~別の咎~(『夢時代』より)

天川裕司

~別の咎~(『夢時代』より)

~別の咎~

 …未完(みじゅく)の四肢(てあし)を日下(ひもと)に並べて、日々の生果に虐待を見る。過去の成果に丈比べを見て、残香(かおり)が発(た)たない行儀を観て居り、一人(ひと)の哀れを肴(さかな)に生い立つ旧来(むかしながら)の感覚(いしき)に問うのは、未(いま)を追い駆け馴染みを想わす日中(ひなか)を狂わす男・女(だんじょ)であった…。

      *

 …馴染みのジンノの家が「Civilian Leader」とか言う英字を家の梁(屋根)のすぐ下の白壁に書き、何か、ここいらの地域住民達のリーダーに成って居た様(よう)だ。俺は少々苛つきながら、ジンノ家(け)に嫉妬して居た様だ。

      *

 …日置(ひお)きの梁(りょう)から日時が昇れる不問と御託の賛美は現行(いま)でも、日々の初めに人密(みつ)が募れる孤踏(ことう)の淡味(あわみ)を自在に窄めて、陰府(よみ)の感覚(いしき)に千夜(とばり)が立つのは勢い任せの愚問に添えられ、旧い気色に小敗地(アジト)が返れる不毛の勇気と未然を突いた。日々の過去(かこ)から旧来(むかし)が遠退き、自己(おのれ)の角(かど)から未刻(みこく)が問うのは、人間(ひと)の孤独の不毛に味わう未知に幻見(ゆめみ)た気色の緩みで、漆黒(くろ)く焦がれる人間(ひと)の難儀は禍根に添い得る懊悩(なやみ)と解(と)いた…。人間(ひと)に淀める無頼の冥利は過去に落ち着く想い出ばかりで、日々の貌(かお)から横殴りに吹く小雨の天気に流離いを識(し)る…。見様見真似で小犬が哭(な)く時、淀む小宙(そら)には一通(とおり)が落ち込み、女性(おんな)の気色がごまんと映え得る〝未然の姿勢(すがた)…〟を可笑しくして居た…。男性(おとこ)に屈(こご)れる一女(おんな)の姿勢(すがた)は、無知を朗(あか)るく悪態吐(づ)かせて、一人(ひと)の形象(かたち)に身重が辿れる予感の仕打ちをどんどん遂げた。過去に着かせた経過(きおく)は一人(ひと)の自然(あるじ)を望遠しながら、通り縋りの一女(おんな)の如くに「夜半(よわ)を統(たば)ねた未解(みかい)」に概(おお)きく、自体(おのれ)の意志など呼吸に扱う〝濡れ衣…〟ばかりを曇寄(どんよ)り正(ただ)せた…。無知の幻(ゆめ)から身憶(みおく)を飼うのは一人(ひと)の定律(おきて)と小宙(そら)の間取りで、幻覚(ゆめ)の琥珀に自己(おのれ)を正せる分厚(あつ)い気色の体熱(ねつ)は兎も角、河(かわ)が流れる淡い景色の傀儡(どうぐ)に接した紺差(あおさ)を突いた…。一人(ひと)に描(えが)ける孤独の一夜(とばり)は無垢を絵にして心理を問わずに、暗(やみ)と自体(おのれ)の呼吸に遠退く三(み)つ門(かど)ばかりが拷問など見て、一人(ひと)に識(し)られる独理(ドグマ)の影には欲の成る気(き)を葬り続けて…、一人(ひと)の途切りを故縁(えにし)に懐ける〝未解(みかい)〟と〝未(いま)〟との進理(しんり)を突いた…。過去(むかし)を按じる独理(ドグマ)の成果は一人(ひと)に知られず孤独を謳い、未知との生歴(きおく)に自己(おのれ)の立たせる「世界の浪漫…」を遠く見据える。退屈(ひま)を余せる轆轤の目下(ふもと)は、自体(おのれのからだ)を故縁(えにし)に任せて、幻見(ゆめみ)始める孤独の概(おお)さに児(こども)の掌(て)を採る未来(さき)信じて、人間(ひと)の欲から孤独を感じる生粋(もと)の気色をその実(み)に負った…。一人(ひと)の一通(とおり)に孤独を買ううち過去の分業(ノルマ)は造りを語らい、一人(ひと)の吐息に孤独を吟味(あじ)わう未完(みかん)の生録(きろく)を絵にして描(か)いた…。分厚(あつ)い孤独に人壁(かべ)を観るうち陰府(よみ)の千夜(とりで)は幻夢(ゆめ)を象り、淡い気色に自己(おのれ)を乞うのは男女(ひと)の愚行(おろか)の最期と成った…。幻(ゆめ)の静寂(しじま)は理識(りしき)を伴い、二重(にじゅう)の過録(かろく)を夜伽に保(も)った…。

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 …俺は自分の家で、自分の部屋に篭り、とにかく山の様(よう)に散乱し尽して居た本や文献資料の群れを本棚へ片付けて行く作業をして居た。自分に与えられた任務を成す為である。何処(どこ)からその任務が出たのか詳細には分らないが、おそらく、自分からか、余所の場所(例えば大学)からと記憶する。とにかく、その任務は絶対で、任務を終えれば、俺はとても満足する事を知って居た。故に真剣に部屋の掃除に取り掛かって居た。

