全ヒロインが幸せになれないエロ鬱ゲー世界のモブに転生したので俺がヒロインを幸せにします
ニンジン
プロローグ
『ひとかけらの幸せ〜A piece of happiness〜』そんな名前のエロゲーが存在した。
このエロゲーは有名なシナリオライターやイラストレーターを起用しているということもあり、発売前からネットでなにかと騒がれていたのだが、発売されてからは一変し、別の意味で騒がれることとなった。
なんでかって? それはメインヒロイン、サブヒロインを含めた全員のヒロインがそれぞれのルートで必ず死に誰1人として幸せになれないからだ。
このエロゲーのキャッチコピーは『あなたは
発売前から期待されていたこともあり、買う人も多くいたのだが、ヒロインが死ぬというシナリオに耐えられずに投げ出した人もいたくらいだ。
しかし、俺は違った。せっかく買ったのに全てのルートを見ないのは失礼だと思い、メインヒロイン、サブヒロイン全員のルートを俺は見たのだが、それはもう形容し難いものだった。
前述した通り、ヒロイン全員が死ぬ。それも惨たらしい死に方で。
それだけならまだいいかもしれないのだが、その惨たらしい死に方のシーンのイラストがとてつもなく鮮明に描かれているのだ。
俺は最初のヒロインを攻略したときにそのシーンを見て吐いた。もともとグロいのに耐性があるわけでもないし、鬱ゲーとかもするようなタイプではなかったので、本当にきつかった。
それでも俺は諦めずに全てのルートをクリアした。
普通の人ならそれで満足したのかもしれない。しかし、俺はそんなんじゃ満足できなかった。本当は幸せになれるルートがあるんじゃないかとあーでもないこーでもないと何回もプレイしながら探し続けた。
それが祟ったのだろう。俺は志半ばで死んでしまった。
◇
俺が目を開けると知らない天井だった。というかおかしい。俺はあの時死んでしまったはずなのに意識がある。
状況が掴めず混乱する俺だったが、とりあえずベッドから起き上がることにした。
ベッドから起き上がったと同時にとある記憶が流れ込んでくる。自分の知らない記憶。とある男の15年間の記憶だった。
この記憶について俺は全くわからない。わかったことといえばその男の名前が
その記憶に関してはまぁ…置いておくとしてまずは自分の状況から把握しようじゃないか。
とりあえずここは病院ではないらしい。それに俺の部屋でもない。というかこの部屋さっき流れ込んできた加賀剣人の記憶にあったな。
ということはここは加賀剣人の部屋なのではないか?
いやいやいや…そんなことがありえるのか? ありえたとしてそれはラノベだけの話じゃなかったのか? いやまだそうと決まったわけじゃない。
鏡だ。鏡を探そう。洗面所に行けばあるはずだ。
そうして洗面所に来たわけなんだけど、思ったとおりだった。俺の姿は加賀剣人の記憶で流れてきた加賀剣人の姿そのままだった。まぁ…知らない家なのに洗面所の場所がわかっていた時点でそんな気がしていたんだけどね。
これは転生というやつなのだろうか? 魂が憑依したとかそういう系の話という可能性もありえる。だってこの世界は俺が元々いた日本そのものだ。よくあるラノベの話だと異世界に行ったりするものだが、俺の場合全然違う。とりあえず、転生ということにしておこう。
それにこんなことに遭う覚えもない。いや…待てよ? この記憶があっているのか分からないけれど、俺の記憶が正しいのならこんなことになっていてもなんらおかしくはない。
俺が死ぬ前に見た画面の文字。あれは何回も何回も全てのルートを見てきた俺でも見たことがなかった。
あの画面の文字は確か
「あなたなら彼女達を幸せにできますか? 」だったはずだ。
何かあったとするならこの一文に違いない。あのエロゲーのキャッチコピーに似ているあの一文。この文は俺に彼女達を救おうとさせているのだろうか? 真偽はわからない。
しかし、俺がここにいるということは意味があるのかもしれない。それに、なんの因果かこの加賀剣人はあのエロゲーの舞台となる
同じ赤星学園かどうかはわからないけれど、行ってみる価値はある。なんなら、俺が乗っ取ってしまった加賀剣人の元の人格の分も楽しんでやる。ここがあのエロゲーの世界じゃなくてもな。
―――あとがき―――
どうもにんじんさんです。
新作を書き始めることにしました。この作品はもう一つの作品と違い結構重めな感じになります。というかメインヒロイン、サブヒロイン全員可哀想なんですよね。自分でも設定考えてて辛くなりました。
どうやってヒロイン全員を幸せにするのか楽しみにしながら読んでください。
今後も頑張りますのでもし面白いと感じたらフォローや☆、感想を書いてくれるとモチベに繋がります。
至らぬ点などがありましたら、その報告もしてくれるとありがたいです
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