クラス転移したと思ったら俺だけ呼ばれてなかった
マキシマム
プロローグ
割と充実してる高校生活
「ふぁーあ…ねみぃ…」
俺、こと伊藤颯汰は5限目の授業中に大欠伸をしながらそんなことを呟いていた。
理解してくれる人が多いと思うが、昼飯食った直後の授業とか眠くて仕方がない。
このまま6限目まで眠っていきたいところなのだが、そんなことをしたら担任に永眠コース送りされる。
「お〜い、寝るなよ〜」
横からそんな声が聞こえてくる。
声の主は俺の親友である
雅人はひとたび通行人に話しかければ男女問わず皆見とれてしてしまうほどの中性的なイケメンフェイスを持つ優等生だ。
「寝るわけ...ねえだろ、俺は...絶対に...居眠りはしない。」
とぎれとぎれで何とか喋りきる。
そうして何とか5限目の授業は乗り来ることが出来たのだ。
ちなみに6限目は爆睡した。
「帰りのホームルームを始めるぞー」
担任が教室に入ってきてそうそうにHRが始まる。
寝てたから何言ってたかはしらん。
ガヤガヤという周りの騒音によって目を覚ました。
周りはだいたい帰っており、俺の前には雅人が立っていた。
「やっと起きた、早く帰ろ。」
急いで俺は準備して教室を出ていった。
肩を並べて家路に着く。
校門まで行ったところで、見覚えのある女子生徒が近づいてきた。
「あ、あの!颯太くん、雅人くん、今日も一緒に帰らない?」
そう聞いてきた彼女の名前は佐藤菜奈さんだ。
クラスの委員長で綺麗な黒髪にぱっちり二重の童顔でいかにもかわいい系の顔立ちとその抜群のプロポーション、さらに言うなら艶のあるの茶髪のボブカットによって男子達から大人気である。
最近は俺達と過ごすことが多く、顔を赤らめることが多いのを見るとやはり雅人狙いのようだ。
「俺は全然いいよ、雅人は?」
「僕もいいよー」
そうすると顔を明るくして俺の隣に来る。
いつも思うんだが雅人狙いなら雅人の隣行けばいいのに。
「じゃ、じゃあ帰りましょう」
「そうするか」
少し歩いていると雅人が
「じゃあ、僕はここで」
と言って別れる。
そのまま数分間無言で歩く。
やっぱり気まずい。正直雅人がいなくなったら用がないだろうに、わざわざ俺と帰るのが律儀だなと感じる。
「じゃ、じゃあ私もここで」
「おう、またな」
「あ、明日は一緒に登校…しない?」
これは雅人も誘えということなのだろうか。
一応雅人に聞いておくか。
「いいよ、じゃあまた明日。連絡は追々するわ。」
「うん!じゃあね」
少し歩くとすぐに家に着いた。
「ただいまー」
「おかえりー」
家に帰ると既に両親はリビングでくつろいでいた。
「っふうー、つかれたー」
自分の部屋に入ってそうそうにベッドにダイブし、スマホを見ていると通知が来た。
7:明日は8時に颯太くんの家に行くね。
菜奈さんから帰りの話の続きが来ていた。
一応雅人にも連絡するかと思い、お前も来るかという内容のメッセージを送ったが断られてしまった。
菜奈さんも可哀想に。
その後は飯を食って風呂はいって寝た。
晩御飯はカレーでした。
◇◇◇
カーテンから差し込む陽光で目を覚ます。
「う〜〜ん」
起き上がり、大きく伸びをして完全に覚醒する。
時計は7時を指している。
下の階に降りると既に朝食は作られていた。
それを食べて身支度をするともう50分。
家の外に出て待つことにした。
家から出ると既に菜奈さんは待っていてくれたようだ。
「ごめん菜奈さん。雅人来れないってさ。」
そう言うと菜奈さんは少し首を傾げてから
「それがどうしたの?」
といった。
え?いや雅人と行きたいんじゃなかったのか?
そうかこの人は優しいなあ···
俺が傷つかないように分からないふりをしてくれているんだ。
そんなふうに勝手に納得すると
「ま、学校行きますか。」
と、菜奈さんを催促するように言い、そのまま出発した。
「菜奈さんは何委員だっけ。」
「わ、私は保健委員だよ。」
「そっか、どう?保健委員、俺も入ろうか悩んだんだよ。結局入らなかったんだけど。」
そんな風に話をしているとあっという間に校門に到着し、後は教室へ行くだけだった。
ガラガラと音のするドアを開け、菜奈さんと並んで教室に入る。
その瞬間。
目の前は光に包まれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます