手術と入院と、その前と後と

奈那美

プロローグ~受診

それは今年、2024年3月末ごろ。

目の調子が悪かったので眼科を受診しました。

その際に先生から「そろそろ、ちゃんと円錐角膜の治療をしようか」と勧められました。

以前、勧められたことはあったのですが、当時はコロナまっさかり(2020年)で外出もままならないうえに、医師が紹介しようと考えられていた病院が山口市の病院。

いくら福岡県の北九州圏内に住んでいるといっても通院するのが大変です。

特急と新幹線使っても二時間近くかかります。

それも最寄駅勘だけで。

なので保留していたのです。

それから数年。

新しい治療法があるらしいからと、福岡県内の大学病院に紹介状を書いてくれることになりました。

で、帰宅してしばらくしたら眼科から電話があり『同じ福岡市内に、いい医者がいるからそちらを紹介する』とのことでした。

 

数日後、紹介状をうけとって件の眼科に予約の電話を入れます。

紹介先の医師は【予約制】だからです。

病院自体人気があって患者さんも多いので、予約の電話がなかなかつながりません。

ようやくつながったので予約の旨と紹介状をもらった眼科の名を告げ、受診の日を決めました。

本来なら紹介状が出てから一週間以内の受診となるはずが、予約が込み合っているために十日後くらいになってしまいました。

 

最初の受診は月曜日の午後三時。

紹介状その他を受付に渡して待合室で待ちます。

総合病院並みの混み方です。

もう午後だというのに……総合病院だったら閑散としている時間帯です。

どのくらい待ったか……名前を呼ばれました。

「検査をするので」と案内された部屋でさらに待ちます。

待合室も検査室も、検査室から見える複数の診察室の前の椅子にも多くの人が座っています。

 

まずはコンタクトを着用したままの視力検査。

そのあとコンタクトをはずしての視力検査と眼圧その他検査。

眼圧検査はあの風をあてるやつが一般的ですが、それで測定できない場合、ごく細い糸状のものを直接目の表面にあてて測定する機械もあるのですね。

でも、その機械でも測定できなかったようですが(汗

ひととおりの検査が終わった後は診察です。

でも、目の診察なのでコンタクトはまだ着用できません。

……初めての病院で『診察室○番の前でお待ちください』と言われても場所がわかりません。

看護師さんに先導していただきました。

 

ちなみに超がつくド近眼ですが、のはうすぼんやりとですが認識できます。

なので先導者について歩くことは可能なのです。

そして診察室の前でもさらに待ちます。

ようやく呼ばれて中に入ります。

開口一番にいわゆるはできないと言われました。

治療というのは角膜クロスリンキングというものでしたが、私には適用できないと。

私の場合は角膜移植しか方法がないということでした。

 

聞きました。

手術をするとしたらいくらかかるのか。

入院するのは何日くらいか。

いくら移植しか方法がなくても、払えない金額だったら諦めるしかありません。

入院日数も数カ月とか言われたら仕事その他に支障が出るので無理です。

答えは、入院は一週間程度で費用は使用する角膜によって変わってくるとのことでした。

一週間程度だったら何とかなりそうだし、費用も払えないことはない……「手術の方向でお願いします」ほぼ即答でした。

「わかりました。では手術で……一年後をめどに矯正視力で1.0を目指しましょう」

 

……矯正視力で1.0。

夢のような視力です。

現在、両目とも裸眼視力は0.02とかです。

矯正視力が右目が何とか0.7~0.9。

左目は矯正しても0.1か0.2。

それも乱視が激しいために「Ⅽ」がいっぱい見えるから、どこが開いているのかわからないのです。

 

もちろん手術をしない状態でも、まだ見えなくはないです。

でも目の状態は悪化する一方です……なんとか円錐角膜用のコンタクトレンズを使えていますが、いつ目に乗ってくれなくなるかはわかりません。

現に左目のコンタクトレンズは常に半ばずれた状態で目に乗ってますから。

 

そのあと手術についての説明がありました。

局部麻酔での手術も可能だけど、全身麻酔のほうが確実だから全身麻酔で行なうということです。

加齢性黄斑変性治療の注射とか白内障とか、目の局部麻酔で行ないますからね。

局部麻酔でもできないことはないそうです。

 

さて全身麻酔となると、麻酔医立会いの下で……となります。

次に聞かれたのは、手術の希望日です。

複数の希望日を挙げ、麻酔医のスケジュール調整のうえで改めて手術日は決定すると伝えられました。

角膜移植というのは、基本的にドナー登録しておいて順番が来たら手術を行なう、いわゆる緊急手術となるのですが(この場合は局所麻酔)、別料金で空輸されたものを使うと計画手術ができる、ということなのです。

そして次回の診察日が決まります……土曜日にしてもらいました。

 

診察を終えて、こんどは別室で入院の手引きみたいなものをもらったり、書類にサインしたりが続きます。

そして「次回の診察日」までに内科で検診を受けてくださいともいわれました。

医院への手紙を書くので、かかりつけ医を教えてくださいって……かかりつけだった診療所、院長が高齢のため閉院したんだよぉ(泣

しかたがないので、叔母さんが受診したことがある内科医の名をだしました。

一度も受診したことないのに(大汗

終わった時は、ほぼ六時になってました。

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