固有スキル「毒無効」持ち底辺ダンジョン配信者、ハズレスキルで無双する。
鶏もも
プロローグ
「ダンジョン」
それはかつて空想の産物として語られていたものであった。
魔物を生み出し、中に入った者の中には魔物の餌食となり2度と戻ってこないものもいる。
そんなダンジョンが地球上に現れてから
はや数十年の時が経った。
現在、世界中にあるダンジョンは政府やダンジョン管理機関によって管理され、24時間魔物災害や崩壊を防ぐため監視されている。
よって初期に比べダンジョン災害の件数は著しく減少しており、今後もより一層ダンジョンからのアイテム獲得や研究が進んでいくだろう。
http://seifu.jp/dannjonnworks516894167
(日本政府ダンジョン庁公式ホームページ)
「んーなこった分かってんだよっ!
研究進んでんなら還元しろ還元!
魔物に対するスキルのいい使い方とか載せろよ。こんなん誰でも知ってるっつーの」
布団に転がりスマホをいじりながらぼやく。
親戚は居らず、母親は物心つく前に病気で亡くなり、父親は蒸発した。
今は子供の時から憧れていたダンジョン探索者になっているというと聞こえはいいが、スキルに恵まれなかった底辺である。
配信で得られる利益は月当たり数百円。
その上配信を始めるときに買ったダンジョン配信対応浮遊カメラの借金が膨らみ続けている。
「何がダンジョン配信者の平均年収600万だよ。
上の奴らが馬鹿みたいな金額稼いでるだけじゃねえか」
恐ろしく狭いアパートでインスタントラーメンやらパック酒やらのゴミに囲まれながら暮らしている。
「俺だってそっちに行けると思ってたんだけどな……」
ダンジョンが現れ、ダンジョン探索者という職がメジャーになる頃、ダンジョン探索者の中にスキルと呼ばれる特殊能力を発現させる者が現れた。
それ以降探索者としてダンジョンにはいる者の大半にスキルが現れるようになったのだ。
俺の持つスキルは「毒無効」、一見有用そうに見えるが大した意味はない。
なぜならダンジョンの魔物で毒攻撃を仕掛けてくるものは少なく、いたとしても中層以降にしか出てこない。
さらに毒攻撃を食らったとしてもすぐに治せるポーションが一本数万円で出回っている。
数万円は確かに高いが中層を攻略できるような探索者にとっては安いものである。
よって俺の持つ「毒無効」はハズレスキルと呼ばれているのだ。
逆にどんな状況でも通用する「身体強化」やパーティーメンバーと自分を隠せる「
「はぁ……今日も配信するか……」
俺はダンジョン探索の装備と浮遊カメラを持ってダンジョンに向かった。
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