終末ループ
真城しろ
第1話 きっと、僕達にとって平和な日常は当たり前で。
地球の寿命ははあと30億~50億年くらいらしい。そんなことが書かれたブログを見つけた。更新日は2014年5月。
今は2024年だから今で言うとあと、、、と一瞬だけ考えたが、その計算がどれだけ無駄なことであるか気づき、計算をやめた。それくらい途方もなく先の話だが、それでも1日1日、世界の終わりに近づいているのは事実で。その時ふと思った。
世界の終わりに、人類はどうしてるのかなって。
犯罪のオンパレードなのだろうか。
みんな散財しまくりで、有名ブランド店がボロ儲けだろうか。
それとも、技術の進歩の中で、何とかなるようになっているのだろうか。
俺は考えても無駄だと、スマートフォンのスクリーンを切り、明日の入学式に向けて早めに眠りについた。
~~~
「今日から高校生か」
2024年4月。
俺、
校門の正面には、校舎というよりも、市役所や大学の建物に見えるような大きな4階建ての建物が、この学校の規模を周囲に知らしめるかのようにそびえたっている。
「ちょっと翔君、先先行かないでよ~」
そう言って俺の後を追ってきたのは
小柄で、幼い顔つきに、そんな容姿からは想像もつかないような豊満な胸に、藤色のサイドテールが特徴的だ。こいつとは所謂幼馴染という奴で、かれこれ10年以上の付き合いになる。
「悪かった」
「え?それだけ?」
「すいませんでした」
「よろしい」
と、そんな会話をしつつ、たどり着いたのは中庭に掲載されたクラス分けの表。
「あ、翔君私とおんなじクラスじゃん」
そう言われて表を確認すると、俺の4つ上にこはるの名前が載っていた。
「1年間よろしくね?翔君?」
「どうせ、クラス違くても家まで迎えに来てただろ」
「それはそうだけど、、、素直に喜ぼうよ~」
「まあ、クラスで独りぼっちとかにはならなさそうで安心はしたよ」
そう言うとこはるはにっと笑って見せた。
「楽しみだね、高校生活」
俺が教室に向かって歩き始めると、こはるが俺のすぐ隣をついてきた。
「まあ、多少はな」
そうして俺たちは二人で教室に向かった。
~~~
「や、やあ。こんにちは。あ、奇遇だね!!お揃いの服だ!!」
終業式を終えて、ホームルームまでの休み時間。俺とこはるで話をしていたところ、見知らぬ男子生徒に声を掛けられた。特に容姿に特徴的な点はない。強いて言うなら、少し猫背気味かもしれない。
「まあ、学校ではみんな制服着てるしな」
「ほ、ほんとだ~!!!しまったあ~!!」
俺が当たり前だろうと返すと、その男子生徒はその場で膝から崩れ落ち自身の失敗を嘆いている。
「それで、どうかした?」
「それは、、、その、、、」
「話があるならさっさと話す!!」
こはるは彼の優柔不断な態度が気に入らなかったようで、ちょっとキレ気味に言った。
「ご、ごめんなさい、、、」
「で?どうしたの?」
俺が改めて言うと、彼も決心したらしく、さっきまでよりはっきりと話してくれた。
「実は、お願いがあって、、、」
そう言って彼は自身の手を強く握り締め、続けた。
「僕と、友達になってください!!」
「はい?」
いやまあ、これから1年同じクラスなんだし、友達も出来るだろうとは思うけど、、、
まだホームルーム前、自己紹介もしてないこのタイミングで声を掛けてくるのはなかなかにチャレンジャー、、、
「あ、あれ?だめ?」
俺のそんな様子を見て、手応えなしと見たか、男子生徒は目に涙を浮かべる。
「いや!だめじゃない。だめじゃないから取り敢えず名前を教えてくれ」
「あ、そうだね。僕は
男子生徒の名は場名と言うらしい。場名は笑顔で手を差し出して来た。
「あ、ああ。宜しく」
俺も手を差し出す。
「あの、私置いてけぼりなんですけど。これ何?BLなの?」
あと、なんでか知らんが、こはるを怒らせたみたいだった。
その時、ガラガラと教室のドアが開く音が聞こえた。
「みんなー!席ついてー」
そう言いながら入ってきたのは女性の教師だった。
黒髪で、長めのサイドバングに紺のスーツを身にまとっている。
「じゃあ、ホームルームを始めます。あ、その前に自己紹介だけ。私はここ、1年B組の担任になった、
先生の自己紹介を終え、ホームルームが始まる。
まず最初は生徒の自己紹介からだった。
自己紹介でふざけた生徒がいれば笑いが起こり。
自分の自己紹介はどうするかと悩み。
そして、思った。
「平和だなあ」って。
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