🌑上半身の隣人

@wanwanwan123

第1話 夜のこと

夕飯を早く食べてしまったため

お腹が空いたと夜食のラーメンを作り始めた時のこと

私の後ろを誰かが 小走りで走って行った

てっきり リビングにいる子供たちが 通ったのだと思って

ラーメンをかけていた ガスコンロの火が 左右に揺れたから

ママの後ろを走るな! 危ない!!と 怒鳴った

リビングでは家族みんながテレビを見て笑っていた

腹が立ったので 私はコンロの火を止め  ラーメンが伸びるのを 多少 気にしながら注意をしにリビングに行った

何 寝ぼけたこと言ってるの?

台所になんて 誰も行ってないよ! 早くラーメンちょうだい!と皆が言う

なんだ私の気のせいかと思い 急いで 台所に戻ると

お隣の おじいちゃんが 首を左右に振りながら ラーメンを作っていた

でも おじいちゃんの 腰から下は何もない

人は 強烈な 恐怖を感じると声が出ないものなんだ と

私は初めて知った

お隣のおじいちゃんの お葬式は済んだから

そもそもこの世にいるはずがない なのに 上半身はそのおじいちゃんのものだった

  服は着ていた 




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