動き続ける心と心の距離を求めなさい
シファニクス
序章 グラフ上の点
第1話 グラフ上には二つの点がある
「ねえ
「え?」
教室の中で
四月前半、新年度になってから数日が経った頃。学年がひとつ上がって高校2年生となった
そんな中だったので、当然
「えっと……」
「あ、
「そうだけど……」
「私、アニメだけだけど見てるんだ。最近第2シーズンが始まったでしょ? ねえ、今期のアニメ、他に何が面白いのか教えてよ」
「……いいけど、すぐにタイトル出てこない。また今度でいい?」
「教えてくれるの? ありがと! あ、だったらさ、帰ってからチャットで教えてよ。これ、やってるでしょ?」
「やってる」
「よかった! じゃあ、このQRコード、読みこんでよ」
「……分かった」
言われるがままにスマホを取り出し、数日ぶりにチャットアプリを開く。そしてフレンド登録画面に移る。それから
「わっ、ありがと。それじゃあよろしくね、雛沢君!」
「……覚えてたら」
「うん、それでいいよ。じゃあまたね」
ボブカットの女子生徒、新嶋
容姿はどちらかと言うと整っている。いや、もしかしたら可愛いのかもしれない。誰かの顔を見るときに、薄っすらとフィルターがかかって見える
中肉中背、で合っているのだろうか。秀でたところは無くとも、欠けているところがほとんどないような、そんな人に見えた。
これが
ここに、2つの点が生まれた。
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