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 過去の繁味(しげみ)に一女(おんな)が寄り添い、孤独の肉体(からだ)に旧(むかし)を観る上、白亜(しろ)い四季(きせつ)の提灯(あかり)が揺煌(ゆらめ)く使徒の朗(あか)りは未完(みじゅく)を蹴散らせ、不意の横から悪夢が囁く〝吃(ども)る一女(おんな)の姿勢(すがた)…〟を魅せた…。一人(ひと)の美的を感覚(いしき)に貶め、分厚(あつ)く成り立つ不義を想えば、自己(おのれ)の私宝(たから)を過去(むかし)に狂わす意味を気取らぬ八性(おろち)を見ぬ儘、明日(あす)の感覚(いしき)に今日(きょう)を幻見(ゆめみ)た非道の過去など可笑しく描(か)いた…。幻(ゆめ)の峠に悪夢が囁く小宙(そら)の高みと現(うつつ)の調子は、自体(おのれ)の四季(きせつ)に提灯(あかり)を篭らす旧来(むかしながら)の御供を両手に、人物(もの)の感覚(いしき)を院府(よみ)に這わせる利器の自覚(かくご)と暫く過(すご)せる…。女性(おんな)の美声(こえ)には天使が佇み、低く空転(ころ)がる縁(えにし)の歩影(ほかげ)は分厚(あつ)く成り立つ旧(むかし)を想い、幻見勝(ゆめみが)ちから空虚を得させる旧い小敗地(アジト)にその身を採った…。一人(ひと)の価値から故縁(ころく)が幻見(ゆめみ)て、生気に相(あい)する実録等には、旧来挿話(むかしばなし)の花を追い往く霞(かすみ)の木(き)に成る天気を装い、一人(ひと)の初めに無知を吟じる孤高の隅へとその掌(て)を遣った…。白亜(しろ)く昇れる吟味(ぎんみ)の姿勢(すがた)は〝幻想(ゆめ)と最後〟の掌(てのひら)から見て、安く積もれる淡い人形(かたち)の〝揺蕩(ゆらぎ)の掌(て)…〟に立つ自己(おのれ)を知る内、甘い果実が一女(おんな)から発(た)つ〝美貌の芥(あくた)〟をその日に観て居る…。過去の列(ならび)に陰府(よみ)が遮り、人間(ひと)の美智(みち)か気楼が問うのは、安く成り立つ孤業(こぎょう)の思乱(あらし)の「不安に活き尽(き)る傀儡(どうぐ)」の問いにて、淡い自覚(かくご)は美智を問い往く不能の小界(かぎり)にその掌(て)を乞うた…。白亜(しろ)く成り立つ感覚(いしき)の恋には、人山(やま)の目下(ふもと)と傀儡(どうぐ)が独歩(ある)き、理知に損ねて未来(さき)が気取れる「自己(おのれ)の同調(シンパ)」の堂々を観た。白亜(しろ)く途切れる故縁(ころく)の途切りは、暗黙(やみ)の襖を手安(てやす)く開(あ)けて、一人(ひと)の肴(さかな)に未来(さき)を按ずる低い室(むろ)など自由に列(なら)べて、過去に堕とした自体(おのれ)の懊悩(なやみ)は人間(ひと)の同調(シンパ)に絶望しながら、明日(あす)の目下(ふもと)に可笑しく成り立つ不義の要(かなめ)の要所を識(し)った…。

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 …何か、「働く…労働条件…纏める時は短く…」等と、今後の自分の為のスローガンにでもするべく、きちんと用意された空間に掲げられた横長の用紙に書かれて在った。あの「ジンノの家の〝Civilian Leader〟」の看板に似て居た気がする。

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 一人(ひと)の小界(かぎり)を手中に収めて日々の旧巣(ふるす)に経過(ながれ)を観る内、過去(むかし)の吐息に有難味(ありがたみ)を観る架空の演戯は貪欲とも成る…。幻覚(ゆめ)の脆さを自由に観たとき加減を報せる愚鈍の長(ちょう)には、理解を酔わせる旧びた翳りの〝嘆きに見知れる夢惑(むわく)…〟を嗜み、無知に概(おお)きく棚引く雲間は暗(やみ)に繁れる王佐に悦び勝鬨(かちどき)だけ観て日々を独歩(あゆ)める無根(むこん)の情緒と悪態とを識(し)る…。一幻(ゆめ)の健気に理屈は似合わず、過去の断片(かけら)に身投げをする頃、邪から吹く精神(こころ)の陰(かげ)には未信を疑う気勢が募り、人山(やま)の目下(ふもと)で可笑しく嘲笑(わら)える御供の頭上(うえ)には、低い白雲(くも)から気楼が佇む〝嘆きの門(もん)〟など久しく凝(こご)れる…。一人(ひと)に対する個録(ころく)の暗黙(やみ)には旧来挿話(むかしばなし)の逆(さか)が空転(ころ)がり、日々の微温味(ぬるみ)の悪夢が過(よぎ)れる聾唖の際(きわ)など綻びとも成り、白亜(しろ)い四季(けしき)に凍える理識(りしき)は家宝を敬う悶絶など識(し)り、幻見(ゆめみ)の基知(きち)から明日(あす)を買うのは微動に繁れる悪夢を識(し)った…。分厚(あつ)く成り立つ不和の身元は起信(きしん)の嘆きを有頂に絆し、見様見真似で組織を亘(わた)せる過去の王佐を無惨に紐解き、日々の轆轤に輪廻を見守る思春の調度と頃合いにも成る。未知の千夜(とばり)に暗(あみ)を識(し)る頃〝牙城(とりで)〟の信徒は律儀を相(あい)して、自体(おのれのからだ)に未完を与(あず)ける日々の伝手には脚色(いろ)が素通り、一人(ひと)の成果に旧(むかし)が退(の)くのは不義の片目の未完(みじゅく)と成った…。自己(おのれ)の肢体(からだ)に利潤が見て取れ、脆弱(よわ)い気色と色香(いろか)は遠退き、日々の裾から独理(ドグマ)を識(し)るのは小宙(そら)に見果てぬ病と偽り、身欲(よく)の断片(かけら)を不義に飼うのは身蔵(みくら)に眺めた魔法の幾つで、未知を優雅に生則(きそく)を列(なら)べる一人(ひと)の遊歩と不明の利(り)に在る…。気楼の渦(うず)から夜毎が嗜み、暗黙(やみ)んも刹那に家屋を識(し)るのは、過去に追い付く無断の来季(らいき)に私宝(しほう)の活き血を見本に携え、広い佳日に憤怒を観るのは一人(ひと)の過録(かろく)と流行(ながれ)に相(あい)され、漆黒(くろ)く棚引く概(おお)くの活路は〝自由〟を愛せぬ常盤を保(も)った…。一人(ひと)の背中に安きを観るのは過去の雲母と候(そうらい)だけにて、一人(ひと)の利器から枯渇を観るのは自己(おのれ)の無残の内実(なかみ)と成った…。自然(あるじ)に御国(みくに)が拡がる…。

