第27話 ハーレムパーティ申請


「リヒトさぁん……」


「リヒトお兄ちゃん……」


俺は二人の真ん中で眠っている。


両手に花で腕枕しているのだが、嬉しいけど少し腕が痺れてきた。


結局、一度外れたタガは戻る事は無く、毎日お互いを求めあう生活を送っている。


しかし、右を見ても左を見ても凄い……


どう見ても二次元の住人にしか見えない。


昔、どうしても欲しくて清水の舞台から飛び降りたつもりで等身大の綾〇のフィギュアを給料2か月分を使って買ったけど、実際に二人を見ると、あれは偽物だったとしか思えない。


調子に乗ってア〇カまで買ったんだよな……肝心のロボットは買わなかったのに……


今度水色のシャギーのカツラでも作るかな。


さてと……朝食でも作るか……


そう思い二人が起きないようにベッドから起きると……


ドンドンドン!


激しくドアを叩く音が聞こえてきた。


『嫌な予感がする』


この場所に俺達の知り合いは居ない。


それなのにこんな扉を叩くなんて……


まさか、冒険者ギルドの緊急招集か!


二人が起きる前に出るか……


「なんかようか? 朝から煩いなぁ~」


扉を開けた先に居たのは……


「ライト? 今更一体なんのようだ!」


「リヒト……悪い事いわねーから帰って来い」


何故、此奴がこんな悲しそうな顔をしているんだ。


部屋に入れるのが嫌だった俺は……


「外で話そうか」


そう言ってライトを外に誘った。


◆◆◆


近くの酒場に場所を移した。


此処までくれば大丈夫だろう。


「それで、一体どうした? 戻って来いという話しなら戻らないぞ」


何故、此奴が悲しそうにしているか解らない。


俺を追い出して幼馴染達とハーレムを作った。


楽しい毎日を送っている筈だ。


「いや、俺が悪かった……無理しないでいい……帰って来いよ……」


ライトが何を言っているか解らない。


「俺は無理なんかしてないよ? 今が凄く楽しい……だから帰らない。それだけだ!」


「嘘だぁぁぁぁぁぁぁ!」


なっ……此奴、何を考えて否定するんだ。


「嘘じゃない! 俺は今が凄く幸せだ」


「あのなぁ……あんな化け物みたいな女を侍らせて何が楽しいんだ! 冒険者ギルドで聞いた話では、依頼もゴブリン討伐や簡単な掃除しか受けていないそうじゃないか?」


「そうだよ! それで食べていけるから充分だ」


「リヒトらしくないじゃないか? オーガを狩っていたお前がゴブリン? なんの冗談だ!」


いやゴブリンで充分食えるんだから、無理する必要はない。


大体冒険者なんだから無理して怪我するような事をする必要はない。


『勇者パーティ』とは違うんだからな。


「あのな……お前、何を言っているんだ? 『大人しく村に帰って田舎で冒険者にでもなるか、別の弱いパーティでも探すんだな』そう言ったのはお前だぞ! 村には帰らなかったけど、お前の言う通り、冒険者として弱いながらも生活している。なんか文句あるのか! いい加減俺に構わないでくれないか?」


なんだ此奴……お前が言ったとおりにしているんだから文句言うなよ。


「本当に俺が悪かったよ……俺はハーレムパーティみたいな馬鹿な事はやめる。だから戻ってきてくれないか? 誰か1人を選んで恋愛をするもよし、お前も俺のパーティに居たから複数婚も可能なんだから、なんなら三人纏めてお前がつき合っても良いぞ! どうだ? あんな化け物と付き合うより余程良いだろう?」


此奴は何を言っているんだ。


リメルもマリアンヌ、リリアもライトが好きで選んだ。


それなのに此奴は何を言っているんだ。


「お前、幾ら幼馴染でも怒るよ! リメル達は将来の相手に俺じゃ無くお前を選んだんだ! 勇者だから、最後の一線は越えられなくても、乳揉む位や裸で抱き合う位はしていただろが! 責任位は男だろうとれよ!」


毎晩毎晩イチャついていたのに今更だよ。今更!


「いや……リヒト! 俺は勇者だ! 将来政略結婚をしなくちゃならん! 王族か貴族の令嬢と婚姻がある……だから幼馴染の事は任せた……なぁ、悪い事言わないから戻れ。あんなドブス相手よりあいつ等の方が良いだろう? なかなかの美少女だし気心も知れているしな……」


ライト……お前はアホだ。


「ライト、お前に縁談の話は無い! 絶対に無い、悪い事は言わない、もう戻れ、そして俺のことは放っておけ」


「どう言う事だ! リヒト! そんなわけねーだろうが!」


「あのなぁ、王族や貴族はお古を嫌う、それが恋愛であってもな! あの三人と関係を持った。その瞬間からもう、それは無くなったんだ」


「だが……そんなの解らねーじゃ無いか!」


馬鹿だな…….


「俺がハーレムパーティ申請しておいたぞ……じゃないと後で問題になるからな」


「ハーレムパーティ申請だと!」


何を驚いているんだ。


「そうハーレムパーティ申請。 そうじゃ無ければ勇者がパーティの仲間とイチャついていたら問題になるんだぞ! ライトだけじゃなく、他の三人も魔王討伐が終われば王族や貴族の政略結婚の相手。それがお互いが、つき合い傷物になる……王族や貴族からの縁談が決まった後にそんな関係がバレたら大変な事になるんだ。最悪牢屋送りだ。だからそうならないように『元から恋人でハーレム関係にある』そういう届を出しておいた。記録水晶つきでな。だから、今迄咎められなかっただろう?」


なんだ此奴顔を青くして……


「それじゃ、俺は……」


「幼馴染イチャイチャハーレムパーティ持ちの勇者だ! 勿論、ライトも他の皆も縁談なんて絶対に来ないから安心して良いからな。好きなだけイチャついて妊娠だけ気をつけて楽しんで良いんだぜ!」


「ああっ……そんな……」


どうしたんだ……ライトの奴、フラフラと出て行ってしまった。


まぁ良いか。













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