~酔狂(くる)った挿話(はなし)~(『夢時代』より)

天川裕司

~酔狂(くる)った挿話(はなし)~(『夢時代』より)

~酔狂(くる)った挿話(はなし)~

 …生録(きろく)伝(づた)いに未惑(みわく)を二重(かさ)ねて、自由の棲家を使途(しと)に観る内、一人(ひと)に囃せる古録(ころく)の便りは未亡を二重(かさ)ねる情死を産み出し、生録(きろく)伝いに夢中を欲しがる器用と愛露(エロス)の好色を観た…。

      *

 …俺と父親と母親が、津波に襲われ、すっかり沖合と化した様な浸水の上に我が家が在るのを俺は見て居た。はっきり言って怖かった。俺と父親と母親は二階の俺の部屋に皆集まり、母親はベッドを持って来てきちんと寝て、俺と父親は何度も何度も窓から見える、全く勢い衰える事の無い、大きく揺れる海水の様子を眺めて居た。

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 一人(ひと)の純心(こころ)に無謀が成り立ち、不幸と未(いま)との懊悩(なやみ)の許容(うち)には〝見応え無いまま不頼(ふらい)を立たせる無機の生気…〟に息衝く儘にて、過去の許容(なか)まで精神(こころ)を保(も)ち出す不彩(ふさい)に相(あい)する孤業(こぎょう)を試み、人間(ひと)と無垢との暗(やみ)の自然(あるじ)は不彩に息衝く人象(かたち)に吟味(あじ)わう…。糧に置き去る暗(やみ)の自主(あるじ)は不通に息衝く精神(こころ)を保(も)ち出し、一人(ひと)と未(いま)との風見(かざみ)の許容(うち)には暗(やみ)の信途(しんと)の味気(あじけ)を絵に見た。一人(ひと)に息衝く精神(こころ)の成果(はて)には旧来挿話(むかしばなし)に黄昏だけ観て、幻夢(ゆめ)の価値から真心(こころ)を安(やす)める無垢の行儀に倣いを識(し)った…。一人(ひと)と行儀の虚ろの許容(なか)から幻(ゆめ)に集まる誉れは退(の)けられ、一人(ひと)の絵に立つ滑稽(おかし)な独義(ドグマ)は過去に成り立つ神秘(ふしぎ)を観て居る…。不幸を棄て去る自体(おのれ)の正義は明日(あす)と現行(いま)との人形(かたち)を見て居り、不安が切り裂く無価値の塒は気楼に紛れて慌しく成る…。一人(ひと)の概(おお)さに白衣(ころも)を脱ぎ去り、私欲(よく)を眼(め)にする浮浪の横には、幻夢(ゆめ)の千夜(とばり)が故縁(えにし)を高める安い人形(かたち)の未来(さき)が泡立ち、一人(ひと)の生義(せいぎ)と身重の人象(かたち)は寝屋の微温味(ぬるみ)を過去(むかし)に転じて、淡く篭れる律儀の郷(くに)から理知を愛せる田舎へ飛んだ…。蟲(むし)の息(いき)から乱心(こころ)が燃え立つ旧い千夜(とばり)と故縁(えにし)はそれでも、過去に基づく孤業(こぎょう)の内実(なかみ)に浮浪を愛する独義(ドグマ)が成り立ち、幻(ゆめ)と陽光(ひかり)に人形(かたち)を導く扶養と未(いま)との純心(こころ)の陰には、自由を愛して独語(かたり)を保(も)てない脆弱(よわ)い弛(たる)みを絵にして描(か)いた…。気楼に息衝く孤独の陰には、暗(やみ)に近付く人壁(かべ)を眼(め)にして、様子見から発(た)つ向日の自然(あるじ)に蹴締(けじめ)を見限る試みさえ保(も)つ…。人間(ひと)の欲から過去を導く幻夢(ゆめ)の千夜(とばり)は理知を捨て去り、器用に導く旧(むかし)の塒を暗黙(やみ)に仕舞える慈しみを識(し)る…。女性(おんな)の生義(せいぎ)に夢中を観るうち過去の正義は瞬く間にして、一人(ひと)の逆上(のぼり)の快無(オルガ)の四隅(すみ)から毅然を突き付け怪楽(けらく)を頬張る…。幻夢(ゆめ)の許容(うち)から身欲(みよく)が紡げる滑稽(おかし)な勇気は頭(かしら)を踏み分け、一人(ひと)に知れずに財(ざい)を護れる価値の動作は惨さを排して、幻(ゆめ)に並べた孤独の従者は気楼に塗(まみ)れた悪夢を見付けて、脆弱(よわ)い佳日に未知を識(し)り往く男性(おとこ)の宙(そら)への流行(ながれ)を採った…。一人(ひと)の寝間から生録(きろく)が跳び立つ幻(ゆめ)と神秘(ふしぎ)の自主(あるじ)は遠退き、既知を巡らす無己(おのれ)の欲には一人(ひと)の峠が理想を叫び、一人(ひと)の流行(ながれ)に佳日を幻見(ゆめみ)る使途(しと)の行方はきらいを審じ、〝併せ鏡〟で俗世(このよ)を見守る旧い摂理の安堵を識(し)った…。

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 …災害が来ても何時(いつ)もの通りに直ぐ収まるだろうと、「この窓から見える波も引くもの」と努めて呑気に構えて居た俺達家族であったが、すっかり他の家が波に呑まれて見得なくなったその景色を見て居ると、とてもそう楽観出来る知りものじゃないと言う事が段々実感された。父親と俺は早朝の五時くらいに起きて居た。