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 …俺は自室にて、とにかく早く整理作業を終え、その時しようと思って居た理想を遣り終える為に、超特急で、散乱し尽(き)って居る漫画・文献資料を、可成り沢山在る自分の書架の内へ並べ始めて居た。

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 一人(ひと)と現行(いま)とが織り成す幻覚(ゆめ)には孤独に苛む涼風(かぜ)が表れ、未知に佇む旧(むかし)の故録(ころく)は悲惨を想わす旧さを知った…。人間(ひと)の気色に身重が成り出す浮世の芽(め)に立つ女性(おんな)と揺蕩(ゆらぎ)は、一人(ひと)に遮る無頓の翳りの暗夜(よる)に萎え発(た)つ不幸を吟味(あじ)わい、哀しい気色に自己(おのれ)が素通る旧来挿話(むかしばなし)の音頭を採った…。白亜(しろ)く萎え発(た)つ男性(おとこ)の姿勢(すがた)は幻(ゆめ)の魅力と加減を忘れて、過去の陽(ひ)に発(た)つ暗(やみ)の根(ルート)は自己(おのれ)に寄り付く紅身(あかみ)を保(も)った…。未知に佇む自己(おのれ)の気色は幻覚(ゆめ)の空間(あいだ)と旧巣(ふるす)を装い、意味を装い理知を翻(かえ)せる不和と未(いま)との悪夢を飼った…。一人(ひと)の初歩(はじめ)に肉体(からだ)が燃え立ち、未来(さき)を信じる無価値の生憶(きおく)は、暗黙(やみ)の許容(うち)へと器用に追い付く男女(ひと)の欲から轆轤を欲した…。禍根に降(お)り立つ旧来(むかし)の人姿(すがた)は未知に育む軟さを目にして、白亜(しろ)い暗黙(やみ)から枯渇を目にしたおどろおどろの杜撰を被(こうむ)り、夜半(よわ)の目下(ふもと)を感覚(いしき)へ擡げた幻(ゆめ)の生憶(きおく)は不当を捧げた…。無信に活き発(た)つ孤独の自主(あるじ)は無信に紐解く懺悔を認(みと)めて、白亜(しろ)く遮る純心(こころ)の世紀は不安ばかりにその視(め)を留(と)めた。明日(あす)に成り立つ繁みの辺りで不安と理知との行儀の身辺(あたり)は、一人(ひと)に燃え立つ活き血に宜しく過去(かこ)を見るうち悪しきを整え、旧い背中に理憶(りおく)を揺さ振る軌道と未(いま)との余韻を呑んだ…。白亜(しろ)い四季(きせつ)に無心(こころ)が織り成す身欲(よく)と自主(あるじ)の故業(こぎょう)の成果(はて)には、誰とも成らない私運(さだめ)の生果が過去に臨んで悪態など吐(つ)き、一人(ひと)に始まる無憶(むおく)の界(かぎり)と、八性(おろち)の湯浴みに提灯(あかり)を盛(も)った…。理知に息衝く体形(かたち)の渦には幻(ゆめ)の身欲(みよく)が転々(ころころ)安転(ころ)がり、低い小宙(そら)から吃(ども)りが発(た)つのは旧来挿話(むかしばなし)の個録(ころく)を浮かせて、一人(ひと)の繁みにぽつんと舞い込む欲の成る気(き)は可笑しく過ぎ去り、非道(ひど)い四季(きせつ)を堕とせる不夜(ふや)の自主(あるじ)に乾杯して居た。一人(ひと)の紅身(あかみ)を感覚(いしき)に返せる過去の独義(ドグマ)は自由を相(あい)し、白亜(しろ)い佳日の思春と造語は得手を知らずに明後日(あさって)を観て、明日(あす)の孤独に不安を透らす孤独に未(いま)とは俚諺を空(そら)んじ…、一人(ひと)の孤録(ころく)に夢見を透せる無駄の四季(きせつ)は文言(ことば)を得て生く…。一人(ひと)の未完(みじゅく)に自主(あるじ)を立て往く過去の身辺(あたり)は未完(みじゅく)を保(も)ち出し、白亜(しろ)く燃え立つ不快の安堵は意味を忘れて一通(とおり)を識(し)った…。

