戦闘力ZEROの裏切者

白雪れもん

第1話戦闘力表示

この世界。戦闘力が低いものは見下される運命なのだ。

高校生平均戦闘力は500から550。男女共にだ。

だが俺の戦闘力は下の中の下150だ。

クラスには600や700が普通だ。俺は虐められ、見下させる絶好の存在って訳だ。

「戦闘力低い通し仲良くしようぜ!」

こんな言葉を聞いたら信用しない方がいい。

戦闘力は、己の全部や物理攻撃の威力によって変化する。

たとえ物理攻撃の威力が低くても、潜在能力が高ければ戦闘力は上がるのだ。

戦闘力は500を超える度に1つの能力を体に刻むことが出来る。

だが潜在能力が相当低い場合、能力を身につけられず、単に物理攻撃が高いだけのゴリラになってしまうということだ。

都立南鹿島進化高等学校。

戦闘力進化の最前線にたつ高等学校。

何故俺のような雑魚が入れるのか、あいつが名門の格を提げているなど散々言われているが、俺は気にしないこともまた才能だと思う。

「大江行浩之」これが俺の名前。

戦闘力は150。いわゆるクソザコ。だが違う。

それは後々にわかる事だから特に話す必要は無いであろう。

この学校は、勉学などは勿論だが、主に戦闘力強化進化訓練のための授業が多い。

勉学なら都立潜在能力強化高等学校に入学するのがこの世界の頭が良い奴。

少し昔だと東京大学と言えばいいかな。

この学校は戦闘力によってクラスを振り分けられ、1〜4までのクラスに分かれている。

1は戦闘力600以上。約20人のクラス。

2は戦闘力400以上。約60人のクラス。

3は戦闘力300以上。約30人のクラス。

4は戦闘力200以下。約10人のクラス。

これはなんのクラスかと会うともちろんのこと1年4組。最低クラスだ。

理由は単純明確。潜在能力と物理攻撃が圧倒的に低いからだ。

「おはよぉ!浩之!相変わらず死んだ魚の目してんな!」

こいつは中学からの友達。いわゆる腐れ縁。

名は「堀川彼方」戦闘力は150。俺と同じ。

あと一人の「梶谷祐介」って戦闘力150の奴がいるんだが、あいつは早く来て図書室に言ってホームルームチャイムのギリギリまで粘って教室にやってくる。だから今はいない。

「ホームルーム始めるぞー」

担任の声とともに扉を開けて何事もないかのように祐介は席に座る。

「毎年恒例の戦闘力発揮体育祭が近ずいてきた。お前らは初めてだが、テレビ中継で見たことがある奴らもいるだろう。」

戦闘力発揮体育祭。

その名の通りに戦闘力を発揮する体育祭がある。

体育祭はテレビ中継で全国に放映される。それはこの南鹿島進化高等学校以外には例を見ない。

「今からホームルームの時間を使って担当競技を決めてもらう。じゃ学級委員。よろしく。」

「はい!では、何か担当決めに意見がある人はいる?」

この爽やか系の男は学級委員の「指川甚佐」

戦闘力はクラスナンバーワンの200。

「はい。あみだくじでいいんじゃないんですか?それか希望にそって話し合いだけど、ホームルームの時間と休み時間を削ることになるから、早めに決めた方がいいと思う。」

「なるほど、いい案ですね。あみだくじに反対な人!」

「異議なーし」

クラス全員がだらしなく眠そうな声を一斉に出す。

「じゃああみだくじにしまーす。」

競技は個人競技が3つ。

クラス全体競技が2つ。合計で5つの競技を行う。

個人競技は障害物競走。だが普通の障害物競走とは訳が違う。

学校内に置かれた戦闘力進化訓練のために置かれた擬似型都市を使って破壊OK。殺人。他クラスの生徒を傷つける物理攻撃以外ならなんでもOK。

個人競技2つ目はリレー。

これは普通の物理攻撃に使う筋肉を活用する。

本来なら全員競技らしいが、この学校は一味違う。

3つ目は潜在能力強化兼物理攻撃強化目的としたフラッシュ暗算。

正直一日目にやる競技は前座のようなもんだ。

2日から5日目の4日間で行われる全体小笠原諸島全体のサバイバル能力強化。

全体競技のひとつの中に2つ目の競技が入っているが、それは競技中に発表されるランダム形式らしい。

「決まりました!えーっと!」

ぼーっとしているうちに話が終わっていたのか。

「浩之君は、障害物競走だって!がんばって!」

はぁ、頑張るも何も、1位になれば終わるだけの簡単なこと。


2週間後。


「これより!戦闘力発揮体育祭!開会式を始めます!」

時が流れるのが早いな。俺の競技は1番最初だ。

まぁ1位になればいいだけ。

戦闘力は500を超えるとひとつの能力をら身につけることが出来る。

そんなことを言ったな。

俺の正式な能力値は30000。4クラスの中なら高い方だ。

ほかも指川も15000。祐介は25000。

そう。4クラスは戦闘力がカンストしてオーバーしてしまった者達がたまたま能力に力を委ねて戦闘力が低く表示されて、最低クラスになった人達の集まりなのだ。


-才能は隠すのにも卓越した才能がいる。-


これは、卓越した才能の集まりが才能を隠して成り上がっていく物語だ。

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