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 不和の流行(ながれ)に過去を呼び付け、旧来挿話(むかしばなし)と故録(ころく)の暗(やみ)には無心に蔓延る独語(かたり)が静まり、自己(おのれ)限りの利口の自主(あるじ)は過去を描(えが)ける芥(あくた)を装い、幻夢(ゆめ)に信じた無痛の信途は塞いだ生録(きろく)に女性(おんな)を観て居た…。宙(そら)の叫(たけ)びに自然(あるじ)を装い、自己(おのれ)の無垢には一通(とおり)が生育(そだ)ち、昼の最中(さなか)に夜通し観て生く岐路と肴(さかな)の演術(えんじゅつ)だけ採り、塞いだ独理(ドグマ)の過去の列(ならび)は小宙(そら)に偽る幻夢(ゆめ)を貰って、併せ絵図から無刻(むこく)を割かせる不安に際した冒涜を観た…。無知に活き尽(き)る夜半(よわ)の信途は守りに基づく麗しを観て、端正(きれい)に片付く一人(ひと)の小界(かぎり)は未信に息衝く八性(おろち)と同じく、女性(おんな)の芽(め)を刈り独理(ドグマ)を濡らすは非道と現行(いま)との悪しきを追った…。未来(さき)を演じる試心(こころ)の濡れ場は小宙(そら)に蔓延る故縁(えにし)を蹴落(けお)とし、白亜(しろ)く縮まる旧来独語(むかしがたり)を始動に堕として斬新だけ見て、白亜(しろ)く脚色付(いろづ)く文言(ことば)の生気は微動だにせず思春(ししゅん)を保(も)った…。幻覚(ゆめ)の狭間で途切りを保(も)つのは旧い寝屋での生活であり、男性(おとこ)と一女(おんな)の孤独の小敗地(アジト)は自活(かて)を好く見て紺(あお)さを信じ、微動だにせず人間(ひと)を審じて孤独を待つのは〝自由を毛嫌う悪夢…〟と成った…。途(みち)を按じて呼吸を伴う幻(ゆめ)の景色は単体(からだ)を与(あず)けて、過去の遠さを生路(きろ)に渡せる鬼神の如きの独気(オーラ)を感じて、一女(おんな)に振舞う幻(ゆめ)の懐古は生羅万象(せいらばんしょう)…、一人(ひと)に識(し)られず淡きを落せる河(かわ)の畔(ほとり)を彷彿させ得た…。幻(ゆめ)の未活(みかつ)を自然(あるじ)に眺めて未知に温(ぬく)める気楼の成果は、華(はな)の盛(さか)りに欺瞞を牛耳る明日(あす)の論破を遣り場(ば)に見付けて、一女(おんな)の生果に安堵を牛耳る一人(ひと)と故録(ころく)の緩慢を見た。男性(おとこ)に傅く女性(おんな)の姿勢(すがた)は、天に見付ける神秘(ふしぎ)を設けて、幻(ゆめ)の亘(わた)りに御剣(みつるぎ)だけ見る過去の生果は私欲(よく)を投げ突け、旧い遣り場に無価値を見送る哀しみだけ識(し)る養者(ようじゃ)を識(し)った…。出戻りして生く過去の生果は見知らぬ郷(くに)から理論を手招き、明日(あす)に手招く輪舞曲(ロンド)の仕打ちと古郷(こきょう)の分業(ノルマ)に姿勢(すがた)を見渡し、一女(おんな)に片付く無刻(むこく)の自主(あるじ)は人密(みつ)を按じて結託して活き、一人(ひと)の電子に酔狂(くるい)を観て往く孤々(ここ)の気流(ながれ)に土台を見付けた…。気楼に信じる試心(こころ)の流行(ながれ)は気楼の相(そう)から故縁(えにし)を見付けて、過去の人形(かたち)に無知を按じる一人(ひと)の両腕(かいな)を併せて詠んだ…。既知の行方に身悶えする頃〝旧来挿話(むかしばなし)の詭論(きろん)〟は挫けて、併せ鏡に牛歩を観て居る幻夢(ゆめ)の未完(みじゅく)と蝙蝠を見た…。男性(おとこ)の棲家へ一女(おんな)が入(い)るのは過去の人形(かたち)と悪漢(おとこ)の牛車(ぎゅうしゃ)で、世迷(よまい)を忘れて通せんぼをする〝未覚峠(みかうとうげ)…〟は二重(ふたえ)に失(き)えた…。

      *

 …故に母親はベッドに寝ながら、

「まだ早いから、寝とりよ(まだ早いから寝て下さい)」(『ゲゲゲの女房』の松下奈緒の口調で)

と俺と父親に言って居た。(丁度この夢を見て一度目覚めた時に、『ゲゲゲの女房』の、ふみえ・松下奈緒の〝愛子〟の出産の話をやって居り、「もうちょっと寝とって下さい」と言うシーンが流れた直後だった。詰り、そのドラマでの声が俺の夢の内へと流れ込んだのだと言う事が分った)。