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 …その漫画・資料を全て並べ終えた後で、何かデータを取る事が出来る、或いは、自分にだけ解る事柄をノートに書く事が出来る、と言う事が既に俺には分って居り、とにかく一生懸命配架して居た。が、覇気は少々あっても、体と現実とが付いて来ない。並べ方・収納順序等を俺は気にして居り、まるで作業は進まなかったのである。俺はもう嫌気が差して来て、ほんの少し収納し始めた所で作業を放棄した様(よう)だった。

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 …一人(ひと)の生気に孤独が昇り、白亜(しろ)く爛れた四季(きせつ)の目下(ふもと)は過去を忘れて峠を追い駆け、日々の刹那へ自分を追い込む旧来独語(むかしがたり)をその掌(て)に嘗めた…。分厚(あつ)い摂理に自然が顕し、昼夜を問わずに孤独が堕ちると、情事(こと)の仕種は日にちを見て取る不満ばかりの人壁(かべ)を想わせ、旧(ふる)びた気色に自己(おのれ)を気取れる無解(むかい)の自主(あるじ)は孤独を愛して、白亜(しろ)く凝(こご)れる四季(きせつ)の象(かたち)は不毛を想わす夜宙(よぞら)を焚いた。一人(ひと)の孤独に自然(あるじ)が観るのは無知に息衝く独語(かたり)の故縁(えにし)の途切りで、泡(あわ)く成り立つ神秘(ふしぎ)を美声(こえ)には疑惑を按ずる感覚(いしき)を観た後(のち)、旧びた葦(あし)には刻(とき)が静まる〝無刻峠(むこくとうげ)〟の疑心が成り立ち…、退屈(ひま)を見付けて自由を愛する固陋と現行(いま)との遊歩を識(し)った…。多くの兆しが目前へと延び、過去の生録(きろく)を夢中にして来た一人(ひと)の淡味(あわみ)を宙(そら)へ遣る時、一人(ひと)と未(いま)との透りの裾には柔い四季(きせつ)が精神(こころ)を遮り、永久(とわ)の感覚(いしき)を基(もと)に正せぬ古都の遊歩を連続して観る…。気楼に仕掛ける孤独の在り処は、過去の途切りを疎かにもして、一人(ひと)と未(いま)との分厚味(あつみ)を想わす狂い咲きする正果(せいか)を述べた。一人(ひと)に遮る個録(ころく)の暗(やみ)には、偏屈ばかりが思牢(しろう)を想わせ、日々の成果(はて)から乱心(こころ)を着かせる〝しどろもどろ…〟を通算させ得た…。分厚(あつ)い脚力(ちから)を延々掲げる理知の空虚にその身を問う頃、人間(ひと)に寄り付く純心(こころ)の人陰(かげ)には意味を安める未信(みしん)が寄り添い、漆黒(くろ)い小宙(そら)から精神(こころ)を問うのは〝一人(ひと)の初歩(はじめ)〟の名残であった…。男性(おとこ)と一女(おんな)の美声(こえ)の限りに、未知を想わす空虚の逆行(もどり)は、過去に落ち着く企図の陰(かげ)にて〝幻(ゆめ)の夜風…〟と奈落を想い、問わず語りに栄華を求める不和の組織をその掌(て)に保(も)った…。一人(ひと)の形象(かたち)に自由が囁き、一人(ひと)の家畜に傀儡(どうぐ)が成るのは未来(さき)の一幻(ゆめ)にて、淡い気色を無知に凌げる人間(ひと)の八性(おろち)を好(よ)く好(よ)く観て居た…。気楼に囀る個録(ころく)の朗(あか)りは、無知に拡まり無頼を愛して、過去を塞げる個録(ころく)の所以(ありか)は「自由…」を欲して生育(そだ)て行った…。

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 …『ジョジョの奇妙な冒険』の配架位置が一番俺を悩ませた。多過ぎて、どの巻からどの向きに並べて行ったら都合が良いか、良く良く判らなかったのだ。

