中学時代

長月いずれ

第1話 手を繋ごう

中学に入学して、半年。生まれて初めての彼氏ができた。同じテニス部の先輩だ。

「陽太さん」

部活終わりにこっそりと通学路の隅で待ち合わせて、2人で帰る。

付き合ってまだ1ヶ月。デートらしいデートもしたことはないけど、2人で帰るこの時間が大好きだった。

「手、繋ぐ?」

陽太さんが周りに誰もいないことを確認して、手を差し出す。

私は素直にそれを握り返した。

真夏の夕焼けが私たちの体温を上げても、汗ばんだ手を離す気はない。

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中学時代 長月いずれ @natsuki0902

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