      *

 …囲いの許容(うち)より水面(みなも)が溢れて美声(こえ)の静味(しずみ)に過保護を置いては、過去と旧(むかし)に未知を導く憂いの仄香(ほのか)を芥(あくた)に近付け、一人(ひと)の世から観た孤独の波間は人間(ひと)を寄せ付け、白亜(しろ)く途切れる旧来(むかし)の列(ならび)は表情(かお)を保(も)たない安堵を識(し)った…。老爺(ろうや)に導く孤独の瞬時(とき)には好々爺に立つ穏やかさが観え、一人(ひと)の無機にて淡路を誘(さそ)える旧来独語(むかしがたり)の虎視を訴え、漆黒(くろ)い遊戯に未然を備える無知の人形(かたち)は思春を訴え、自己(おのれ)ばかりを過去に迷わす夢中の日(ひ)の粉(こ)を虐待に見た…。一人(ひと)に傅く精神(こころ)の並びは過去の自主(あるじ)と途方を訴え、未然に落ち着く女性(おんな)の弛(たる)みは途切りを知らない老婆を訴え、一人(ひと)の自主(あるじ)に人形(かたち)を育てる孤高に息衝く旧(むかし)は未(いま)でも、宙(そら)と明日(あす)との虚無を訓(おし)える気質(かたぎ)の仕事に精進して居た…。未知に息衝く乱心(こころ)の迷いは宙(そら)を煽げる無刻(むこく)を飛び越え、一人(ひと)の重荷を旧(むかし)に覗ける昔凌ぎの罵倒に発(た)った…。一人(ひと)の自主(あるじ)に定形(かたち)が留(とど)まり無類の千夜(とばり)に八性(おろち)が立つのは、未婚の生徒が乱心(こころ)を描ける未来(さき)の外地(がいち)へ一女(おんな)を手招き、自由に傅く八性(おろち)の柔裸(やわら)は生本(きほん)を知らずに堅く笑った…。自由に片付く乱心(こころ)の片手は幻(ゆめ)に見紛う精気を扱い、一人(ひと)に零れて笑顔を振りまく一女(おんな)の進歩を御殿に見ながら、過去を取り巻く〝自由の主観(あるじ)〟は小手(こて)を見送る巣立ちに在った…。自由を見限る事前の毒には「幻(ゆめ)の自主(あるじ)」がぽつんと突っ立ち、男性(おとこ)と女性(おんな)の自由を解(と)いては未亡に迫れる佳日に訴え、素人(ひと)の仕種に軒端を二重(かさ)ねる未来(さき)を信じた傀儡(どうぐ)を保(も)った…。漆黒(くろ)く途切れる乱心(こころ)の従者は失踪して生く乱心(こころ)を動かし、女性(おんな)の問いから一男(おとこ)の恋まで自由を動かし未然を繕い、旧(ふる)びた自主(あるじ)に人道(みち)を付け往く恋心(こころ)の王者は悪態だけ見て、漆黒味(くろみ)に途切れる男性(おとこ)の勇赦(ゆうしゃ)は鬨(とき)に紛れて棒を振るった。男性(おとこ)の刻(とき)から絵馬に寄り付く文言(ことば)の千夜(とばり)は一女(おんな)を描き、夜半(よわ)の恋から未信(みしん)を紐解く〝自由の自主(あるじ)〟は文句(ことば)知らずに旧(むかし)を追い駆け、信心から見た傀儡(どうぐ)と鳴りには旧来挿話(むかしばなし)の挿絵を差し出し…、幻夢(ゆめ)の個録(ころく)と滑稽(おかし)な傀儡(どうぐ)は済し崩しに成り峠を越えた…。一人(ひと)の背中に権利を打ち立て、孤独伝いに虚無を見限り、一人(ひと)の毒から乱心(こころ)を牛耳る未完の相手を固陋に見た儘、一人(ひと)に知られず無口に問うのは華やか差に識(し)る俚諺と成った…。過去の脆さに足掛かりを観て、幻想(ゆめ)に散ら張(ば)る孤録(ころく)を観た時、一人(ひと)の憤怒に悪態吐(づ)き往く孤独の王者と網羅を観た儘、幻(ゆめ)の自主(あるじ)と一人(ひと)の主観(あるじ)を孤業(こぎょう)に仕立てて夢散(むさん)に遭った…。

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 …俺は確か大学の事を、父親は仕事の事を、夫々心配して居り、天気予報は見て居たか居なかったか分らないが、この様(よう)な途轍も無い現象の中で今後どう成るか分らない浸水の上に置かれた俺達一家の行方を按じない訳には行かなかった。

