第3話 二つの月世界 東の月の都と、西の月の都
世界リーリアには、地上と、月世界の二つが存在した。そして、この世界には、月は2つ存在した。
月世界には、東の月と西の月、が存在した。
東の月の都には、ヴェロニカが、西の月の都には、アイレスとディアスが住んでいた。
2つの月は、午前0時と午後0時に交差していた。その間、月の使者に連れられて、東の都の人と、西の都の人は、会うことが許される。
ヴェロニカは、毎日午後0時、朝の公務を終えた後、婚約者のアイレスに会っていた。
ヴェロニカには、世界リーリアでの親族がいた。姓がほんの少し違ったが、いとこという扱いで、名前を、キルティアとセンディーヌと言った。
(この世界に来てから、もう5年はたつけど、)と、城の窓の外を眺めながら、ヴェロニカはぼんやりと考えた。
(そろそろ、アイレスと結ばれてもいいころよね)と、ヴェロニカは考えていた。
しかし、アイレスは、ヴェロニカに、「焦ることはない、俺よりいい男が見つかるかもしれない、」の一点張りだった。
「ルーシェ、」と、ヴェロニカは執事呼び出しボタンを押して、ヴェロニカの指導係兼執事でもあるルーシェという男性を呼び出した。
「姫様、およびですか」と、ルーシェが敬礼してヴェロニカの部屋に入って来た。
「ルーシェ、今日もアイレスに会いに行くわ」と、ヴェロニカが言った。
「かしこまりました、ヴェロニカ様。では、お召し物の準備を」と、ルーシェが言った。
ルーシェが、一礼して部屋を出ていった。
「あら、ヴェロニカ、今日もアイレスと??」と、センディーヌ。
「アイレス様と婚約してるもんね」と、キルティアが微笑む。
「ありがとう、キルティア」と、憂鬱そうにヴェロニカが言った。
この3人は親友の誓いを立てていた。この世界が終わるまで、ずっと仲良しでいよう、と。
キルティアもセンディーヌも、既婚だった。
「結婚式は、次はあなたの番よ、ヴェロニカ」と、センディーヌが言った。
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