ネッ友と怖い話
ネルと適当に会話していた陸は突如こんな事を言い出した。
『そういや、最近あんまり怖い系のテレビ番組見てないな』
『急だね』
『いつも通りいつも通り、それでさ、怖い系の動画とかテレビって無性に見たくなるよね』
『いや、僕...怖いの苦手で...』
『なるほど...っておい、今やってるゲーム言えよ』
『え?夜遊びだけど』
夜遊びは有名なホラーゲームであり、主人公の少女を操作して夜の街を歩き姉を探すという内容だ、作品に出てくる怪異は何かしらの【遊び】がモチーフであり、その怪異の元となった遊びと関連する動きやアイテムを使うとこで回避できるのが特徴だ。
例えば鬼ごっこだと単純に逃げる、隠れんぼだと見つからない、けんけんぱだとボタンを推す順番を間違えない、ベイゴマだと弾き飛ばす、竹とんぼだと高く飛ばしてそっちに注意を引く...など、適切に処理しなければならないのだ。
『ホラーゲームじゃねえか!』
『だ、だけど、このゲームに出てくるキャラ可愛いじゃん!』
『...どれ?』
『た、
竹羽はさっきの例に上げた竹とんぼモチーフの怪異であり。
普通の状態の見た目は見た目は背が少し高く背中からトンボの羽が生えている、真っ黒な小学生なのだが、主人公を見つけると、目がトンボのようになって、背中の羽が動くと同時にどんどん首が浮かび上がるという若干シュールな怪異であり、可愛いと感じる人は少しいるだろうな..という見た目だ。
次に文字狐はコックリさんをモチーフとした怪異であり、学校ステージのボスでもある。
最初真っ黒な文字がびっしりと浮かび上がっている大きな狐なのだが、ダメージを与えると豚の顔が狐の顔の横に現れ、狐の足のひとつが半分食われたような豚の足になり、次にダメージを受けると牛、鳥、と顔が増えて体が変化する怪異だ。
『竹羽は少しわかる、見つけてない時とか、竹とんぼ飛ばした時にじーっと竹とんぼに集中する顔が可愛いのもわかる...でも、文字狐は可愛いか...?』
『倒した後、鳥居が出てきてそこに帰って行くシーンとか可愛くない?』
『..いや、ぜんぜん』
『そうかなぁ...あ、そう言えばクタさんは好きなホラーゲームないの?』
『そもそもやった事ないし...あと、怖いの苦手』
『え?でも、ホラー番組とか怖い動画みたくなるって..』
『見る分にはいい...けど、ホラーゲームした瞬間テンパって捕まったり、あと追われる系が苦手..』
『なるほど...なら、今からおすすめホラーゲーム教えるからしてね』
『ネルさん?』
『ホラーゲームの素晴らしさを教えたいからさ!』
『ネルさん?!』
『安心して、ゲーム機にいま1000円ぐらい残ってて何買おうか迷ってるの知ってるから!』
『なんで知ってるの?!こわいよ?』
『それじゃ買ってやってね!あ、チャットで実況してもらうから!』
『まって?本当に待って!?』
陸は(ネルって、ホラー系とっても好きだし、関わったらグイグイ来るんだなぁ)と意外だなと思いながら(現実逃避という)買わされたホラーゲームを泣く泣くプレイするのだった。
(プレイ中、何十回か泣いた)
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