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 過信に浮べる小宙(そら)の行方は大地を求めて自然(あるじ)を装い、白亜(しろ)く揺さ振る孤独の盲者(もうじゃ)は過去を忘れて幻覚(ゆめ)を嘆いて、一人(ひと)の仕種に郷里を観るのは女性(おんな)の体裁(かたち)と富貴であった。未信に活き着(づ)く乱心(こころ)の暗(やみ)には一人(ひと)の生録(きろく)と自主(あるじ)を失くして、幻物語(ゆめものがたり)に観る分厚(あつ)い人壁(かべ)から一人(ひと)を信じぬ手掛かりだけ買い、幻覚(ゆめ)に優れる夢中の自主(あるじ)は生本(きほん)に息衝く文言(ことば)を垣間見、旧い気色に宙(そら)を買うのは千夜(とばり)に降(お)り立つ惨さであった…。男女(ひと)に幻見(ゆめみ)る過去の一夜(とばり)は旧びた気色に身悶えして活き、自己(おのれ)の躰と不遇を射止める未来(さき)の感覚(いしき)は起信(きしん)に名高い自由を按じて、奇妙を絵に描(か)く夢中の日下(ひもと)は立身して活き、一人(ひと)に汚(よご)れて一人(ひと)に頼れる旧来(むかし)の蜃気は一転して居た…。白亜(しろ)く逆上(のぼ)れる木霊の空気は自由を見兼ねた感覚(いしき)に生い立ち、一人(ひと)の四季(きせつ)に活路を見出す自由と過去とは微妙を気取らす快無(オルガ)を背に観て、明日(あす)に繋がる自由の感覚(いしき)は夢中に名足(なだ)たる故縁(えにし)を見たまま虚無へと脱し、自由に集まり未来(さき)に集まり未来(さき)を按じる虚兵(きょへい)の小敗地(アジト)を可笑しく描(か)いた…。自由に積もれる自己(おのれ)の信者は夜半(よわ)に息衝く小声(こえ)を背にして〝未覚(みかく)〟を伴う故縁(えにし)の行方に男女(ひと)を寄らせぬ小敗地(アジト)を設け、一人(ひとり)きりでも過去を画(え)にする未活(みかつ)の杜へは活命(いのち)を与(あず)けて、過去を絵に描(か)く自己(おのれ)の自由は夢中を報さぬ途切りを識(し)った…。一人(ひと)の夜(よ)に立つ旧(むかし)の諸刃(やいば)は、過去に寄り付く不遇を排して、暗(やみ)の許容(うち)へと残骸(むくろ)を象る問わず語りの栄誉を投げ棄て、一人(ひと)に導く欲の活路は無難を観たまま無業(むぎょう)を捨てた。分厚(あつ)く成り立つ感覚(いしき)の目下(ふもと)は身近に埋(うも)れた呼吸(ひと)を観た儘、幻覚(ゆめ)の八頭(おろち)の夢幻(むげん)が切り裂く素性の灯(あか)りを聖夜に打(ぶ)つけた…。一人(ひと)に降(お)り立つ杜撰の魔の手は暗黙(やみ)に隠れた精神(こころ)を拡げて、一人(ひと)の両掌(りょうて)に未来(さき)を見て居る旧来独語(むかしがたり)の独義(ドグマ)を識(し)った…。広く備えた古都の上気に未信が羽ばたく自由の快無(オルガ)は、一人(ひと)の暗間(やみま)に自己(おのれ)を盛(も)り裂く宙(そら)の陽気を安堵に敷いた…。一人(ひと)の核(かく)から未活を設ける幻(ゆめ)と自己(おのれ)の生気は旧(むかし)に訴え、一人(ひと)が活き尽(き)る無我の境地を明日(あす)に信じて狂気に従え、一人(ひと)の朝日に未活が訪ねる自由の自主(あるじ)は孤独を訴え…、過去の絵に立つ不遇の狂喜は理心(りしん)を按じて素戻(すもど)りして居た…。見様見真似で朝日を尋ねる生憶(きおく)の栄誉は宙(そら)へと挙がり、問わず語りの無明(むめい)の自主(あるじ)は見本を絵に割く両掌(りょうて)に従え、一人(ひと)に逸(はぐ)れて八性(おろち)を看破(みやぶ)る過去の微温味(ぬるみ)は記憶を安め、幻(ゆめ)の未活を過渡に見送る無業の同調(シンパ)は生則(きそく)を保(も)った…。人間(ひと)の弾みで俗世が仕上がり、夢中に紐解く我が家の主(あるじ)は〝幻(ゆめ)と孤独…〟の夢中に蔓延る夢心(むしん)の活命(いのち)に雅(みやび)を扱い、幻覚(ゆめ)の企図から孤独を畳める未知の生憶(きおく)に杜撰が発(た)つのは、一人(ひと)の余りに生路(きろ)が名高い未来(さき)と現行(いま)との夢中が発(た)った…。

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 …(父親)「もう目が覚めてしもたわ…。こんな調子やったら、今度いつまた大きいのんが来るか分らへんで。まだまだ引かへんとちゃうか?」

