10代から20代の時に書いた詩(22)

天川裕司

10代から20代の時に書いた詩(22)

「本意」

神様、この欲望はどう考えても、為になりません。考えるという力をお与えになったのはあなたでしょう。どうすればこの欲望を失くせるのでしょうか。女の人を愛するというこの欲望にも変わる愛を、壊して下さい。僕は本当はそういう事が嫌いです。こんな事、この世間で言えば笑われる。こんな無様な世間で生きていたくもない。欲望に埋れてしまわなければならないのなら。それでも明日、友達と女の事を話すんだ。神よ、今夜、そんな事を話さなくてもいいように痛みを感じさせずにあなたの国へ連れて行って下さい。



男友達を思う愛と、女を思う愛なら、友達を思う愛の方が僕の場合本当だ。女を思う愛は所詮欲望に過ぎず、自分を壊して行く。


この人生、僕の思い違いだったら、本当に悲しい。


「寿命」

次々と壊れてゆく。


「軟派」

男が人生に嫌気が差し、露頭を迷っていても女は誰も声を掛けようとも近付こうともしない。女が人生に嫌気が差し、露頭を迷っていたら、男はすぐに近付いて悩み解消人として恋人に成りたいと思う。女は孤独にならない分、まだましだ。僕も生まれ変わって、可愛い奇麗な女にでも成りたいなぁ。


チンピラ願望は結局、人間(ひと)が怖いんだ。


どうしても取れない性欲の苦悩。


「悲しい夜」

歌はその時唄えば、その人の思いは消える。すぐ次に行く歌手の気持ち。その気持ちは今の僕の気持ちじゃないんだ。いつまでも僕を見捨てない唄を探し求めて、歩いて来た。だけどそんなものが現実逃避だったなんて、自分に聞くまで気付きもしなかった。


女は汚い。それにあやかる男も、汚い。現実はその汚さを食い散らかしている。


「この世から死んだ友」

死んだあいつ。どこに行ったんだろう。姿は消えて、目の前には現れる事はないけれど、あいつの存在自身は、どこかで生きてる筈だ。消えた等、今生きてる人間(僕)故、理解できない。ただ喋る事が出来ず、見えないでいるだけなんだ。こんな世知辛い、汚れた世間から離れた僕の友達。この世にまだ居る僕に教えてほしい。今、幸せかい?


「堅さ」

どこまでも、友達の間では女の子の話題が付き纏う。死んでも離れない。僕は離れたんだ。


僕の恋人、この世になんか居ない。こんな悲痛の汚れた世間になんか居ない。死んでからその輝きが薄(うっす)ら見えて来る。そして、僕の目の前に現れ確かに僕と同じ姿になる。そこで輝いた確信は、正直な僕の心と、そいつの瞳になり、完全にこの世から離れた。


正直な思い。僕は他人(ひと)の幸福を考えてあげられなくなった。教会での思い、〝神様、僕は、本当にそういう人間になったのですか、教えてほしい〟。


「不信仰な、僕の確かな信仰」

僕が思ってる事が、この流行で弾かれる程の事なら生きて行くのは、僕個人として難しい。北、南、東、西、どこへ行っても、流行が結果となる。僕の思っている優しさ、汚さ、格好良さ、格好の悪さ、嬉しさ、悲しさ、が全部間違いなら、本当に心からこの世には居たくないと思い、生まれ間違えた、と信じたい。そう、悪な筈のこの世が、感謝出来ない。


「偶然」

神様の思惑か、この現実には〝偶然〟というものがあり、僕はそれに喜んだり、悲しんだり、怒りを覚えたり、泣いたりしている。良くも悪くも、本来言えないその偶然に、僕は神様の前で何と言って、この気持ちを表せばいいのだろう。〝せめて痛みは感じずに…〟その口癖を言い続けて、毎日を送って行く。壊れた物は、治せない場合があるのだ。



今度生まれ変わる事を考え続けるのは、悪い事か。


「無言の奇跡」

白山が見下ろす。まるでこの無言の空と仲間のように、僕らを見下ろす。僕は一人で世間が嫌になり、何も言わない白山に問い掛けた。すると白山は無言の儘だった。やがて雨が降りそうになったので、僕は何も雨具を持っていない事に気付き、山を降りた。冬のとても奇麗な雪の結晶に、幻を見せられながら。


焼き鳥、食べたいなぁ。


「個人」

僕の考え方、思い方、生き方は、仕方ない。


「マニアック!」

奇麗な、可愛い女の子を見る度に、汚れた世間を思い出し、怒りに駆られる僕は〝マニア〟の域かい?(笑)


「孤独」

結局一人で消えるしかないのか。二人で消えたかったのに。そんな人は、この世には居なかったんだ。所詮、僕の夢か。


「幸福」

正直な自分を取り戻そうと何度か頑張ってはみたけれど、この汚れた流行の中じゃ無理だった。それならば、夢で終わらせた方が奇麗で終わる。僕の人生だから、僕だけで決めてもいい筈だ。それが本当の幸せだ。



もう、どこにも居ないんだ。


いい加減なものさ。(笑)


「ギブ・ミー・メディスン」

最近、どうも気分が悪い。腹の調子がおかしく、胃が気持ち悪い。どうすれば治るのか、といろいろ考えてみたけれど、分からない。むかつく、そんな毎日が、ここ一カ月、続いてるんだ。


夢は無言で闇に消えた。だから、僕だって無言で消えてやるんだ。へへっ!(笑)


「親不孝」

「やはり〝女の子〟が必要なのかな…」そう思う自分が殺してしまいたいくらい哀しくなる。そのくせ、友達とはそんな類も話をしなければいけない。この寂しさを別の何かで埋めると、その事実がなお哀しい。その哀しさと持ち前の意地とで板挟みになる現実の僕は、身動きが取れない。その意地はもう僕の生き方みたいになり、どうしても取れない。いっそ、こんな人生とさよならしたいのに。


現在、午前四時四分、目は萎えている。(笑)


天国へ行く時は、この世での良い事・悪い事…良い事・良い思い出だけを連れて行くんだ。寝ている間にね。


胃の調子が悪い今日、朝起きてからずっと吐き気と気怠さを催していた。座っていても気怠さは取れず、昼間から寝転んで何とかムカつきは取れたものの、まだ少し気持ち悪さは残っている。まだこれから家庭教師のバイトがあるんだ。さあ、しんどいのはどうしようも出来ない、仕方ない事。頑張れるだけ頑張るとしよう。(笑)7月20日(PM6時33分)(日)


「哲学者」

一人で字を書く事。それは他人(ひと)に見られない分、正直に気を遣わずに書けるってものだ。でっち上げの高校時代のような感想文を、いくら書いたとしても、本音にはならない。それでむかつくのなら書かない方が本来、良いのだ。一人夜の部屋で白紙に字を埋めて行く。有りっ丈の思いを書き連ねる。生まれて来て生きて、その短いながら個人の一生を白紙の文章に書き上げる。それは誰がどう言おうと、その個人の哲学だ。争わない、普通の哲学者なのだ。

アルバイトから帰った夜の事。

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10代から20代の時に書いた詩(22) 天川裕司 @tenkawayuji

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