第18話

夜子は凄いな

夜子はかっこいい

夜子が羨ましい


全てを手に入れたような美少女が

私を見上げて目をキラキラさせて呟く


普通の女の子だった私は

菜々の世界に吸い込まれて

いつの間にか菜々の魔力で

いつでも冷静で

賢い素晴らしい女の子にされていた


菜々の世界に居る私は

常に優越感と劣等感に挟まれて

ジェットコースターのような気分を味わう


おそらく私だけの私ならば

みんなの世界の中で

美人でも無い

目立つ訳でもない

何を考えてるか分かりにくい

少しクールな普通の女の子

程度だ


菜々が隣に居る事で

菜々が私に懐いている事で

私の価値が上がっているのは分かってる


あの菜々が大好きな夜子

菜々に1番近い夜子


菜々に出会ってからずっと

私はただの私では無くなった


ただの私を好きになって

ただの私を1番だと言って欲しい


菜々の隣の私では無い

ただの葉月夜子を見つけて


男友達が増えても

遊びに行っても

口説かれても

虚しさが消えない

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