(俺)「これは前代未聞の景色やで。今まで見た事も無い。こんなに海水が、ここまで入って来るなんて思いも寄らなんだわ。ちょっと、やばいかもな…。」

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 …幻(ゆめ)と純心(こころ)の檻から出るのは猛獣ばかりの峠の円にて、不敗と暗(やみ)とが堅く成り立つ不義の要(かなめ)と未信は現行(いま)でも、幻(ゆめ)の颯(はやて)に密(ひっそ)り立つのは〝不機嫌〟から成る無謀であった…。白亜(しろ)い途切りの利潤に惜しまれ、不自由から観た傀儡(どうぐ)は未(いま)でも、不義の要(かなめ)に身塵(みじん)が貫く行方知れずの小声(こえ)が凌いで、幻(ゆめ)の速水へじりじり近付く不幸と相図(あいず)の途電(とでん)を識(し)った…。過去に浮べる孤録(ころく)の暗(やみ)には生録(きろく)と未(いま)との不本が瞬き、昼の最中(さなか)へ過去が降(お)り立つ不幸と幻(ゆめ)との抗議を携え、暗(やみ)に静める未覚の自主(あるじ)は不通に投げ立つ静味(しずみ)を保(も)った…。一人(ひと)の岐路から精神(こころ)を織り成し、幻(ゆめ)の多言(たげん)に謳歌を観るのは「過去の千夜(とばり)」と愚かを観る内〝生録(きろく)違いの体形(かたち)〟を集めて、見様見真似で小言(ことば)を遮る過去の八性(おろち)を非道に置くのは、漆黒(くろ)く棚引く夜毎の勇者と歴代から見た物の怪でもある。一人(ひと)の過去(むかし)へ気楼を立て往く旧い佳日の凪を肴(さかな)に、奇想の自主(あるじ)を美声(こえ)に宿せぬ未亡の杜から可笑しく買うのは、白亜(しろ)く棚引く幻覚(ゆめ)と四季(きせつ)の杜撰の概(おお)くを世迷(よまい)に愛して、見様見真似に貨物を見送る明日(あす)の正気に出戻り出した…。一人(ひと)の果楽(からく)を名残に満たせる夜半(よわ)の人煙(けむり)に未盲(みもう)を詠むのは、白亜(しろ)く訪ねる幻(ゆめ)の自主(あるじ)の日々に基づく不明に好(よ)く似て、一人(ひと)の機密に未覚を問うのは夜話(やわ)の意味から明るさだけ観て、低い小宙(そら)へと衝動(うごき)を消すのは一人(ひと)の気配に集めた実(み)である…。生録(きろく)の内実(なかみ)に見様(みよう)を阿る意思の強さに自己(おのれ)を見るのは「夢中を相(あい)する暗(やみ)の古録(ころく)…」と自体(おのれのからだ)の欲に阿り、日々の空間(すきま)へすんなり篭れる男女(ひと)の轆轤と体形(かたち)を葬り、術(すべ)を知らない仮装の中身と千夜(とばり)の生果へ疾駆を睨(ね)めた。幻(ゆめ)の流動(うごき)に見真似を相(あい)せる旧い御伽は起草を絵にして、過去の許容(なか)から快無(オルガ)を相(あい)せる浮浪の気色にその身を萎ませ、旧い一通(とおり)に未己(みこ)を望める自体(おのれ)の無知には自然(あるじ)が問うのは呼吸の活命(いのち)と浮惑(ふわく)と成った…。一人(ひと)に途切れる〝独語(かたり)〟の四隅は女性(おんな)を絵にした大事(おおごと)から見て、一人(ひと)の体裁(かたち)に人密(みつ)を相(あい)せる〝旧い日(ひ)の掌(て)〟は欄干へと乗り、期待外れの過去(かこ)と未(いま)との退屈(ひま)を余せる素通り等には、幻覚(ゆめ)の体裁(かたち)に見真似を与(あず)ける欲と遊離の合図を保(も)った…。人密(みつ)に始まる旧来(むかし)の柵(とげ)には、退屈(ひま)に二重(かさ)なる憂いが透り、一人(ひと)と現行(いま)との小声(こえ)の巣立ちに起用が招ける滑稽(おかし)な素振りは、我夢(がむ)に凌げる身欲(よく)の前後と杜撰の日々へと生育(そだ)って行った…。

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 …とにかく俺達はまるでこの一家のみぽつんと取り残された様な、これまで過して来た住宅地の中の滅茶苦茶寂しい我が家の事を想い、また胸の底から湧いて来る様な焦燥に似たわくわく感の様なものを感じて居た。

      *

 不和に片付く規矩の翳りは一人(ひと)の空間(あいだ)に不感を顕し、一人(ひと)の人密(みつ)から空虚を煩う旧来独語(むかしがたり)の不穏の意地には、白亜(しろ)く棚引く四季(きせつ)が逆らう未然の自主(あるじ)を手中に納めた…。気楼に移ろう幻(ゆめ)の労苦は悲惨と現行(いま)との暗(やみ)を足掻いて、一人(ひと)の未憶(みおく)に夢中を着飾る無知の故縁(えにし)に小宙(そら)を仰いで、暗黙(やみ)に腐らす男女(ひと)の感覚(いしき)と身重の姿勢(すがた)は、起死に寄り着く無我の極致と自然(しぜん)の哀れに自己(おのれ)を問うた…。女性(おんな)の活路は幻(ゆめ)を諦め、過去を問わずに逸(そ)れる魔の手は、白亜(しろ)く棚引く人間(ひと)の空(そら)から夢中に蔓延る不様を絵にして、一人(ひと)と自然(あるじ)の孤業(こぎょう)の轆轤は幻(ゆめ)を按じて仕種を買った…。一人(ひと)に空転(こど)がる夢機(むき)の嘆きは繁味(しげみ)に突き出る身欲(よく)を按じて、女性(おんな)の操舵に未一(みいつ)を崇める男性(おとこ)の手下(てくだ)へ転倒(ころり)と安転(ころ)がり、一人(ひと)を繕う未活の幻(ゆめ)には母胎(ぼたい)を按じる虚空(そら)を象り、一人(ひと)の過去から自主(あるじ)を問うのは旧来独語(むかしがたり)の操舵に成った…。一人(ひと)と現行(いま)との孤録(ころく)の空間(あいだ)は過去を眺める旧来(むかし)を問う儘、退屈(ひま)を余せる髑髏の人陰(かげ)から未活に紐解く安堵を掌(て)にして、一人(ひと)に知られず孤独を煩う四季(きせつ)の牧歌と女性(おんな)を識(し)った…。幻覚(ゆめ)の愚行(おろか)と旧(むかし)の自主(あるじ)は孤業(こぎょう)を射止めて印(しるし)を欲しがり、意味の生録(きろく)を過去に語れる不穏と幻(ゆめ)との殴打を識(し)った…。一人(ひと)に知られず孤独に問うのは、暗(やみ)に見紛う思乱(あらし)の寝屋にて、一人(ひと)の自主(あるじ)が孤独を繕う旧来独語(むかしがたり)の自然(あるじ)を睨(ね)めては、一人(ひと)に知られず篭りの隙から人頭(どくろ)を囃せる自信を識(し)った…。無知の幻覚(ゆめ)から無口を這わせる徒労に纏わる旧(むかし)の令句(れいく)は、一人(ひと)へ寄り付く孤独の自主(あるじ)と寝屋の傀儡(どうぐ)に物持ちだけ観て、一人(ひと)の快無(オルガ)に甲斐を見て取る自己(おのれ)の生義(せいぎ)と真っ向とを観た…。一人(ひと)の感覚(いしき)を微睡みから観て、人物(もの)に列(なら)べる自然(あるじ)の形(かたち)は精神(こころ)に織り成せ、一人(ひと)と現行(いま)との活命(いのち)の並びは過去に活き尽(き)る感覚(いしき)を観た儘、幻(ゆめ)に紐解く無業の自主(あるじ)は孤高に安まる無口を講じた…。一人(ひと)に操る孤独の行儀は過去の快無(オルガ)と個録(ころく)を絵にして、比較ばかりに暮れ始めて往く未一(みいつ)の気色に男女(ひと)を確かめ、人密(みつ)の頭上(うえ)から乱心(こころ)を辿るは一人(ひと)の生果と出戻りだけ採り、過去の生憶(きおく)に落ち着く集成(シグマ)は一幻(ゆめ)の灯(あか)りへ巣立って行った…。過去を画(え)にする精神(こころ)の両腕(かいな)は一人(ひと)の翌朝(あさ)から嗣業を改め、旧い千夜(とばり)に自己(おのれ)を添え往く乱心(こころ)の姿勢(すがた)は旧(むかし)を顕せ、低い小宙(そら)へと夢中を買うのは幻(ゆめ)の夜伽の愚行(おろか)と成った…。低い小宙(そら)から故縁(えにし)が幻見(ゆめみ)る非道と自主(あるじ)は人形(かたち)を脱ぎ捨て、暗(やみ)の内実(なかみ)を甲斐に幻見(ゆめみ)る自己(おのれ)と未(いま)との安堵を識(し)った…。