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 日々の個録(ころく)を過去に導き、無知と暗黙(やみ)との人間(ひと)の勝気は理損(りそん)に閃く身活を導き、日々に拡がる非道と明日(あす)とは暗黙(やみ)に導く効果を識(し)った…。明日(あす)に近付く過去(むかし)の自主(あるじ)は一人(ひと)を欺く過録(かろく)を置き去り、女性(おんな)の感覚(いしき)を無知に授ける不和と暗黙(やみ)との脆差(もろさ)を描(か)いた…。一人(ひと)に近付く日々と忌みには涼風(かぜ)に傅(かしず)く暗黙(やみ)が息衝き、日々にあしらう八頭(おろち)の形象(かたち)は利損(りそん)と未(いま)との過ぎ去りだけ見て、一人(ひと)に固める無知の白味(しろみ)は日々に拝める人山(やま)を辿った…。涼風(かぜ)に匿う無知の途切りは女性(おんな)の懊悩(なやみ)に息衝く陽(ひ)を折り、過去の生果を利潤に安める不安の華咲(はなさ)く臨機に概(おお)きく、未信に先立つ不毛の人形(かたち)は過去の感覚(いしき)と透りを悩ませ、一人(ひと)の孤独を街に惑わす白亜(しろ)く輝く不快を問い立て、人間(ひと)の界(かぎり)と理信(りしん)の一人(ひと)の暗黙(やみ)から瞬く間に発(た)つ不義利(ふぎり)を問うた…。利口に悩める不彩(ふさい)の広場は無知と人形(かたち)の不和を遅らせ、奇怪に息衝く孤独の一人(ひと)には不幸と現行(いま)との余韻を透し見、無知に息衝く孤独の人山(やま)には不安を乞わせる気楼を繁らせ、精神(こころ)の無知から果楽(からく)を滑らす不装(ふそう)の人形(かたち)を未完(みじゅく)に紐解き、暗(やみ)の同調(シンパ)に活き血を産むのは過去に悩ます惨さを識(し)った…。日々に近付く無信と気色は未知に脚色付(いろづ)く無彩(むさい)を見合せ、幻覚(ゆめ)の坂から未録(みろく)を畳める光沢(ひかりを射った…。一人(ひと)の暗(やみ)には愚行(おろか)が成り立ち、一人(ひと)の水面(みなも)は人陰(かげ)を果たせる不遜の感覚(いしき)を精華(はな)に翳した…。理由を途切れる個録(ころく)を見廻し、日々と幻覚(ゆめ)との過去(むかし)の一人(ひと)には白亜(しろ)く限れる孤独が表れ、日々に近付く人形(かたち)の暗(やみ)には夢想と未(いま)との不法を解(と)いた…。白亜(しろ)く昇れる個録(ころく)の幻覚(ゆめ)には人山(やま)に傅く冷たさが在り、男女(ひと)と現行(いま)との櫓の無形(かたち)は無知に匿う見真似を問うた…。無根に傅く一通(とおり)の小敗地(アジト)は旧(むかし)に並べる不安を匿い、一人(ひと)の繁味(しげみ)に夢中を届ける暗黙(やみ)と過去との自主(あるじ)を射った…。日々の人形(かたち)に利口が畳める不審と欲との四季(きせつ)は畳まれ、日々に息衝く個録(ころく)の幻覚(ゆめ)には過去に畳める孤踏(ことう)が揺られて、小宙(そら)と未(いま)との一人(ひと)の背後は未来(さき)に囲める無審(むしん)に寄った…。

      *

 …加えて『ジョジョの奇妙な冒険』の最終巻は、荒木飛呂彦が描いて居らず、最近出て来た「ポッと出の新人」が描(か)いて居り、名前を「増川…こういち」(?)とか言った(余り良く憶えて居ない)。それにその『ジョジョの奇妙な冒険』の最新巻は漫画本・文庫本の体裁(かたち)ではなく、何かリーフレット(或いはブックレット)の様(よう)に文庫本よりは少々サイズは大きいが、その分やや薄い代物に成って居た。

      *

 低い孤独が小宙(そら)を見下ろし、不安と現行(いま)との個録(ころく)の千夜(とばり)は暗黙(やみ)を紛らす不安を象(と)らせた…。不幸と現行(いま)との幻覚(ゆめ)の空転(まろみ)は不遇を窄める無刻(むこく)を執り成せ、人間(ひと)の感覚(いしき)が過去を悩ます非道の内実(なかみ)を昇進させ得た…。白亜(しろ)く成り立つ児(こども)の暗(やみ)には精神(こころ)と幻(ゆめ)との個録(ころく)が彩(と)られて、一人(ひと)と要局(かなめ)の詩吟の角(かど)には人山(やま)と彩色(いろ)との効果を識(し)った…。無知に活き尽(き)る孤独の懊悩(なやみ)は一人(ひと)の色香(いろか)を自然に並べ、無知に傅く一人(ひと)の空間(あいだ)は無理を呈(しめ)せる痛恨を知る…。一人(ひと)の千夜(とばり)は過去を悩ませ、日々に囲める不遜の列(ならび)は過去に活き尽(き)る人象(かたち)を射った。一人(ひと)の空間(あいだ)を旧(むかし)が摺(す)り抜け、白亜(しろ)く轟く言霊(こだま)の悪意は不幸に活き尽(き)る人山(やま)を飾った…。人間(ひと)と未(いま)との内実(なかみ)を選(え)り抜き、過去に語れる列(ならび)を訓(おそ)わり、暗(やみ)を見抜ける無頼の凄みは彩色(いろ)を愛する孤独を遣った…。人間(ひと)の体裁(かたち)は余信(よしん)を現し、人間(ひと)が変れる土台の内実(なかみ)は無知を相(あい)せる個録(ころく)を売った…。起隆(きりゅう)を想わす葦(あし)の肴(あて)には暗黙(やみ)を奏でる朗(あか)るさを観た…。不彩(ふさい)に息衝く孤独の暗(やみ)から個々を安める人密(みつ)を撓(たわ)めて、広く畳める大宙(そら)の懊悩(なやみ)は孤独を努める人間(ひと)を造った…。無知に悩める純心(こころ)の虚飾(かざり)は不審に靡ける旧(むかし)を透らせ、過去と現行(いま)との一人(ひと)の生家(せいけ)は無垢に悩ます不感を目指せる…。一人(ひと)に活き尽(き)る懊悩(なやみ)の房(ふさ)には淡い枠(わく)から可笑しみを観て、非道に掠める不当の人形(かたち)を欲に相(あい)せる経過(ながれ)を勝った…。人間(ひと)の内実(なかみ)に葦(あし)が勝ち取る幻覚(ゆめ)の大器は孤録(ころく)を編み出し、漆黒(くろ)い内実(なかみ)に無秩(むちつ)を湿らす旧い順序をその掌(て)に悩ませ、暗(やみ)の合図と宙(そら)の眺めは呼吸を訓(おそ)わる人形(かたち)を象(と)った…。旧(むかし)と未(いま)との純心(こころ)の列(ならび)は不幸の懊悩(なやみ)と虚空を呈(あらわ)し、無知の人形(かたち)に色気が執り成す不敗の温度を転がし続けて、現行(いま)に活き尽(き)る不幸の波には淡い信者が転々とした。過去の生路(きろ)から自己(おのれ)を相(あい)せる旧い千夜(とばり)はは冥利を忘れて、日々に連なる旧(むかし)の人山(やま)には魅力が失くなる悪しきを保(も)った…。幻(ゆめ)の一夜(とばり)に純心(こころ)が開(ひら)けて、無心の謳歌へ邁進する頃、幻覚(ゆめ)と人扉(とびら)は遠慮を識(し)らない不幸と現行(いま)とを懊悩(なやみ)に置き去り、暗黙(やみ)の内(なか)へと感覚(いしき)を相(あい)せる固陋の順序を人形(かたち)に観て居た…。一人(ひと)の形(かたち)と純心(こころ)を観るのは、旧来(むかしながら)の人畳(ひとだたみ)で在り、繁れる宿から生果を富ませる未信の成就を可笑しく観て居た…。

