ある出来事
―男が「その場所」に現れた。
「この壁の向こうに、いる」
男は左手を壁に向けると、力を使う。
「ドーン!」
激しい音と共に、ガラガラと壁が崩れ去った。
中には多くの人間が窮屈そうに身を寄せ合っていた。
全員が現れた男の姿を見て真っ青に顔を染める。
「くそー! 王め!」
一人の男性が威勢よく立ち上がり、槍を向けながら王と呼ばれる男に向かっていく。
王はヒョイとかわし、槍の柄をつかんで男性ごと投げ飛ばした。
男性の体が壁にぶち当たる。
「うぅ……」
男性がうずくまっているところに、男が近づく。
王が男性の頭部をつかむ。
男性は掴まれたままバタバタと暴れた。
しかしすぐさま異変が起きる。
「グガガ……」
男性の体が小刻みに震える。
そして、
「ブチュゥ……!」
男性の頭から彼の中にあった液体、固体があふれ出た。
「キャー‼」
女子供の悲鳴が狭い空間に良く響いて、遠くまで反響していく。
王は頭部を離した。
男性であった物がどさりと落ちた。彼の液体が行き場を失ったように床に這い出る。
泣き叫び暴れる全員を全く気にせず、王は次々と頭部をつかんでは「中身」を出していった。
あっという間に静かになった。
王は興味を失ったかのようにその部屋を出ていく。
一歩出すごとに、液体をふむ「ピチャピチャ」という音が響いた。―
作者より
ここまでお読みいただきありがとうございました!
ここまででプロローグといったところでしょうか、たくさんの方に読んでいただけて嬉しかったです!
そしてここで一段落、少々お休みをいただきたいと思います、再開したらまた読んでいただけると嬉しいです!
このあとどうなるでしょうか……
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