      *

 …まるであの漫画に見た様な、青黒い、如何(いか)にも深い様(よう)な大海原(おおうなばら)を俺達の家を取り囲んだ海は見せて居り、白い波の畝(うねり)が引っ切り無しに起き、まだまだ波が窓から眺めて居る俺達の目から見て左から右の方へずっと流動(なが)れ続けて居た。

      *

 …無益に満ち生く鼓動の独義(ドグマ)は連想(ドラマ)を捜して人間(ひと)を突き止め、「生きた証」を底儚く問う夢遊の自主(あるじ)と静観(せいかん)した儘、一人(ひと)の自由を文言(ことば)に儲ける無頼の主観(あるじ)を美しく観た。男女(ひと)の生気を夢中に留(とど)めて、過保護を知らない孤独の自主(あるじ)は、一人(ひと)の最中(さなか)に自主(あるじ)を置き去る人山(やま)の倣いに自然(あるじ)を見た儘、幻覚(ゆめ)の未憶(みおく)へ宙(そら)を培う〝一人(ひと)の正義…〟を仰いで在った…。自由を紐解く八性(おろち)の行方は嗣業を匿う未知を相(あい)して、女性(おんな)の列(ならび)に孤独を設ける一人(ひと)の禿冠(かむろ)を頭冠(ずかん)に置く儘、低い千夜(とばり)に宙(そら)を手向ける「自由の牙城(とりで)」に聡明を識(し)る。男性(おとこ)と一女(おんな)の躰の総理(すべて)は阿漕を知らない夢遊に赴き、一人(ひと)の孤独と情(なさけ)を見るまま底儚く散る夢幻(ゆめ)へと転じ、一人(ひと)の生則(きそく)を夢遊へ列(なら)べる過去の自主(あるじ)に感覚(いしき)を突いた。宙(そら)の麓で悪魔を感じ、漆黒(くろ)く流動(なが)れる孤独の重味(おもみ)は自由を絵にした〝孤独の欠片(かけら)〟に一人(ひと)の精華(はな)など並べて居ながら、自己(おのれ)の生果は奇妙に流行(なが)れる諏訪の畔(ほとり)で主観(あるじ)を感じて、男性(おとこ)に培う過去の絵に立つ過渡の凌ぎを暴力(ちから)に見て居た。女性(おんな)の幻(ゆめ)から芥(あくた)が跳び交い、企図に集める耄碌ばかりは〝男性(おとこ)の画(え)に立つ不業(ふぎょう)の自主(あるじ)〟を底儚く問い、白亜(しろ)い四季(きせつ)に自由を損なう辛苦の列(ならび)に杜撰を見て居る…。低い宙(そら)への祈りの手数(かず)には、選り取り見取りの漆黒が在り、無知を秘め生く精神(こころ)の頭数(かず)には無頼を按じた児(こども)が寝そべり、低い千夜(とばり)の自然(あるじ)の身許は私欲(よく)を掻くまま不義を堕とした…。一人(ひと)に識(し)れ得る不悶(ふもん)の許容(うち)から過去(むかし)の禍根の自主(あるじ)は自由を深める自然(あるじ)を彩(と)った…。無心に崇める精神(こころ)の欲には不審に生い立つ行方を断つ儘、一人(ひと)に信じて孤録(ころく)を忘れる自由の想いを途切りに焚いた…。自由に活き尽(き)る不義の亘りは過去と未(いま)との純粋だけ見て、一人(ひと)に留(とど)める未来(さき)の辛苦は檻に産れた細工(ざいく)であった。一人(ひと)の不義から見様(みよう)が活き出し、不問と未(いま)との故録(ころく)が問うのは、自由と未(いま)との無言の自主(あるじ)と四季(しき)に塗(まみ)れた自然(あるじ)を問う儘、一人(ひと)の意識に〝自由〟を損ねた稼業の類(るい)から生途(せいと)が湧き出て、一人(ひと)の怒鳴りに無知が片付く「自由の自主(あるじ)」へ聡明を見た。純(ただ)しい事実(こと)から無頼を分け往く一人(ひと)と未来(さき)との自主(あるじ)を好く観て、過去と未(いま)との逆行(もどり)の果てには活命(いのち)に基づく淡さを識(し)りつつ、不自由なれども絆を隔てる奈落の愛露(エロス)を葬り出した。一人(ひと)の果実に並んだ行儀は過去に問われた〝自由…〟を観た後(のち)、一人(ひと)の仕種に安(やす)きを観て取る自己(おのれ)の愛撫に丁度好かった…。暗(やみ)に差し出す労苦の成果(はて)には〝自由と未(いま)〟との微温味(ぬるみ)が伴い、悪しき自主(あるじ)の児(こども)を観るうち千夜(とばり)の鳴く音(ね)を家屋に保(も)った…。幻覚(ゆめ)の「家屋」は思慕を報さぬ一女(おんな)を好く見て、一男(おとこ)の肉体(からだ)と虚無の行方を未来(さき)へ見送り無頼を識(し)った…。