      *

 …二冊在った。一度その二冊を手に取って中身をパラ見で読んだ後、俺はそれ等を自分の勉強机の丁度(座った自分から)左上に見上げた所に差し掛かった書架に、再度、ぎゅうぎゅうとやや強く押し込めた。

      *

 …既知の巧みに幻惑(ゆめ)を追いつつ、不毛を煩う長寿の総ては、白亜(しろ)く昇れる孤独を織り成す無想の極意をその掌(て)に表し、非道(ひど)い仕打ちの精神(こころ)を潤す夢想の無頼に概(おお)くを見て居た…。四季(きせつ)を外れて幻覚(ゆめ)に追うのは無憶(むおく)の調子の列(ならび)に好く似て、一女(おんな)の貌(かお)から純心(こころ)を囀る一幻(ゆめ)の八性(おろち)に再現を観た。過去の人山(やま)から従順(すなお)を想わす不覚の縁者は純心(こころ)を揺さ振り、気楼に好く似た幻覚(ゆめ)の傘下は分厚(あつ)い人形(かたち)をその身に置き去り、低い小宙(そら)から甲斐を費やす暗(やみ)と勇気の牛歩の体(てい)には、一人(ひと)の芥(あくた)を陰府(よみ)に投げ売る過去の生録(きろく)を絶頂ともした…。一人(ひと)の是非から白雲(くも)が流れて、一人(ひと)の象徴(かたち)に陰影(かげ)が乗るのは手頃な記憶の言(こと)の葉(は)伝(づた)いで、奇妙の手下(てした)に自己(おのれ)が騒げる〝明日(あす)の吐息…〟と今日の小敗地(アジト)は、一人(ひと)の気憶(きおく)へ美味を与(あず)ける過業(かぎょう)の檻への醜態だけ識(し)る…。一人(ひと)の生録(きろく)と孤業(こぎょう)の独義(ドグマ)は無頼に扮する表情(かお)を退(しりぞ)け、一人(ひと)の手に乗る枯渇の進路は悪夢を手懐け鬱陶しく成り、日々の欲から自己(おのれ)を逆行(もど)せる非道の羞恥にその根(ね)を観て居た…。気楼に好(よ)く成る純心(こころ)の活路は〝暗夜(やみよ)〟に載せ生く孤独を見合せ、一人(ひと)に扱う孤独と天気は「幻(ゆめ)の活路」へ程好く活きた。一人(ひと)の栄華に利己(おのれ)が産れて、士農工商、下落を想わす杜撰な袋は小路(こみち)を挟める幻覚(ゆめ)に概(おお)きく、漆黒(くろ)く浄める小宙(そら)の小敗地(アジト)は俚諺に安める未完を買った…。人間(ひと)の未憶(みおく)に気性が生くのは旧来(むかしながら)の杜撰に伴い、悪しき幻(ゆめ)から孤独が培う気楼の〝小敗地(アジト)…〟をその瞳(め)に養い、一人(ひと)の気力と自己(おのれ)の無力を一声(こえ)に象る無心を抱(だ)いた…。起信(きしん)の概(おお)くに宙(そら)が気高く、見様見真似に匿う活命(いのち)は気高くも在り、幼女(おんな)の感覚(いしき)に未知が調(ととの)う幻(ゆめ)の経過(ながれ)は虚無に任せて従順でも在り、一人(ひと)の界(かぎり)に未来(さき)が透れる純心(こころ)の過憶(かおく)に無心が哭(な)いた…。気楼に憤(むづか)る小宙(そら)の目下(ふもと)は「人間(ひと)の恋…」から縁遠くも成り、無意味に活き着(づ)く無録(むろく)の従者に大宙(そら)の身元を鑑みながらも、一人(ひと)の王佐に〝軒端〟が在るのは気楼の終りの始まりだった…。

