第12話

**第5の犠牲者のプロフィール**


名前: 山本 直樹

年齢: 34歳

職業: プロ棋士・将棋連盟所属

住所: 沖縄県那覇市


**背景と経歴:**


山本直樹は、将棋界で知られるプロ棋士で、数々の大会で優勝経験がある実力者だった。那覇市で生まれ育ち、幼少期から将棋に親しんでおり、その才能は早くから注目されていた。大学卒業後、プロ棋士としてデビューし、その戦術と冷静な判断力で多くのファンを魅了してきた。


**家族:**


山本は独身で、那覇市内のマンションに一人で住んでいた。彼の家族は那覇市に住む両親と妹がいる。両親は息子の将棋への情熱を尊重し、常に応援していた。


**趣味:**


山本の趣味は、将棋以外にも音楽鑑賞や映画鑑賞があり、特にクラシック音楽を好んでいた。また、定期的に地元の将棋教室で子供たちに将棋を教えるボランティア活動も行っていた。


**人柄:**


山本は温厚で社交的な性格であり、将棋界でも非常に尊敬されていた。対局中は冷静でありながらも、対局後には相手を敬う態度を崩さない紳士的な人物だった。彼はまた、自分の戦術をオープンにして後進の指導にも積極的に取り組んでいた。


**事件の詳細:**


山本直樹は、首里市での将棋大会に参加した後、突然消息を絶った。その後、彼の遺体は首里市の旧刑務所跡地で発見された。遺体の近くには将棋盤が置かれ、その盤上には「鬼殺し」という戦術が再現されていた。これは山本が得意としていた戦術であり、彼の最後の対局の記録を暗示していた。


**調査の進展:**


藤堂は、山本の死の背後に何か重大な秘密が隠されていると感じ、彼の過去の対局記録や関係者を調査し始めた。特に「鬼殺し」という戦術が事件の鍵を握っていると考え、山本の最後の対局相手やその盤面を徹底的に調べた。


山本の将棋教室の生徒たちや、彼と親しかった同僚棋士たちに話を聞くうちに、山本が何者かから脅迫を受けていた可能性が浮上した。山本はその脅迫に屈せず、自らの信念を貫いて対局を続けていたが、結果として命を落とすことになったのかもしれない。


**関係者の調査結果:**


- **山本の最後の対局相手:**

彼の最後の対局相手は、同じくプロ棋士である田中明(たなか あきら)であった。田中は事件当時、自分が無実であると主張し、山本との対局は普通のものであったと証言しているが、藤堂は田中の態度に不審を抱いている。


- **山本の将棋教室の生徒:**

多くの生徒が山本の突然の死にショックを受けていた。中には、山本が何者かに脅迫されている様子を見かけたという証言もあり、藤堂はその情報を元に更なる調査を行った。


- **将棋連盟の関係者:**

将棋連盟の幹部もまた山本の死に深い悲しみを感じており、藤堂に協力的だった。彼らは山本が将棋界に多大な貢献をしてきたことを強調し、彼の死の真相解明に全力を尽くすことを約束した。


**結論:**


藤堂はこれらの調査結果を元に、山本直樹の死の背後にある真実を解き明かすため、さらなる証拠収集と関係者の尋問を続けた。特に、「鬼殺し」という戦術が事件の鍵を握っていることから、山本の最後の対局盤面とその対局相手である田中明との関係を深く掘り下げることにした。


藤堂はこの事件を通じて、橋本隆二の死と山本直樹の死が繋がっている可能性を感じ、両者の関連を探るために新たな決意を固めた。そして、彼は山童の組織と将棋界の深い闇に迫るため、首里市での調査を続けることとなった。


 藤堂は金城町にやって来た。

 首里城公園の南側斜面に位置し、14世紀から19世紀にかけて栄えた琉球王朝時代の城下町である金城町にある。首里城から国場川の真玉橋に至る長さ4 km、総延長10 kmの官道であった真珠道(まだまみち)の一部で、琉球王国尚真王の治世である1522年頃にその建造が始まった。第二次世界大戦の沖縄戦で真珠道の大半は破壊され、コンクリートで舗装されていたが、1983年(昭和58年)に歴史的地区環境整備事業によって再び石畳に整備された。金城町に現存する238mの区間が首里金城町石畳道としてその姿を現在に伝えている。行政上の道路の路線名を那覇市道金城2号といい、別名シマシービラともよばれる。


 藤堂の調査は、次第に金城町の闇へと導かれていった。彼は山本直樹と橋本隆二の死が単なる偶然ではなく、山童の組織による一連の陰謀であることを確信した。これらの事件の背後には、組織が関与している違法取引や権力闘争が絡んでいるのは明白だった。


**金城町での銃撃戦**


ある夜、藤堂は金城町の古びた倉庫で、組織の重要な取引が行われるとの情報を掴んだ。彼は警察と連携し、現場に急行した。しかし、藤堂が倉庫に到着した時、すでに取引は始まっており、組織のメンバーが武装して警戒にあたっていた。


藤堂は慎重に倉庫に近づき、中の様子をうかがった。そこには山童を含む数名の組織の幹部が、違法な取引を行っている光景が広がっていた。藤堂は応援の警察部隊が到着するのを待っていたが、突然、一発の銃声が鳴り響いた。


銃撃戦が始まった。組織のメンバーはすぐに藤堂の存在に気付き、彼に向かって発砲してきた。藤堂は物陰に身を隠し、応戦するための準備を整えた。警察部隊もすぐに現場に到着し、激しい銃撃戦が繰り広げられた。


**山童との再戦**


藤堂は銃撃戦の中で、山童と再び対峙することになった。山童は冷笑を浮かべながら藤堂に向かって言った。


「藤堂、お前がここに来るとは思わなかったよ。だが、これで終わりにしてやる」


山童は手際よく銃を構え、藤堂に狙いを定めた。しかし、藤堂は冷静さを失わず、的確な反撃を行った。二人の間で激しい銃撃戦が繰り広げられる中、藤堂は山童の動きを冷静に見極め、ついに彼の隙を突いた。


藤堂の一発が山童の肩を捉え、山童は苦悶の声を上げながら倒れた。警察部隊は残りの組織メンバーを制圧し、銃撃戦は終わりを迎えた。山童は負傷しながらも、なおも藤堂に敵意を向け続けた。


「藤堂、これで終わりじゃない…俺たちの計画はまだ続くんだ…」


山童はそう言い残し、意識を失った。藤堂は彼を警察に引き渡し、事件の全容を解明するための新たな一歩を踏み出した。


**調査の続行**


藤堂は山童の言葉に不安を感じながらも、彼の逮捕が首里市の平和に繋がると信じていた。しかし、山童の言葉が示す通り、組織の計画はまだ完全には解明されていなかった。藤堂はこれからも、真実を追い求め続ける決意を新たにした。


山本直樹と橋本隆二の死の真相、そして組織の全貌を暴くために、藤堂は更なる調査と戦いに身を投じることを誓った。金城町での銃撃戦は、彼にとって新たな戦いの幕開けとなった。

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