第22話 聞けなかった事

葉月夜子は

ファーストフードと雑貨屋を辞めて

仕事を夜だけにした

夜だけで充分な収入になっていたので

昼間に働く必要が無くなった


夜子は

夜の仕事は今しか出来ない事だと感じていた


これまでに沢山のホステスを見てきた


若さという武器が使えなくなってからも

その世界で生き続けられるのは

ほんのひと握り


夜子には店を持つ夢も器量もない

綺麗と言われるのは多分今だけだ


いずれ誰かと出会い、結婚をして

家庭に入って幸せな奥さんになる

それが相応の未来だろう


そんな事を考えながら

水無月歩夢との帰り道を思い出していた


あゆむは想像していた何倍も

優しくて魅力的な人だった


これまでに付き合ってきた男達とは

明らかに何かが違う


夜子は次にあゆむと話す時は

菜々の事を聞いてみようと思った

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