デスペレート・シチュエーション④首里殺人事件

鷹山トシキ

第1話

 9人死亡

 首里は、沖縄県那覇市の一地域。那覇市の北東部を占める。かつて首里市(市制施行前は首里区)だった地区である。また、さらに以前は首里城を中心とする琉球王国の王都として栄えた。


 隆起石灰岩を基礎とする高台となっており、最高地点は弁ヶ嶽(165.6m)である。サンゴを成因とする石灰岩は雨水の透水性が高く、沖縄本島は干害に悩まされてきたが、首里一帯ではその下に地下水を通しにくい泥岩層がある。このため那覇市で約120ヵ所ある湧水や井戸の多くが首里に所在し、こうした水の便が王都が築かれた理由の一つと推測されている。また、泡盛の名産地となっている。


 抜100メートル程度の高台となる立地を活かし、NTTドコモの首里収容局、エフエム沖縄新川放送所、移動無線中継局などの無線送信・中継の拠点がある。なお、かつては崎山町に沖縄テレビ・ラジオ沖縄の放送所もあった。


 2006年6月12日、首里鳥堀町で大雨による大規模な地盤沈下が発生し、上部にあったマンション敷地に陥没が生じ、居住不能となった。


 高地:虎頭山、ハンタン山(~上の毛、現・首里城内)、弁ヶ岳(那覇市最高点:165.6m)、御殿山

 河川:真嘉比川(→安里川)、安里川、安謝川


 ある日、沖縄県那覇市の首里城周辺で突如異常現象が発生した。天空に巨大なゲートが開き、未知の世界と繋がってしまった。このゲートから、異世界の怪物や謎の兵士たちが次々と現れ、街はパニックに陥る。


 首里城の管理を担当している藤堂は、この異常事態に対応するために立ち上がる。彼は元自衛隊の将軍であり、その経験とリーダーシップを生かして市民の避難と防衛を指揮する。


 一方、陸運局では、職員たちが普段通りの業務を行っていたが、ゲートから出現した怪物たちに襲撃される。局内で働くウジ虫のような臆病な新人、松田は、パニックに陥る職場で必死に生き延びようとする。彼は偶然にも、ゲートの謎を解く手掛かりとなる古代の文献を発見する。


 同時に、ゲートから現れる怪物たちは、人々に謎のウイルスを広めていた。感染者は凶暴化し、人々を襲い始める。このウイルスは、俗に「クソゲーウイルス」と呼ばれ、その対策法が急務となる。


 藤堂将軍は、松田と協力し、首里城に潜むゲートの秘密を解明するために動き出す。彼らは、古代の文献に記された「闇の軍勢」を封印する方法を探し求め、異世界の力に立ち向かう。


 藤堂将軍は宗一郎から将棋の技を学ぶ過程で、特に「相掛かり」という戦法に興味を持った。相掛かりは両者が歩を交換し、激しい攻防が展開される戦法であり、藤堂将軍の戦略的思考に合っていた。宗一郎の指導のもと、藤堂は相掛かりの基本とその応用技術を習得し、それを実戦に活かす方法を模索し始めた。


 ある夜、首里城の一角で、藤堂将軍と宗一郎が将棋盤を囲んでいた。宗一郎は相掛かりの奥深さについて語り、藤堂に次々と新しい手を教えた。藤堂はその技術を、ゲートから現れる怪物たちとの戦いにどう応用するかを考えていた。


 翌日、首里城の周辺で再び怪物たちが現れた。藤堂将軍は宗一郎の教えを思い出し、相掛かりの戦法を実際の戦闘に取り入れることを決意した。彼は部下たちに指示を出し、相掛かりのように互いに連携し、敵の動きを読んで効果的に対処するように命じた。


 この新しい戦略は見事に功を奏し、怪物たちの進行を食い止めることに成功した。藤堂将軍の指揮のもと、兵士たちは統制の取れた動きで怪物たちを次々と倒していった。宗一郎はその様子を見守り、将棋の戦法が現実の戦闘で役立つことに感嘆した。


 戦いの後、藤堂将軍と宗一郎は改めて話し合った。藤堂は「お前のおかげで、我々は一歩前進できた。相掛かりの戦術はまさに戦場での命を救った」と感謝の意を表した。宗一郎は謙虚に「将棋はただの遊びではなく、戦略と思考の訓練だ。これからも共に学び、街を守っていこう」と応えた。


 首里城に平和が戻った後も、藤堂将軍と宗一郎は定期的に将棋を指しながら、新たな戦術を考案し続けた。二人の友情はますます深まり、彼らの知恵と勇気は那覇市の市民にとって希望の象徴となった。


 藤堂は息抜きの為にアンコールワット遺跡を旅した。バンテアイ・スレイ(女の砦って意味がある寺院。デバターという女神像のレリーフは見事)、ベンメリア(深い森の中にある遺跡)、トンレサップ湖などを見た。

 湖の広大さとその上に浮かぶ村々の光景は、彼に新たな視点を与えた。藤堂は、異なる文化や生活様式に触れることで、心が洗われるような気持ちになった。旅の途中、藤堂はカンボジア料理にも挑戦することにした。現地の市場を歩き回り、さまざまな食材や料理を試してみた。中でも、雷魚をココナッツミルクで蒸し上げた「アモック」は特に印象深かった。その豊かな風味と絶妙なバランスは、藤堂の味覚を大いに満足させた。夕暮れ時、藤堂はアンコールワットの壮大なシルエットを背景に、静かに佇んだ。過去の戦いを思い出しつつも、未来に向けた新たな決意を胸に秘めた。旅を通じて得た新しい知識や経験は、彼にさらなる力と知恵をもたらした。日本に帰国した藤堂は、宗一郎と再会し、旅の思い出を語り合った。宗一郎は「アンコールワットで得たものは、きっと我々の未来に役立つだろう」と言い、藤堂も「確かに、この旅で心も体もリフレッシュできた。新たな挑戦に備えよう」と応えた。


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