      *

 …まぁ取り敢えず、徐々に徐々にだが、少しずつ仕上がる任務、また部屋の片付き・書架内の整理・整頓が進んで居るのを見て、俺は少し満足して居た。

      *

 過去に息衝く木霊の癒しは苦慮を按じる故録(ころく)に素通り、無心に降(お)り立つ不思議と現行(いま)とは意味を悟らす暴力を観た…。過去に息衝く旧(むかし)の美声(こえ)には気力に落ち込む精神(こころ)が定まり、白亜(しろ)い気色に感覚(いしき)が定まる無浪(むろう)の自主(あるじ)の傍(そば)に観たのは、不届きから成る魅力の最後と、孤独の王者の礎だった…。一人(ひと)の最中(さなか)に見境無くして、幻覚(ゆめ)の八性(おろち)と故業(こぎょう)に退(の)くのは、人山(やま)の内(なか)から過録(かろく)を養う〝一人(ひと)と現行(いま)〟との懊悩(なやみ)を観た後(のち)、日々の分業(ノルマ)に可笑しく匿う未解(みかい)の活命(いのち)の悪行(あっこう)から観て、日々の許容(うち)へともどろを解(と)くのは〝一幻(ゆめ)の木霊〟と女性(おんな)に成った…。日々に集まる浮浪の感覚(いしき)は混沌足るまま魅力を訓(おそ)わり、悩める文化に司業(しぎょう)が集まる旧来(むかしながら)の呼吸に同じく、人山(やま)の目下(ふもと)の自主(あるじ)を観たのは軽い自己(おのれ)の四季(きせつ)に好く似て、意味を違(たが)えず沈黙するうち不毛の文化は分岐(みち)を辿った…。自己(おのれ)の感覚(いしき)へ気楼が片付く、幻(ゆめ)と気心(こころ)の脚色(いろ)には女性(おんな)が片付き、男性(おとこ)の眼(め)に観た生憶(きおく)の総ては化身を見落す軽みを養い、日々の軽さに王佐を手向ける未亡に集える故縁(えにし)の許容(うち)には、自己(おのれ)の自活(かて)から極力(ちから)を覚らす無謀と疾走(はしり)の勝者と成った…。非行の向きから神秘が得られて、日々の孤独に悪しきが発(た)つのは器量の学びの独義(ドグマ)と成りつつ、想いの総てを発起と見て取る一人(ひと)の数多と美声(こえ)の欲には、孤高の輪舞曲(ロンド)に日々を保(も)たせる〝不頼(ふらい)に始まる独義(ドグマ)…〟と成った…。過去の日々から霊(れい)が仕上がり、未来(さき)を按じる孤独の人壁(かべ)には、奇想の目下(もと)から孤独が積もれる日々の速水と個録(ころく)を着せ替え、哀しい瞳(め)をした自己(おのれ)の流行(はやり)は未信に活き着く独理(ドグマ)を見せ付け、論想(おもい)ばかりが過録(かろく)を導く幻覚(ゆめ)を速水へ雪崩(なだ)れて行った…。安想(おもい)の総理(すべて)に成就を観るのは生録(きろく)の千夜(とばり)と無知とを相(あい)して、空想(おもい)の総理(すべて)を孤独に詠み取る孤業(こぎょう)の決め手と連想(ドラマ)を観たのは、広い宙(そら)から生録(きろく)に留(と)まれる過去の速流(ながれ)の故縁(えにし)と成った…。気楼の流行(ながれ)に寡黙が立つうち一人(ひと)の信心(こころ)は無理を這わせて、非道(ひど)い刹那の物事(こと)の概(おお)くは気楼の故縁(えにし)と宙吊りに見て、一人(ひと)に咲き生く純心(こころ)の小敗地(アジト)は絵具(えのぐ)の効果を純朴にした…。

      *

 …俺は「宙に書かれた自分用のスローガン」を何度も目覚めて起きて書こうとするが、書いた振りだけを何度も見せられ、本当には(携帯に)何も書かれて居ない事を知ると、夢の内(なか)ででも馬鹿に落胆して居た。

