第19話 非日常
高ノ宮side
あたしは今なんでシャワーを浴びれているのだろう
あたしはなぜ安心して眠れているのだろうか
温かい湯舟につかりながら
そう考える
思い返すと
とある事情であたしは家出することとなった
怖かった
あたしに味方なんていないし
行く当てもない
あるのは財布に入っている
数枚の小銭と
何枚かの札
一日2食としても
数週間もすればなくなる金額だった
あたしはとりあえず今日寝れるとこを探そうと思った
だけど全然見つからない
ネットカフェは高いし
ホテルに泊まるのも高すぎる
かといって男に頼んで家に泊めてもらっても
最後には体を売る羽目となる
そんなのは嫌だ
そんなことを考えているうちに公園についた
そこには黄色いテントが建っていた
あたしはそのテントを見つけると
一つの考えが生まれた
行く当てもないなら奪ってしまおうかと
正直なところ
あたしは暴力に躊躇がない
もともとボクシングとか
そういう武術系なものは好きだし
実際に習っていたので
ここらでは負けなしだった
だからあたしには関わりを持ってくれる人がいない
寄ってくるのはあたしの体目当てなやつだけだ
あたしはその武術をいかし
テントの中にいた人を見事ボコし
テントを強奪することに成功した
罪悪感とか毛頭ない
だって人を殴ったりするのが
日常だったからだ
あたしのテント生活が始まった
正直
最初は辛かった
非常用飯はおいしくないし
シャワーだって浴びられない
テントの中は地味に蒸し暑い
それでもあたしは耐えなくては
ならなかった
テント生活で数日がたった日の夜
あたしは蒸し暑いのが嫌で
ベンチで寝ることにした
誰か来ても返り討ちにできる
自信はあるし
まず
誰も声かけてこないだろうと思った
そんな時にあたしに声を掛けてきたやつがいた
そう
あいつはあたしに親切心で声を掛けてくれたのに
あたしはあいつに対してやってはならないことをしてしまった
そう、それは
あたしの勝手な誤解であいつの腹に蹴りをいれるというものである
でもあいつはそんなあたしを家に招いてくれた
ご飯もごちそうしてくれたし
風呂も入れてくれた
あたしは久しぶりに生きた心地がした
でもこんないい思いをしたら
またテント生活に戻りたくないと
思ってしまう
そしてあたしは図々しいことに
ここにしばらく泊めてくれと言った
普通はこんなやつ
早々に家を追い出しているところだろう
だがあいつは追い出すどころか
OKまでしてくれた
その時
あたしはこの家を奪ってしまおうかと考えていた
今考えると馬鹿な考えであった
...別にその考えが無くなったという訳では
ない
だがそれを実行するのは今じゃない
あたしがこの家を追い出されたとき
にしようと思う
...あたしはなぜ
あの夜にあいつをこの家から
追い出さなかったんだろう
この家を強奪するチャンスは
いくらでもあった
あたしは警察を呼ばれても
怖くはない
理由は特にない
だがなぜか怖くはない
家が手に入るならなんでもする覚悟だった
そんなあたしはなぜ
あいつが背をむけていたのに
そのまま安心して眠ってしまったのだろうか
あたしはなぜ
この家...いや
この人といると
暴力に罪悪感が生まれるのだろう
...体も温まったしそろそろ上がるか
あたしはいろいろな疑問や
いろんな感情が混ざった気持ちの答えが見つからないまま
風呂場の戸を閉めた
...........................................................................................................................................
朱華ナツメです(。・∀・)ノ
初めの高ノ宮sideです!
まぁまぁ~暴力的な高ノ宮です
それでも愛してやってください
これからも高ノ宮sideをやることがあると思うので
よろしくお願いします!
この次の話はキャラ紹介にしようと思います
理由は特にないです
休憩みたいな感じです
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます