんて、もう関係ないわ」


 エレーヌは頷いた。確かに、彼女たちは今、あらゆる束縛から解放されていた。

 社会の道徳観も、宗教の戒律も、もはや彼女たちを縛ることはできない。


 二人は再び唇を重ね合った。

 その口づけは、これまで以上に激しく、情熱的なものだった。

 彼女たちの舌が絡み合い、経血の味が口腔内に広がる。


 周囲では、他の修道女たちも同じように快楽に溺れていた。誰かが悦びの声を上げ、誰かが痛みに悶える。それらの音が混ざり合い、夜の静寂を破っていく。


 エレーヌとジュリーは、再び互いの体を求め合った。

 今度はジュリーがエレーヌの秘部に指を滑り込ませる。

 エレーヌもまた生理中で、その指からは赤い液体が滴り落ちた。


 ジュリーは、その指を自分の胸に這わせた。

 赤い筋が、彼女の白い肌の上に残される。

 それは、まるで芸術作品のようだった。

 そしてそれはどこか呪術師シャーマンの化粧を連想させた。


「私たちの血で、新しい世界を描くのよ」


 ジュリーがささやく。


 エレーヌは、その言葉に深く頷いた。

 彼女たちは今、古い世界の秩序を打ち壊し、新しい世界を創造しているのだ。

 それは、血と快楽によって描かれる世界。


 二人は、夜が明けるまで何度も交わり続けた。

 彼女たちの体は、汗と経血で赤く染まり、月明かりを受けて輝いていた。

 その姿は、美しくも、そして恐ろしくもあった。


 夜明けが近づくにつれ、狂宴の熱気も徐々に収まっていった。修道女たちは、疲れ果てて倒れ伏している。しかし、彼女たちの顔には、これまで味わったことのない満足感が浮かんでいた。


 エレーヌとジュリーは、互いの体を抱きしめ合ったまま、静かに息をしていた。

 彼女たちの体には、無数の傷跡と、乾いた経血の跡が残されていた。

 しかし、その表情は穏やかで、まるで聖女のようだった。


「私たち、もう後戻りはできないわね」


 エレーヌがつぶやく。

 ジュリーは静かに頷いた。


「ええ、でもそれでいいの。私たちこんなに自由だもの」


 二人は、再び唇を重ね合った。

 その口づけは、これまでのような激しさはなく、むしろ優しく、愛おしいものだった。


 朝日が昇り始め、新しい一日の始まりを告げている。しかし、修道院の中では、もはや時間の概念さえ失われていた。彼女たちは、永遠の快楽の中に浸っているかのようだった。


 エレーヌとジュリーは、互いの体を抱きしめたまま、静かに目を閉じた。彼女たちの心には、もはや罪の意識も、後悔の念もなかった。あるのは、ただ純粋な解放感と、これから始まる新しい人生への期待だけだった。



「私たちは、悪徳をもって悪徳に打ち勝つのだ」


 クロエは言った。


「正義のためなら、手段を選んではいられない」


 エレーヌの心に、小さな疑問が芽生え始めていた。果たして、自分たちのやり方は正しいのだろうか。目的のために手段を選ばないことが、本当に革命につながるのだろうか。


 だが、エレーヌはその思いを振り払った。今は戦いの只中にある。自分の役割を全うしなければ、仲間たちに迷惑をかけてしまう。彼女は、心の奥底から湧き上がる不安を押し殺し、与えられた任務に没頭したのだった。


 こうして、修道女たちの革命は加速していった。彼女たちは己の肉体を武器に、権力者たちの堕落を暴き立てた。教会の権威は日に日に失墜し、民衆の怒りは頂点に達しつつあった。


「革命は、もう始まっている」


 クロエは確信を持って言った。


「私たちが火をつけた。あとは、民衆がその火を広げてくれるはずだ」


 エレーヌも、自分たちの行動が歴史を動かしていることを感じていた。しかし同時に、どこかで不安も募っていた。本当にこれでいいのだろうか。私たちは正義のために戦っているつもりでも、その手段は果たして正当化されるのだろうか。


 だが、エレーヌはそんな自問を意識の奥底に押しやった。今はただ、革命のために戦う時だ。自分の役割を果たすことだけに集中しなければ。彼女は仲間たちと共に、権力者たちへの反逆の狼煙を上げ続けた。たとえその先に、地獄が待っていようとも。

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