      *

 平和に富むのは女性(おんな)の内実(なかみ)で、情事(こと)に浮かれる孤独の端には幻覚(ゆめ)の輪舞曲(ロンド)が極論だけ観て、当面頼れる孤独の悼みは意味を配して枯渇を見忘れ、素通りして往く故縁(えにし)の許容(なか)には〝身内〟に頼れる有難さが在る。過去の悪魔に人間(ひと)を幻見(ゆめみ)て、商いばかりに空虚が発(た)つのは〝人山(やま)の身重…〟の故郷(ノスタルジー)で、一人(ひと)の快無(オルガ)を悦(えつ)に相(あい)せる旧い気色の独義(ドグマ)と自主(あるじ)は、一人(ひと)に象(と)られた理屈の小敗地(アジト)と寝屋の広さを有難がった…。無意識から成る精神(こころ)の主宴(うたげ)は過去に頼める人密(みつ)を足(た)らしめ、一人(ひと)の家屋に透りを求める俚諺の故縁(えにし)に聡明を見た…。自己(おのれ)の過去から感覚(いしき)を確かめ、一人(ひと)の自主(あるじ)を過去に置くのは、幻覚(ゆめ)と果楽(からく)の光沢(ひかり)の内から現行(いま)を逆上(のぼ)れる生憶(きおく)を観た儘、人間(ひと)の道標(しるべ)に独語(かたり)を魅せ往く幻(ゆめ)の往路に散々(さんさん)して居た…。人間(ひと)に疾走(はし)れる孤独の自主(あるじ)は過去を宜しく邪にも観て、一人(ひと)の所以(ありか)を化身に保(も)ち出す〝人物(もの)の見事〟に怪楽(けらく)を識(し)った…。明日(あす)に従う精神(こころ)の悪夢は退屈(ひま)を見付けて空転(まろび)を受け持ち、日々の一形(かたち)を千夜(とばり)に見て居る一人(ひと)の本意を失墜に見て、明日(あす)と現行(いま)との純心(こころ)の美声(こえ)には果楽(からく)を遮る御託を並べ、分厚(あつ)い人壁(かべ)から純心(こころ)を揺るがす不透の故縁(えにし)を化身(かわり)に識(し)った…。白亜(しろ)い四季(きせつ)に糠喜びして、過去に煩う葦(あし)を掌(て)に採り、一人(ひと)の目前(まえ)にて可笑しく列(なら)べる呼吸の脆さは正慮(せいりょ)をしながら、白亜(しろ)い佳日に無暗(むやみ)を夢見る固陋の信者と想盟(そうめい)して居る…。一人(ひと)の過去から故縁(えにし)を好く観て、気楼の気色に若輩を観て、人間(ひと)の佳日に身悶えして生く〝幻(ゆめ)と自主(あるじ)の紀行〟を買うのは、自由の身元で理解を囁く旧い空転(まろび)と人形(かたち)であった…。幻覚(ゆめ)と故縁(えにし)に見境無くして、一人(ひと)の自主(あるじ)へ無根を期すのは、過去の自主(あるじ)と気楼の微温味(ぬるみ)と幻想(ゆめ)の魅惑へ許容を観た儘、旧い故縁(えにし)へ透り過ぎ往く〝一人(ひと)の活路…〟を既視(おおめ)に観て居た…。

      *

 …魅了され生く静寂(しじま)の従者は見様見真似で決(けつ)を採り活き、一人(ひと)の静寂(しじま)に身悶えして生く固陋の主宴(うたげ)を無き物とした…。

      *

 人間(ひと)の造形(かたち)に無謀を象り、日々に耐え貫(ぬ)く精神(こころ)の様子は、孤高に見紛う過去の自主(あるじ)の未亡の芥(あくた)の反りに手招き、明日(あす)の様子は気心(こころ)を透れる旧い気色の活路を彩(と)った…。日々の気心(こころ)へ無垢が仕上がり、不毛の活路を身塵(みじん)に置く頃、幻覚(ゆめ)に相(あい)する自己(おのれ)の孤独は過去の独理(ドグマ)へ浸透しながら、幻(ゆめ)の日々への未惑(みわく)と恋には分厚(あつ)い人体(からだ)の表情(かお)が見え出し、明日(あす)の人山(やま)から故録(ころく)が挙がれる奇妙の小敗地(アジト)へその瞳(め)を観て居た…。家の内には孤独が佇み、過去(むかし)が落ち着く明るみを観て、日々の打ち出をその掌(て)に安める未来(さき)と自主(あるじ)の個録(ころく)に従い、自己(おのれ)の日(ひ)に発(た)つ個々の主宴(うたげ)は未知を象る蜃気を目前(まえ)に、淡く成り立つ気心(こころ)の調子は延々咲かない精気を折った…。過去に落ち着く孤踏(ことう)の輪舞曲(ロンド)は日々に生い立つ自己(おのれ)を観た儘、幻覚(ゆめ)の家宅と精神(こころ)を費やす不毛の小敗地(アジト)と乱心(こころ)を迷わせ、日々に突き出す気楼の進みは分厚(あつ)い日々から人壁(かべ)を見出せ、日々の迷いに一路の途(と)を観る〝幻(ゆめ)の佳日〟をその掌(て)に識(し)った…。白亜(しろ)く尖れる精神(こころ)の途(と)に立つ日々の残骸(むくろ)は未来(さき)を観ながら、過去に相(あい)して精神(こころ)を惑わす頑な差(さ)を見て〝淡い途次〟には連歩(れんぽ)を相(あい)し、一人(ひと)と一人(ひと)との繋がりから成る気労(きろう)の枯渇は有頂を識(し)りつつ、紅(あか)く成り立つ神秘(ふしぎ)の翌朝(あさ)には過去を頼らぬ旧(むかし)が在った…。小宙(そら)の許容(うち)から気心(こころ)が成り立ち、自体(おのれのからだ)は未来(みらい)を信じ、日々に拙い過去の空間(あいだ)は男女(ひと)を按じて呼吸を気にして、人密(みつ)の果てから生録(きろく)を執り成す〝不良の音頭…〟は呼吸を愛し、過去に活き発(た)つ孤々(ここ)の酒宴(うたげ)は盛(さか)りを知らずに造花を売った…。周りの活路に勢い余り、未信と未(いま)との呼吸の総ては未解(みかい)に片付く孤録(ころく)を連れ添い、日々の幻(ゆめ)から透りに導く非道の自主(あるじ)は先を重んじ、日々の行方に孤録(ころく)を閉ざせる不毛の信仰(まよい)にその芽を識(し)った…。未亡に傾く一女(おんな)の姿勢(すがた)は価値を見送り堕落を愛し、日々の主宴(うたげ)に不毛を観る儘〝都会の小敗地(アジト)〟に生録(きろく)を隠され、日々の調子(リズム)に安歩(あんぽ)を養う理知の芽をした孤独が在った…。


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~別の咎~(『夢時代』より) 天川裕司 @tenkawayuji

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