      *

 …電線の鉄柱なんかがその大海原(おおうなばら)・波の中に、今にも倒されて流されて行く様な光景を見せて居た。母親はベッドと共に俺の部屋の書棚が在る位置に居た。俺は自分のベッドに、父親はまだ一階で寝ても大丈夫だと言う証拠を示す様に一階のいつもの畳の寝室で寝て居て、津波の様子が余りにも尋常でない事を心配して二階へ上がって来たのである。

      *

 …一人(ひと)の見定(さだ)めを浮浪が閉ざし、小宙(そら)の真下(した)から鼓動を採るのは脆弱(よわ)い佳日と朧の人陰(かげ)にて、人密(みつ)に愛せる不敗の自然(あるじ)は孤独を培い退屈(ひま)を弄(あそ)んで、過去を過ぎ去る自己(おのれ)の体裁(かたち)は余韻を残さず生死に編まれた。低い小宙(そら)から体形(かたち)を余さず、不遇の好(よしみ)を化身と観るのは世渡りだけにて、女性(おんな)の生義(せいぎ)に身塵(みじん)を取り巻く昔凌ぎの不遇をその掌(て)に、人の暗(やみ)から生憶(きおく)を削ぐのは素人紛いの有頂と成った…。人密(みつ)の誉れに道標(しるべ)を失くして見様見真似で孤独を識(し)る時、無法に問い往く愚行(おろか)の極みは過渡を覗けぬ自然(あるじ)を掌(て)にして、幻覚(ゆめ)と自己(おのれ)の制覇の行方は未来(さき)を知らない快無(オルガ)を識(し)った…。一人(ひと)の微温味(ぬるみ)に活命(いのち)を観るうち木霊と自主(あるじ)の希望は棄て去り、気楼に跨る虚無の行方は幸先知らずの自主(あるじ)を絵にして、過去の空間(すきま)に一人(ひと)を報せる夢遊の境地を羅漢に知った…。五月蠅(あわ)い生憶(きおく)の残香(かおり)の許容(なか)から、途切れ途切れに自己(おのれ)が仕上がり、人密(みつ)の虚無から樞(しかけ)を乞ううち非道に息(いき)する伸びやか差を見て、一人(ひと)の気迫に杞憂を窺う幻(ゆめ)の極致は幻滅して居た…。一女(おんな)の肢体(からだ)に勝手を知り抜き、虚構を争う独義(ドグマ)の陰(かげ)には魅了が活き貫(ぬ)き、男女(ひと)の仕種に過去が映れる〝途切りの周波…〟は難無く燃えた。非道の朝日へ列(なら)べて、過去を選(え)り抜く精神(こころ)の糧には道標(みちしるべ)が建ち、五月蠅(あわ)く染まれる憂いの美園(その)には縁(えにし)に纏わる教句(きょうく)が去った…。男性(おとこ)と一女(おんな)の無法の美声(こえ)には互いを呼び合う虚勢が去り往き、白亜(しろ)く爛れる人壁(かべ)の目前(まえ)から自主(あるじ)を失くした虚構に落ち着き、一人(ひと)の哀れを勝鬨にも見る杜撰と教句(きょうく)の振舞いから観て…、幻(ゆめ)の旧巣(ふるす)へ男・女(だんじょ)が立つのは旧来(むかし)凌ぎの果報に在った…。一人(ひと)を知れずに孤独を宣う宇宙と科学の未聞(みもん)の旋律(しらべ)は、調べに勝れる孤高の粕(かす)にて〝哀れを報さぬ無象(むぞう)〟に似て居り、自己(おのれ)の生理を人密(みつ)に着かせる旧い人形(かたち)の暴途(ぼうと)の頭上(うえ)では、幻夢(ゆめ)の解(かい)から乱心(こころ)を込ませる途労(とろう)の生義(せいぎ)に操りを識(し)る…。男女(ひと)の生地(せいち)を宙(そら)に仰ぎ見、身欲を片手に未亡を採るのは億劫ばかりで、一人(ひと)の過去から独理(ドグマ)を波(わた)れる果報の自主(あるじ)は暖かみを知り、無言に染まれる孤独と憂慮は不審の身辺(あたり)を底儚く観て、一人(ひと)の奇妙に人影(かげ)を失くせる不信と不穏の悪態を観た…。烏合(ひと)に乞われる独理(ドグマ)の幻(ゆめ)には真昼の魅力が宙夜(ちゅうや)と彷徨い、成果(はて)を識(し)らない牙城(とりで)の許容(なか)には活命(いのち)を集める未然が活き発(た)ち、過去と私欲(よく)との自体(おのれ)の知識は貌(かお)を観たまま自主(あるじ)と活きた…。

