海に呑まれて Overwhelmed by the sea
瀧道灰汁
海に呑まれて Overwhelmed by the sea
海に呑まれて
ひたすら同じ世界が続いている
なんて思うわけがない
海の濁り、海の香り、海の揺らぎ
どこを一つとっても同じ世界が繰り広げられるわけがない
あいつはそこにいる だから逃げて
獲物はあの付近にいる だから追って
それの繰り返し
けど繰り返しなんていう余裕はなくて
ひたすら目の前の生を全うする
赤く濁った海は生命の躍動のように
海を語る上では欠かせないものに違いなくて
けれどそれらは澄んだ青にすぐ消されてしまうんだよ
だからもっと真紅的に染めなきゃ
今日も明日も違う景色が広がっている
君は上に向かって海を越えていく
自分はそんなことをしなくても息ができるから
海のその先を知ることはないけれど
君に少し嫉妬してしまうみたい
海だけで満足できないなんて傲慢だよな
美しい海の上には何が広がっているのだろうか
きっと素晴らしい光景が広がっているのか
今度君に聞いてみるよ
またこの広大で果てしない海で会えたらね
Overwhelmed by the sea
The same world continues endlessly.
I can’t think of it.
Muddy of the sea. Smell of the sea. Swinging of the sea.
No matter where you are in the sea, the same world can‘t be unfolded.
The enemy is there, so escape.
The prey is in the vicinity, so I’ll follow it.
Repeat it.
But I can’t afford to consider it to be repeating.
Complete my life in front of me endlessly.
The red muddy sea is like the dynamics of life, and it must be indispensable when talking about the sea.
But it is quickly erased by the clear blue.
So, I must dye it more scarlet.
Different scenery is spreading today to tomorrow.
You can cross the sea upwards.
I don’t know scenery over the sea, because I can breathe without doing that.
But I feel a little jealous of you.
It’s arrogant that I can’t be satisfied with the sea alone.
What is existing over the sea?
I’m sure it’s a wonderful sight.
I’ll ask you next time.
I wish I could meet you again in this vast, endless sea.
海に呑まれて Overwhelmed by the sea 瀧道灰汁 @MayoidoriTaki
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