題名未定

@amewoorewa

第1話その少年

 ―その世界には特別な力が存在した。その種類は様々で家事や農耕、戦闘皆がそれぞれで生活を豊かにしていた。


「おぎゃぁぁぁぁ」


 大きな産声が空を舞い大地を駆けた。


「おめでとうございます!!男の子ですよ。シャーロット様」


 ―7年後


「グラグ様~!!運竜様がお待ちですよ~」


 ―この世界では7歳を迎えたときに自身が持っている加護を調べる仕来りがある。 

 そしてこの少年グラグ・ネイト・ランドにもその日がやってきた。


 扉を挟み少しこもった声が部屋に響く。急いで引き出しを開けて着替える。


 飛び込むように扉を開けて、門戸へ向かう。


「グー!」


※「グー」は母シャーロットがグラグを呼ぶ時

  の愛称


「はい‼」


 シャーロットからの突然の呼び掛けに声が裏返る。

 シャーロットはゆっくりと歩み寄りグラグの体に触れる。グラグの服を整えながら続ける。


「いい?グー。あなたが例えどんな力を持っていても持っていなくても、あなたはグラグ・ネイト・ランド。驕らず、諦めずに生きるのよ。」


 いつにない真剣な面持ちに少し動揺しつつ答える。


「はいお母さん。僕はこの名に恥じない男になります」


 シャーロットはゆっくりグラグを抱き寄せる。しばらくの沈黙の後、再び顔を合わせる。真剣な顔を崩し、優しく笑う。


「じゃあ、行ってらっしゃい!」


 グラグはその顔に負けない笑顔で答える。


「行ってきます!」


 母の元から勢いよく離れ、運竜へ走る…続く

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