      *

 …(追記)

 この夢を見る前に、俺にガールフレンドが出来、又、結婚迄もしかしたら行けるかも知れない、なんて嬉しい期待と確かな展開が流れるエピソードが在った事を覚えて居る。又、他のエピソードも見て居た。

      *

 …脆い空虚に打ちのめされつつ憤慨して往く孤独の畝(うねり)は、一人(ひと)に導く無機の牙城(とりで)の暗(やみ)を償う自主(あるじ)を採った…。一人(ひと)の派手から陽気を彩(と)り出し未知に溢れた文言(ことば)を投げては、一人(ひと)の寝屋から気力が落ち向く旧来独語(むかしがたり)の進歩を舐め取り、白亜(しろ)く波打つ孤独の谷には旧峠(むかしとうげ)の自然(あるじ)を描(か)いた…。幻(ゆめ)と孤独の廻地(サークル)から見て〝慌てる男女(ひと)…〟には宙(そら)が象(と)られて、意味の概(おお)さが過去に煩う無知の千夜(とばり)の進歩を買った…。一人(ひと)に独歩(あゆ)める孤独の原野(げんや)は過去に降(お)り着く旧来(むかし)を観て居り、白亜(しろ)い人扉(とびら)に無心を奏でる未知の概(おお)さに孤独を排して、一人(ひと)に知られず千夜(とばり)を保(も)つのは温味(ぬくみ)に呈(あらわ)す造作と成った…。結局(つまるところ)は道化を異(い)にして、白亜(しろ)い過渡から魅力を吃(ども)らす不審と魔の手の風来から降(お)り、過去を昇らす空地(あきち)の寝屋には自由に這い摺(ず)る呼吸が蹴上(けあ)がり、小宙(そら)の彼方へ残骸(むくろ)が退(の)くのは暗黙(やみ)の許容(うち)での仕種と成った…。未知に片付く孤独の快無(オルガ)は狂(きょう)に合せる檻など繕い、無重に紐解く寝屋の許容(うち)から過去(むかし)に息衝く乱心(こころ)の透りは人頭(どくろ)を相(あい)し、一人(ひと)の活き血を郷里(さと)へ返せる不問の音頭と肢体(からだ)は空(あ)いた…。自由に息衝く文言(ことば)の列(ならび)は真夜(しんや)に片付く故縁(えにし)を湿らせ、女性(おんな)の勝手を未然に這わせる私欲(よく)の成る根(ね)を孤独に顕せ、自由と未(いま)とが自主(あるじ)に紐解く〝自己(おのれ)の正義〟は夜露に消えた…。幻(ゆめ)の自然(あるじ)と孤独を睨(ね)めては蟻の列(ならび)に男女(ひと)を想わせ、自由の元(もと)から過去(むかし)を異(い)にする安堵の様子が傀儡(どうぐ)に化(か)わる…。自由の天(もと)から過去を建て往く始動の旧巣(ふるす)は〝信仰〟へと逸(そ)れ、一人(ひと)の自主(あるじ)に人密(みつ)が象(と)るのは暗(やみ)と未(いま)との無音に在った。幻覚(ゆめ)の過渡期に波が小波(さざ)めき、小宙(そら)の身許は一通(とおり)を渡れど、相(あい)する敵(かたき)に夢中を識(し)らない一人(ひと)の煩欲(よく)には生長が在る…。自由に繕う私欲(よく)の自主(あるじ)は謙遜して往く故録(ころく)を紐解き、自由を愛して孤独を流離う嗣業に豊かな魅力に迫り、暗黙(やみ)の自主(あるじ)を個録(ころく)に培う日照り続きの網羅を識(し)った…。

 …跡目を引かない宙(そら)の藻屑は過去(かこ)の文言(ことば)を余所に観た儘、自由に囀る幻(ゆめ)の個録(ころく)は安土に感けて自由を愛し、一人(ひと)の牙城(とりで)に安きを請け負うしどろもどろの静寂達には、酔狂(くる)った挿話(はなし)が辿り着けない活力(ちから)の檻など不安と巡れる…。蟋蟀(むし)の鳴く音(ね)が未来(さき)を報せて、分厚(あつ)い空虚の身欲(よく)の残香(かおり)は乱(みだ)らを好み、男女(ひと)と挿話(はなし)の無言の孤独を夜半(よわ)へ睨(ね)め付け巣立って行った…。


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~酔狂(くる)った挿話(はなし)~(『夢時代』より) 天川裕司 @tenkawayuji

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