第20話色々とわかって来た

ミーシャを巻き込んでから半年経過。色々教えてくれて情報が増えてきた。


ここはウエストランド王国ディノスレイヤ領。父親のアーノルドが領主だ。王国内でいちばん西側に位置している田舎領。


父アーノルドと母アイナは魔物退治を主とした元冒険者だったそうで、王国でも1、2を争う凄腕6人パーティーだったらしい。ちなみに元々この辺りにあった村の出身で二人は幼なじみなんだそうな。


10年ちょっと前に突如現れた「ディノ」と呼ばれる狂暴な魔物が村の近くで暴れだし、そのディノを父達のパーティーが退治に成功。魔物は様々な素材として取引され、それを売った金額が冒険者の儲けになるのだが、前代未聞の魔物だったディノは価値がどれほど高額になるか査定ができず、国が引き取ったとのこと。


値段が付けられない代わりに、爵位とこの領地、家名を王様より賜ったと・・・


ディノは魔物の名前でスレイヤはドラゴンスレイヤーとかのスレイヤか。それでディノスレイヤ・・・


深く考えるのは止めよ


前の領主というか村長なのかわからんがどうしたんだろう?と思ったら、ディノが現れた時に一目散に逃げ出して居なくなり、ディノが退治された後も帰って来ないみたいだ。食われたのかもしれんね。


で、父の仕事は領主として領の発展や税の徴収、住民の管理とか行政的な仕事だな。母は冒険者時代にヒーラーとして活躍。アーノルドと結婚して自宅で治療院みたいなことをしてるのか。なるほど。


ミーシャが家で働くきっかけとなったのも、ミーシャの父親が病気で治療院に運びこまれるも魔法では治らず亡くなってしまい、泣きじゃくるミーシャを見かねてアイナが雇うことを決めたようだ。


だいぶ家のこととか分かってきたな。


この世界も1年365日、12ヶ月。但し、1ヶ月は30日固定。1週間は6日で毎月5週。


12月30日で1年が終わり、残り5日は日付が無い。4日間が感謝の日、残り1日が始まりの日となるらしい。


1日は何時間とかではなく、日の出に1回目の鐘がなり、それからだいたい2時間毎に鐘が鳴る。1の鐘、2の鐘というのがこの世界の時間。日が沈むと鐘は鳴らない。多分鐘を鳴らすタイミングは日時計で管理しているのだろう。


日本みたいに秒単位で行動する必要のない世界だ。自殺も少ないだろう。


通貨は

銅貨:100円

銅板:千円

銀貨:1万円

銀板:10万円

金貨:100万円

大金貨:1000万円


日常では銀貨までしか使わないらしい。ミーシャは金貨とか見たことすら無いって言ってたからね。


銅貨未満の安価なものはどうするのかと思ったら、銅貨に値するまで量を増やすか、物々交換にするんだと。


まぁ、自分でお金を使うのはまだ数年先だろうから、それから覚えたらいいや。


学校は義務教育、中等教育、専門教育がある。


義務教育:8才と9才の2年間、学費は無料。


中等教育:10才と11才の2年間。

貴族や裕福な家庭の子供がいくらしい。学費がかかるが、ミーシャは義務教育しか行ってないのでわからないとのこと。


義務教育と中等教育は2の鐘から4の鐘まで。いわゆる午前中だけってやつだ。


専門教育は何もわからないみたいだ。


いま分かってきたのはこのへんか。


ミーシャよありがとうね。



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